みんな摂ってるからとか、流行っているからという理由でサプリメントを摂取しているという人は、残念ながら大勢いる。もし、自分も心当たりがあるというのであれば、この機会に摂る意味と、飲むタイミングを明らかにしておこう。あこがれの選手が摂っているのを真似したところで同じ体型になるわけではないのだ。自分に必要なのかどうか、摂取するならどのタイミングなのか、きちんと理解しておいたほうがムダがないはずだ。よほどお金の使い道に困っているならともかく、できるだけムダなく効率よく摂取したいなら、ぜひ飲む理由とタイミングくらいは知っておきたい。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
ホエイプロテイン
なぜ摂るのか
眠っている間、私たちは当然食べることができないので、その間は絶食状態にあると言ってもいい。平均すると、多くの人が7時間程度の睡眠をとっているようだが、翌日が休日ともなれば、場合によっては10時間ぐらい眠る人もいるだろう。
寝ている間、私たちの身体の中では疲労回復のために様々な機能が働く。機能しているからにはエネルギーが必要になる。しかし、寝ている間は食事ができない。さて、エネルギー源はどこから来るのだろうか。
ご存じのとおり、私たちの身体の中には様々な部分にエネルギー貯蔵庫がある。血中には最後の食事から得た糖が含まれているし、グリコーゲンが蓄えられている器官も多い。もちろん脂肪細胞にもたっぷりと脂肪がある。そして、筋中にも同化されたタンパク質がある。
脂肪細胞から脂肪酸を放出し、それをエネルギーにしてくれたら理想的なのだが、実際はそううまくはいかない。眠っている間(絶食している間)、私たちの身体は正常に機能するために必要なエネルギー源を、こともあろうか筋中に蓄えられているタンパク質を分解して消費してしまうのだ。
そうであるなら、起床したらすぐにでもタンパク質を補給したい。眠っている間に奪われたタンパク質をできるだけ早く補って、筋肉に同化させたいのだ。そのためには、摂取してすぐに血中のアミノ酸濃度を高めてくれるホエイプロテインがいい。
ワークアウト直後も同じような状況だ。だからワークアウト直後もできるだけ早くタンパク質を身体に供給したいので、摂取して20分後には血中に溶け込んでくれるホエイプロテインが利用されているのだ。
朝食やワークアウト後の軽食で、卵や肉などを食べてタンパク質を補給することになっていたとしても、ホエイプロテインは固形のタンパク質食より短時間で血中に溶け込むので、多くのアスリートにとって欠かせないサプリメントと言える。
いつ摂るのか
まずは朝に目覚めたとき、いちばん最初に空腹の胃袋に入れたいのはホエイプロテインシェイクだ。それ以外はワークアウトを終えた直後や、日中の軽食代わりに摂取してもいい。
カフェインの錠剤
なぜ摂るのか
カフェインの錠剤は摂っていないという人でも、一日に数杯のコーヒーは飲んでいるのではないだろうか。その理由は、コーヒーの中に含まれるカフェインの作用を得たいからだろう。
カフェインの作用を得ることが目的なら錠剤のほうが効きが早い。特に朝の目覚めをよくする目的なら1分でも早く効かせたいので錠剤のほうが目的に適っている。また、カフェインの錠剤は一度に100~200mgのカフェインを摂ることができるし、あるいは時間の経過と共に少しずつ溶けてカフェインの作用が持続するタイムリリース型を選択することもできる。摂取量の目安としては、体重1㎏あたり2、3mgのカフェインであれば問題はないはずだ。
早朝のトレーニングが習慣であるという人にとっては、カフェインが競技能力の向上をもたらしてくれる点も見逃せないはずだ。実験によると、カフェインは中枢神経に作用して疲労や痛みを感じにくくしたり、やる気を高めたりするする働きがあるので、それが競技能力の向上につながるのではないかと考えられている。
いつ摂るのか
カフェインの錠剤を摂るなら、起床時やワークアウトの45~60分前に摂取するといいだろう。