米国世論

1939年7月、米国は日米通商航海条約の破棄を通告してきた。直後の8月に行われた(米国)世論調査では、「日本との条約を破棄する政府の政策について」という質問に対して、「賛成81%」「反対19%」という(かなり極端な反日的)結果が出たと、番組では伝えていた。

しかし、この部分については、番組を鵜呑みにするのは事実から遠ざかるだろう。まるで中国のプロパガンダでこのような結果に誘導されたかのような短絡的な番組内容であったが、この時期、実際にはもっと複雑な要因が存在しているので複合的な種々の事柄が反日世論を喚起することの原因となったと考えるのが自然である。

蔣介石「毎月10万ドルの対米宣伝費を惜しむな」

そして番組では、蔣介石から中国高官への命令書からの引用として、次の一文を提示する。

「毎月10万ドルの対米宣伝経費は惜しんではいけない。(略)アメリカは世論を重視する民主国家であるため、動かしやすい。」

これが、今から80年以上遡る1940年以前に、蔣介石が有していた世界観の一部である。

このことが示された今、「現代において対米宣伝活動は行われていない」と考えることは合理的だろうか。

もちろん複雑に隠されて簡単には見抜けなくなっているので、証拠の提示や活動の証明は大変困難な作業になるが、宣伝活動はなされていると考えることの方が自然であると筆者は考える。