目次
駐車場経営の収益
 ・賃料・利用料の目安
 ・収益性について
駐車場経営のデメリット
 ・税制メリットがほぼない
 ・運用効率が悪くなる

駐車場経営の収益

駐車場経営をした場合の収益についても考えます。

賃料・利用料の目安

月極駐車場の場合、1台あたりの賃料は、全国平均で10,311円です(総務省 小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編)車庫借料 2018年12月データ )。今治市、宇部市では4,500円、横浜市で22,667円、東京23区は25,484円となっています。平均の数値は以上のような価格となりますが、その他地方では5,000円〜1万円が目安です。また、都内の一等地では3万円〜5万円以上の賃料が見込める場所もあります。

コインパーキングの場合、立地によりさまざまですが、都内の住宅地であれば1時間当たり400円、繁華街であれば1時間あたり700円程度が平均値です(都内一等地であれば、1時間あたり2,500円程度が見込まれる土地もあります)。 

収益性について

初期費用、毎月のコスト、賃料・利用料の目安をそれぞれ見てきましたので、簡単なケーススタディを行いましょう。

ここでは、東京都豊島区雑司が谷に立地する100m2の土地に、5台の駐車場を設置した場合の、月極駐車場・コインパーキングの投資利回りを試算します。

駐車場経営で儲けるためにはどうすべきなのか
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

上記の通り、月極駐車場で2%弱、コインパーキングで4%弱の投資利回りとなりました。

思ったより低利回りだなと感じた方も多いと思われますが、よく業者が宣伝している「駐車場運営で投資利回り8%!」のようなものは、粗利回り(費用を控除する前の収入÷投資金額)で表示しているものが多いです。

駐車場経営の相談を専門業者に行う場合には、しっかりとその収支計算の中身を確認し、提示されている利回りが粗利回りなのか・純利回りなのかは必ず確認するようにしましょう。

駐車場経営のデメリット

前述の通り、駐車場経営には多くのメリットがありますが、一方でデメリットとなる部分ももちろんあります。主なデメリットは以下の2点です。

税制メリットがほぼない

固定資産税・都市計画税

アパート・マンションと違って駐車場は「住宅用地」ではないため、固定資産税や都市計画税の軽減を受けることはできません。

住宅用地であれば200m2までの部分に対しては、課税標準の特例(軽減措置)で価格の1/6に対して固定資産税がかかっていたので、駐車場の固定資産税・都市計画税はマンション用地のほぼ6倍になる計算になります。

相続税

駐車場を相続することになった場合、駐車場は「その土地の自用地としての価額による評価」(更地と同じ評価)となるため、「貸宅地」や「貸家建付地」による評価減を受けることはができません。

車庫などの施設が建っている場合には駐車場の小規模宅地等の特例が適用されます。

所得税

月極駐車場の場合、基本的に減価償却費が発生しません。コインパーキングの場合も、建物と比べれば設備の減価償却費は非常に少なくなります。減価償却費は実際の支払いを伴わない費用として、節税効果に寄与するものですが、駐車場経営は不動産経営と比較して節税効果を享受することが難しいということになります。

運用効率が悪くなる

駐車場経営を平面で行う場合は、1階分のみ、いわばワンフロア限定の活用となります。そのため、建物を建てて複数階分にも活用できるアパートやマンション経営と比べると、やはり運用効率は悪くなってしまいます。