Q7. 日銀はお札を印刷できるからいいんじゃないですか?

日銀は債務超過になってもつぶれません。日銀が国債を時価で売ることはなく、その保有している国債は簿価(買ったときの値段)で評価されるからです。でも金利支払いができなくなると、一般会計から赤字を補填しないといけません。これは黒田総裁の責任問題になるでしょう。

国債をもっている民間銀行の資産は時価評価なので、大きな評価損が出ると債務超過になります。1000兆円の国債の長短金利が1%上がると、評価額がが50兆円ぐらい下がります。銀行がその評価損を決算で報告すると、取り付け騒ぎが起こる可能性があります。これが1998年に起こった金融危機です。

Q8. では借金を返さないで先送りすればいいんですね?

ゼロ金利が続く限り、借金を次の世代に先送りするネズミ講が可能です。政府は「2025年までにプライマリーバランス(金利支払いを除く財政収支)を黒字にする」という目標を立てていますが、去年は大幅な財政赤字を出したので、実質的にその目標を先送りしました。

今は高い金利で借りた国債をゼロ金利で借り換えているので、元利合計の借金は減っていますが、金利が上がると借金が雪ダルマ式に増えます。アメリカでは金利が上がり始めました。