米大統領として初めて公式に日本を訪問したのはフォード氏で、1974年11月まで待たねばなりませんでした。

1960年6月のアイゼンハワー大統領が初来日の予定が、水泡に帰してしまったためです。新日米安保条約の調印で1960年1月に岸首相がワシントンを訪問した際、日米修好通商条約100周年記念に合わせアイゼンハワー氏に訪日を要請し快諾を得たものの、安保闘争が吹き荒れていた日本では実現不可能と判断されました。当時、アイゼンハワー氏の初訪日の準備のために来日していたハガチー大統領補佐官の車が暴徒に取り囲まれる事件が発生したとあっては、断念せざるを得なかったというわけです。

1974年以降はガラリと様相が変わり、歴代の大統領がアジアを訪問する際、いの一番に日本を選ばなかったのは、少なくとも以下の3回のみです。

  • 1992年1月、ブッシュ大統領(1991年12月に韓国と北朝鮮の間で“南北基本合意書”が締結)
  • 1996年4月 クリントン大統領(北朝鮮をめぐり、クリントン側は米韓に中国と北朝鮮を加えた四者協議を提案)
  • 2010年11月 オバマ大統領(G20首脳会議出席、日本ではAPEC首脳会議に出席)

フォード政権以降、米大統領として初のアジア訪問で日本を最初に選ばなかったのはブッシュ氏(子)のみで、2001年2月にAPEC首脳会議に出席すべく上海を訪れていました。ここにバイデン氏が加わり、歴代で2人に増えることになります。