いまの学生たちは、どのような企業に入社したいのだろうか。例えば「就職人気企業ランキング」は、どの企業が優秀な学生を確保しやすいかなどを測るバロメーターの一つとなる。なぜなら数多くの応募者の中から採用する人を厳選できるからだ。本記事では、気になる2023年卒のランキングを紹介する。
「文系学生」の就職人気企業ランキング
就職人気ランキングは、さまざまな企業が集計・発表している。ここでは、その中でも40年以上にわたって調査を続けているマイナビ(2016年度から日本経済新聞と共同実施)のデータを紹介していく。「2023年卒版就職企業人気ランキング」では、2023年卒予定の学生を対象に調査を行っている。まずは「文系学生」の就職人気企業ランキングを紹介しよう。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | 東京海上日動火災保険 |
2位 | ソニーグループ |
3位 | ニトリ |
4位 | 日本生命保険 |
5位 | 伊藤忠商事 |
6位 | ソニーミュージックグループ |
7位 | 講談社 |
8位 | 損害保険ジャパン |
9位 | バンダイ |
10位 | 味の素 |
11位 | トヨタ自動車 |
12位 | Plan・DO・See |
13位 | ファーストリテイリング |
14位 | バンダイナムコエンターテインメント |
15位 | ポニーキャニオン |
16位 | Sky |
17位 | 住友生命保険 |
18位 | 第一生命保険 |
19位 | JTBグループ |
20位 | サントリーグループ |
21位 | 三菱UFJ銀行 |
22位 | オリエンタルランド |
23位 | 凸版印刷 |
24位 | 東日本旅客鉄道 |
25位 | ミリアルリゾートホテルズ |
26位 | イオングループ |
27位 | 集英社 |
28位 | コナミグループ |
29位 | 大日本印刷(DNP) |
30位 | アイリスオーヤマ |
2年連続の1位は「東京海上日動火災保険」
1位は、前回調査から引き続き「東京海上日動火災保険」だった。2位の「ソニーグループ」は前回の19位から大きく順位を上げた。ソニーグループは、電気自動車(EV)事業の参入を発表するなど話題のニュースが多いことも学生からの人気を高めている要因かもしれない。
12位の「Plan・DO・See」はどんな会社?
上位20社のほとんどの社名が広く知られた有名企業だが12位の「Plan・DO・See」は、どのような企業かご存じだろうか。Plan・DO・Seeは、レストランやホテルを運営しており2019年版の「働きがいのある会社ランキング」でも1位を獲得した話題の企業だ。ちなみにPlan・DO・Seeに関しては、任天堂の旧本社ビルを改装したホテルの運営企業であることでも2022年に入り注目を浴びた。
「理系学生」の就職人気企業ランキング
続いて理系学生の就職人気企業ランキングだ。トップ20は、以下の通りとなっている。
順位 | 企業名 |
---|---|
1位 | ソニーグループ |
2位 | 味の素 |
3位 | 富士通 |
4位 | NTTデータ |
5位 | トヨタ自動車 |
6位 | サントリーグループ |
7位 | Sky |
8位 | 三菱重工業 |
9位 | カゴメ |
10位 | キヤノン |
11位 | 明治グループ |
12位 | 森永乳業 |
13位 | 大成建設 |
14位 | ニトリ |
15位 | パナソニック |
16位 | 日立製作所 |
16位 | 東日本旅客鉄道 |
18位 | 資生堂 |
19位 | アサヒ飲料 |
20位 | 日本調剤 |
21位 | 日清食品 |
21位 | ロッテ |
23位 | 清水建設 |
23位 | 東海旅客鉄道 |
25位 | 旭化成 |
25位 | バンダイ |
27位 | 任天堂 |
28位 | 富士フイルム |
29位 | 大林組 |
29位 | 三菱電機 |
ソニーグループが1位、味の素と順位が入れ替わり
ソニーグループは「前回調査」で2位だったが今回調査では1位となる。逆に「味の素」は、前回調査の1位から2位に落ちた。前述の通りソニーグループは、文系学生の就職企業人気ランキングで大きく順位を上げている。2023年卒の学生を対象とした今回のランキングでは、MVP的な存在といえそうだ。
年々順位が上がっている「Sky」に注目
トップ10に名前を連ねている企業の中にほかの9社よりも明らかに知名度が低めの「Sky」という企業がランクインしている。Skyは、一言でいえばシステム開発企業で名刺管理サービス「SKYPCE」などを展開している企業だ。離職率が低く元社員による口コミ評価では全企業中上位1%に含まれる(社員口コミサイト「openwork」より)など評判がいい。
ちなみに前々回調査では15位、前回調査では12位、そして今回調査では7位と年々順位が上がっている。
来年のランキングはどのような結果に!?
就職企業人気ランキングは学生にとってだけではなく企業の人事担当者にとっても注目の情報だ。人気が大きく下がったりライバル企業に順位で追い抜かれたりした場合は、何らかの取り組みが必要になってくるだろう。はたして来年のランキングは、どのような結果になるだろうか。
文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
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