庶民の味方「しまむら<8227>」。仕入れや物流の仕組みで企業努力を欠かさず衣料品をリーズナブルな価格で販売している。そんなしまむらの株価は、2021年10~2022年4月にかけてなだらかな右肩上がりの状況だ。もし半年前にしまむらの株価を買っていたらいくらになっているだろうか?
値上がり益はどれくらい?
2021年10月15日と2022年4月15日の株価を比較してみる。終値ベースで比較すると以下の通りだ。
【しまむら<8227>の1株あたりの株価】
・2021年10月15日:9,620円
・2022年4月15日:1万1,570円
半年間で1株あたり1,950円値上がりしたことになる。もし半年前にしまむらの株式を100株、1,000株、1万株購入していた場合、2022年4月15日時点の含み益は以下の通りだ。
100株購入していた場合 | 19万5,000円 |
1,000株購入していた場合 | 195万円 |
1万株購入していた場合 | 1,950万円 |
株式の売却益には、20.315%(所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%)かかるため、上記は株式を売却して利益を確定させる前の金額だ。それでも半年前にしまむらに株式投資していた場合は、かなりの利益となっていたことが分かる。
配当金の金額は?
しまむらは、株主に対して第2四半期と期末に「配当金」がある。2022年2月期の配当金は、1株あたり年間240円(第2四半期110円+期末130円)だった。そのためしまむらの株式を保有していた人は、株価の値上がり益だけでなく保有株数によって以下の配当金を受け取っている。ただし配当金は、売却益と同様に20.315%の税金がかかる点も忘れてはいけない。なお、本来しまむらの配当は中間配当と期末配当の2回に分かれ、株式を保有していたタイミングによってはいずれかが受け取れない場合もあるが、ここではいずれも貰えた場合の例を挙げる。
100株購入していた場合 | 2万4,000円 |
1,000株購入していた場合 | 24万円 |
1万株購入していた場合 | 240万円 |
株主優待も加味すると?
しまむらは、配当金だけでなく1年に1回保有株式数に応じて「株主お買い物券」を送付する株主優待制度も実施している。株主優待の内容は、以下の通りだ。
保有株数 | もらえる株主お買い物券 |
---|---|
100株以上 | 2,000円分(1,000円×2枚) |
1,000株以上 | 4,000円分(1,000円×4枚) |
3,000株以上 | 6,000円分(1,000円×6枚) |
5,000株以上 | 1万円分(1,000円×10枚) |
権利が確定するのは2月だ。そのため半年前にしまむらの株式を購入していた場合、値上がり益、配当金、株式優待分すべてを合わせると以下のリターンが得られたことになる。
株数 | 値上がり益 | 配当金 | 株式優待分 | 合計 |
---|---|---|---|---|
100株購入していた場合 | 19万5,000円 | 2万4,000円 | 2,000円 | 22万1,000円 |
1,000株購入していた場合 | 195万円 | 24万円 | 4,000円 | 219万4,000円 |
1万株購入していた場合 | 1,950万円 | 240万円 | 1万円 | 2,191万円 |
あくまでリターンは過去の実績
投資をする際に「もし投資していたら」と考えても意味がないことではある。しかしこうした事実を知ると思わず後悔してしまうのは人間の性(サガ)だ。今回紹介した結果だけを見て今後しまむらの株式を購入しても同じようなリターンが出ることが約束されているわけではない点には注意したい。
文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
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