最近の早期退職には、新型コロナウイルス感染症のまん延などによって業績が低迷した企業が経営悪化を解消するために行う場合と、黒字の企業が40代や50代の従業員数を減らして、年齢構成の偏りを解消する場合の2種類がある。早期退職では退職金を割り増ししてくれるケースがほとんどだが、退職後の再就職では給料はいくらくらい下がるのか見ていこう。

55歳から59歳の平均給与は?

国税庁が発表している「令和2年分民間給与実態統計調査」を年齢階層別に見ると、平均給与は、55~59歳の時がもっとも高く、男性で668万円、女性で311万円だ。男女を合わせた場合の平均給与は518万円である。

60歳から64歳の平均給与は?

次に、60~64歳の場合を見ていこう。定年を迎えた人も含まれるため先ほどよりも金額が下がっており、男性で521万円、女性257万円である。合計した場合の平均給与は415万円だ。

年収が400万円以上下がるケースも!?

厚生労働省が実施した「令和2年高年齢者の雇用状況」によると、定年が65歳となっているのは調査対象企業の約20%だという。先ほどの調査結果からすると、55~59歳頃に早期退職し、何年かのんびりしたあと平均的な企業に再就職した場合、55~59歳時と60~64歳時の平均給与の差は最大で約150万円だ。

さて、57歳で早期退職し60歳から再就職を考えた場合に、実際どういった求人があるのかハローワークで検索してみた。勤務地は東京都、年齢60歳、希望職種は「事務・営業・販売」の条件で検索すると、たくさんの求人があり、賃金の幅がとても広い。

業種や雇用形態によるが、時給は1,040円から1,800円ほど。月給では、18万円から66万円ほどである。仮にパートで再就職し、時給1,040円で1日8時間、月20日勤務したとすると16万円ほどになり、年収は約200万円。55~59歳の平均年収である668万円と比較すると、単純計算で約468万円もの差が出ることが分かる。

退職後は給与が下がる傾向にあるが業種による部分も……

早期退職を利用して第2の人生を歩むのも良いが、再就職する際には、以前よりも給与が大幅に下がることを覚悟しておいた方が良いかもしれない。ただし、業種や雇用形態によっては、以前と同じくらいの給与を得られる場合もある。いずれにせよ、早期退職を考える際には先々まで見据えてしっかり計画しておく必要があると言えるだろう。

文・山村望愛

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