EZバーを理解しよう

EZバーとストレート―バーはどっちが上腕二頭筋に効果的なのか
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

EZバーの長所と短所

W字の形状をしたEZバーは、バイセップスカールの際に手首や肘関節への負担を軽減するために考案されたものだ。関節への負担が少なければケガのリスクも減り、効率よく上腕二頭筋を刺激することができる。

また、EZバーはナローグリップにも対応していて、いずれの手幅で握った場合でも、約45度の角度に手のひらを回内させた状態で動作を行うことができる。

EZバーでのカールは上腕二頭筋を効率よく刺激することができるのだが、実はストレートバーを使ったカールのほうが上腕二頭筋の発達効果は高い。というのも、ストレートバーでは手首が外旋するので、それが上腕二頭筋により強い収縮感をもたらすからだ。

手首の外旋+カール動作によって上腕二頭筋は強い刺激を受け、肥大のための反応を起こすわけである。

それに対して、EZバーは手首を外旋させないので、上腕二頭筋を収縮させるのはカール動作だけということになる。

そうなると、EZバーよりもストレートバーを選択したほうがよさそうだが、実はそうとも言い切れない。人によっては、ストレートバーでカール動作を行うと手首や肘、肩関節などに痛みが起きたりするからだ。そのような人がEZバーに持ち替えてカール動作を行うと、痛みを避けながらバイセップスカールで追い込むことができるようになる。

確かにEZバーのほうがやや効果は下がるかもしれないが、ケガをしたり、痛みを我慢しながら行うよりははるかに効果的だ。また、リハビリ中の人にとってもEZバーを使った動作は安全なのである。

EZバーカールの基本動作

EZバーでのバイセップスカールは次のような手順で行う。これは上腕二頭筋の長頭と短頭を均等に刺激するやり方だ。
①EZバーを両手で握り、まっすぐに立つ。W字の外側の部分を握る。手首はわずかに回内しているはずだ(45度程度)。
②肘を体側につけて脇を締める。動作中、肘はできるだけ体側に固定しておく。
③ゆっくりと肘を曲げながらバーを肩方向に引き上げて、上腕二頭筋を収縮させる。
④上腕二頭筋が完全に収縮するまでバーを引き上げ、トップポジションの状態を2秒ほど保つ。
⑤その後、ゆっくりと肘を伸ばしながらバーを下ろしてスタートポジションに戻る。
⑥上体を前後に揺するなどして反動をつけないようにしよう。
⑦手首は常にまっすぐに伸ばした状態を保つようにする。

【EZバーカールのバリエーション1】
EZバーカールの基本動作を理解したら、クロースグリップでもやってみよう。基本的な動作は同じで、クロースグリップではW字の内側のわん曲部分を握って動作を行う。クロースグリップでのカールは上腕二頭筋の長頭をより強く刺激するので、ピークを強調するのに効果的だ。

【EZバーカールのバリエーション2】
肩幅より広くバーを握るワイドグリップで行えば、上腕二頭筋の短頭を強く刺激することができる。

【EZバーカールのバリエーション3】
バイセップスカールはケーブルを使って行うこともできる。プーリーを低い位置にセットし、ケーブルにEZバーのアタッチメントを取り付けて行えば、EZバーケーブルカールを行うことができる。ケーブルを使うメリットは、スタートからトップポジションまで一定の負荷がかかり続けるという点だ。従来のバイセップスカールに飽きてしまったら、ケーブルを使ったやり方に切り替えてみると新鮮な刺激が得られるはずだ。

ストレートバーを理解しよう

EZバーとストレート―バーはどっちが上腕二頭筋に効果的なのか
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

ストレートバーの長所と短所

ストレートバーで行うバイセップスカールは、肘の屈曲によるカール動作に加えて、手のひらが真上に向くことで上腕二頭筋の収縮がより強く得られる点に最大の長所がある。ただし、ストレートバーでカールを行うと、トップポジションに近い可動域で手首にトルクがかかり、関節への負担となって違和感をもたらす場合がある。人によってはこれが痛みとなって感じられることもあるが、逆に何の痛みも違和感もないという人もいる。

痛みがあるのにストレートバーでのカールを無理に続けてしまうと、最悪、腱の断裂を招くことにもなるので十分に注意しよう。

基本のストレートバーカール

①真っすぐに立つ。アンダーグリップで、肩幅程度の手幅でストレートバーを握る。スタートポジションでは手のひらは前方を向いている。
②脇を締め、肘を体側に固定する。
③上腕は終始固定し、バーベルを肩に向けてカールさせながら上腕二頭筋を収縮させる。
④上腕二頭筋が完全に収縮するまで肘を曲げ、トップポジションの状態を2秒ほど保つ。
⑤その後、ゆっくりと肘を伸ばしてスタートポジションに戻る。
⑥上体を前後に揺すって弾みを付けないこと。
⑦手首は常にまっすぐに伸ばした状態を保ち、手前に屈曲させたり、背屈させないこと。

ストレートバーカールのバリエーション

EZバーカールと同じように、以下の3つのバリエーションで行ってみよう。
●クロースグリップ
●ワイドグリップ
●ケーブルマシン