Q. では世界の投資家が8500兆円も投資するのはなぜですか?

株価をはやすにはもってこいだからです。カーボンゼロには膨大なインフラ投資が必要で、効果が出たかどうかは30年後までわかりません。日経が1980年代に「内需関連株」と称してあおった不動産投資のコストは莫大でしたが、何も生み出さず、それが崩壊して日本経済はめちゃくちゃになりました。

Q. ESG投資はもうかるんですか?

再生可能エネルギーなどの「脱炭素」技術を売るメーカーはもうかりますが、コストの高い技術を使う企業は損します。日経は「カーボンゼロでエネルギーを節約してコストが下がる」と書いていますが、コストの下がる投資は企業がすでにやっているので、これから増えるのは政府の補助金がないと赤字になる投資です。その補助金は結局、数百兆円の国民負担になります。

Q. カーボンゼロで株価は上がるんでしょうか?

これも日経がはやした不動産バブルと同じで、非生産的な投資でもバブルが続いている限り、みんなハッピーです。ESG投資をすると「地球にやさしい会社」というイメージで、株価が上がるかもしれません。でも収益はイメージではなく実体経済で決まるので、いずれ株価は収益還元価格まで下がります。不動産の収益は家賃ですが、カーボンゼロの収益は何もないので、収益還元価格はゼロに近い。