BCAA
なぜ摂るのか
筋発達を促す目的で、BCAAは本格的なボディビルダーやリフターたちに積極的に摂取されてきた。BCAAの作用は筋発達だけでなく、高強度の運動で傷ついた筋線維の修復や追い込まれて疲労した筋肉の回復、ワークアウト後の筋肉痛の緩和などを促す働きもある。
BCAAを摂取すると、筋肉へのタンパク同化が促進されることが多くの実験で示されてきた。また、筋肉の異化分解も抑制されるため、筋肉のサイズダウンを防ぐという目的においてもBCAAは多くのアスリートに利用されてきたのだ。
必須アミノ酸には9種類があるが、BCAAにはそのうちの3つ(ロイシン、バリン、イソロイシン)が含有されている。特にロイシンは筋肉づくりには必須と言われていて、本格的な筋発達を目指しているアスリートのサプリメントプランには欠かせないものとなっている。
いつ摂るのか
BCAAを摂取する理想的なタイミングはワークアウトの前、ワークアウト中、そしてワークアウト後であるというのが一般的な認識だが、研究によって次の事柄が報告されている。
●ワークアウト前にBCAAを摂取すると、運動中の筋肉の異化分解が抑制される
●BCAAの中のロイシンは骨格筋へのタンパク同化を積極的に促す
●運動による筋肉のダメージが抑制される
●ダメージを受けた筋肉の疲労回復を促す
これらのことを考慮すると、BCAAを最大限に活用できる摂取タイミングはワークアウト前であると言えるかもしれない。
カゼインプロテイン
なぜ摂るのか
吸収の早いホエイプロテインの対極にあるのがカゼインプロテインだ。いずれも牛乳に含まれるタンパク質成分だが、その性質は異なっている。カゼインは摂取してから身体にゆっくり吸収されていくわけだが、その性質が役立つタイミングがあるのだ。
どうしてカゼインは吸収されるのに時間がかかるのか。それは、カゼインは胃酸によってジェル状に変化するためだ。ジェル状になると、吸収までの時間は緩やかになる。このような性質を持っているため、血液中のアミノ酸濃度は時間をかけて少しずつ高まり、その状態を維持することができるというわけだ。だから満腹感も持続し、筋肉も長時間にわたり少しずつアミノ酸を同化させることができるのだ。
いつ摂るのか
このようなカゼインの性質を考えると、摂取のタイミングとして最適なのは「次の食事まで長時間空いてしまう」という場合だろう。つまり、寝る前である。就寝前に摂取したカゼインは、睡眠中、少しずつ血中にアミノ酸を送り、それが筋肉に取り込まれて同化され、疲労回復や筋線維の修復に役立てられるのだ。これなら、食事ができない睡眠中であっても筋肉がどんどん分解されてしまうようなことを防ぐことができるはずだ。
他にも、仕事や移動などで食事の間が空いてしまうようなときも役立つはずだ。事前に予定がわかっているなら、シェイカーにカゼインプロテインのパウダーを入れて持ち歩き、飲むときに水を入れて摂ればいい。
このように成分の性質を理解できていれば、最大限にそれを活用し、役立てることができるのである。