日本の「3大メガバンク」といえば、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行だ。今もこの3社は就職活動中の学生に人気があるが、平均年収はどの銀行の給与が最も高いのだろうか。各銀行の有価証券報告書から、平均年収のデータを見てみよう。
メガバンク3行の平均年収の推移
三菱UFJ銀行、2021年3月期は773万1,000円、近年は横ばい
まず、日本の3大メガバンクの平均年収の推移を三菱UFJ銀行から紹介しよう。2021年3月期の平均年収(2021年3月末時点)は773万1,000円であり、直近5年での平均年収は大きく変動していないように見える。
会計年度 | 平均年間給与 |
---|---|
2021年3月期 | 773万1,000円 |
2020年3月期 | 774万4,000円 |
2019年3月期 | 771万5,000円 |
2018年3月期 | 773万3,000円 |
2017年3月期 | 773万8,000円 |
5期の平均 | 773万2,200円 |
三井住友銀行、2021年3月期は842万2,000円、ここ数年は上昇傾向
三井住友銀行は、ここ3年ほどは平均年収が上昇傾向だ。2018年3月期の810万5,000円から、2021年3月期は842万2,000円と30万円以上増えている。
会計年度 | 平均年間給与 |
---|---|
2021年3月期 | 842万2,000円 |
2020年3月期 | 828万6,000円 |
2019年3月期 | 820万3,000円 |
2018年3月期 | 810万5,000円 |
2017年3月期 | 814万8,000円 |
5期の平均 | 823万2,800円 |
みずほ銀行、2021年3月期は729万3,000円、直近5年は下落の一途
みずほ銀行の平均年収は、下落傾向だ。2017年3月期は744万5,000円だったが、2021年3月期には735万8,000円へ落ち込んでいる。この間、平均年収が上昇に転じたことは一度もない。
会計年度 | 平均年間給与 |
---|---|
2021年3月期 | 729万3,000円 |
2020年3月期 | 735万8,000円 |
2019年3月期 | 737万2,000円 |
2018年3月期 | 738万円 |
2017年3月期 | 744万5,000円 |
5期の平均 | 736万9,600円 |
メガバンク3行の平均年収ランキング!1位は「三井住友銀行」
各銀行の平均年収の推移を紹介したが、直近の平均年収と5期の平均年収をランキングにすると、以下のようになる。最も高いのは三井住友銀行で、2位が三菱UFJ銀行、3位がみずほ銀行だ。
順位 | 銀行 | 2021年3月期 | 5期平均 |
---|---|---|---|
1位 | 三井住友銀行 | 842万2,000円 | 823万2,800円 |
2位 | 三菱UFJ銀行 | 773万1,000円 | 773万2,200円 |
3位 | みずほ銀行 | 729万3,000円 | 736万9,600円 |
メガバンク3行の最近の業績は?
日本国内では超低金利政策が長期化していることもあり、各銀行は収益力低下に苦しんでいる。三井住友銀行のように平均年収が上昇している銀行もあるが、少数派だ。各銀行の業績から、今後は平均年収がどう推移していくのか予想してみよう。
三菱UFJ銀行の通期純利益は6,000億円前後をキープしてきたが、2020年3月期は979億円と大幅に落ち込み、2021年3月期で持ち直すも3,000億円ほどに留まっている。
平均年収が最も高い三井住友銀行はどうだろうか。通期純利益は近年微減傾向にあり、それまで5,000億〜6,000億円台をキープしていたのが、2021年3月期には4,060億円まで低下した。ただ、三菱UFJ銀行のような急激な減少には見舞われていない。
平均年収が最も低いみずほ銀行は、2017年3月期は4,085億円の純利益を計上していたが、2019年3月期は298億3,800万円の赤字を計上している(ただし、その後は黒字に戻っている)。
この記事では業績の変動要因には触れないが、超低金利政策で銀行の収益力が低下している中でも三井住友銀行の利益は安定しており、今後も他の2行よりも平均年収が高い状況が続くのではないだろうか。
時事トピックスや次の有価証券報告書の内容にも注目
日本人の平均年収と比べると3大メガバンクの平均年収はかなり高いが、推移を比較すると、メガバンクの中でも平均年収が上昇している銀行と下落している銀行があることがわかる。
最近では、みずほ銀行が相次ぐシステム障害による業務改善計画の発表が話題になったが、社会的な信用の低下により、みずほ銀行の平均年収はさらに下がるかもしれない。
時事トピックスもチェックしながら、各銀行の2022年3月期の有価証券報告書の内容に注目したい。
文・MONEY TIMES編集部
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