目次
マンション投資のメリットとリスク
・メリット:1部屋単位で所有できるので必要資金を抑えられる
・メリット:節税効果
・リスク:空室が出て収益が得られない
・リスク:修繕リスクで予想外の出費
マンション投資の利回り相場
・東京の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
・大阪の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
・主な政令指定都市賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
・利回りを計算する方法
マンション投資のメリットとリスク
マンション投資はメリットばかりではありません。リスクの存在を正しく把握できれば、回避することも可能になります。マンション投資のメリットとリスクを押さえておきましょう。
メリット:1部屋単位で所有できるので必要資金を抑えられる
1棟の所有となるとかなりの資金が必要です。駅や商業施設が近いといった好条件なら、億単位のお金が必要となることもあります。
1部屋単位の所有であれば、購入資金面での心配はかなり少なくなります。中古マンションの1部屋を購入するのであれば、自己資金で購入できそうという人もいるでしょう。
メリット:節税効果
マンション投資のメリットは他にもあります。節税対策という点はマンション投資のメリットと言えます。
2015年に法律が改正されて、相続税の非課税限度額が引き下げられました。それまでは基礎控除額が「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」でしたが、2015年1月1日以降は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」に変更されています。
不動産は、同額の現金を相続した場合に比べ、現金よりも評価額が低く算出されるため、節税につながると言われています。
マンションを2,000万円で相続する場合、土地は路線価(一般的に時価の8割程度)、建物は固定資産税評価額(一般に時価の7割程度)から不動産評価額を算出します。この場合、マンションは時価2,000万円にもかかわらず、相続税評価額では4割ほど評価額が少なくなって、6割の1,200万円程度の評価額となります。さらにそのマンションを他人に賃貸している場合は、借地権や借家権の影響で評価額がさらに低くなります。
ただし、節税目的にマンション投資をやるのはおすすめできません。
リスク:空室が出て収益が得られない
マンション投資をする上で逃れることができないリスクが、空室が出て収益を得られなくなることです。
都市部を離れれば離れるほど、人口は少なくなり借り手も減ります。人口に対して物件の数が多ければ、それだけ空室が出るリスクが高くなる点を押さえておきましょう。
リスク:修繕リスクで予想外の出費
新築でも中古でもいつかは修繕をしなければいけない日が来ます。マンション投資に限りませんが、その日に備えて毎月一定額を修繕積立金として積み立てて準備をしておく必要があります。
その他にもマンション投資にはリスクが存在します。しっかりと把握してから行うようにしましょう。
マンション投資の利回り相場
マンション投資で収益を得るには、物件の選び方が重要となります。収益の目安となるものが利回りです。利回りとは、物件の収益力を示す指標です。利回りの計算方法や相場を知り、マンション投資に役立てましょう。
マンション物件の利回りは、物件の場所や利便性によって変動します。一般財団法人 日本不動産研究所が不動産投資家を対象として行った調査「 第40回不動産投資家調査(2019年4月現在) 」では、投資家が購入後に期待する期待利回りが公表されています。
期待利回りとは、
購入後に期待する家賃収入 ÷ 不動産価格 × 100
で計算が可能です。
東京の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
2018年10月に行われた第39回調査に比べ、城南地区(品川区・目黒区・大田区・港区など)の期待利回りは0.1%低下していますが、城東地区(台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区など)に関しては変動がなく横ばいで推移しました。
城南地区 | 城東地区 | |
---|---|---|
第38回(2018年4月) | 4.5% | 4.6% |
第39回(2018年10月) | 4.4% | 4.5% |
第40回(2019年4月) | 4.3% | 4.5% |
前回差 | -0.1% | 0.0% |
大阪の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
大阪 | |
---|---|
第38回(2018年4月) | 5.00% |
第39回(2018年10月) | 4.90% |
第40回(2019年4月) | 4.90% |
前回差 | 0.00% |
主な政令指定都市賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
同じ調査で主な政令指定都市のワンルームタイプにおける期待利回りも発表されています。前回の第39回と比べてすべて横ばいで推移しています。
札幌 | 仙台 | 横浜 | 名古屋 | 京都 | 神戸 | 広島 | 福岡 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第38回 | 5.7% | 5.7% | 5.0% | 5.2% | 5.3% | 5.5% | 6.0% | 5.3% |
第39回 | 5.5% | 5.5% | 5.0% | 5.1% | 5.2% | 5.2% | 5.8% | 5.2% |
第40回 | 5.5% | 5.5% | 5.0% | 5.1% | 5.2% | 5.2% | 5.8% | 5.2% |
前回差 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
利回りを計算する方法
では、自分で利回りを計算するにはどうすれば良いのでしょうか。
利回りには表面利回りと実質利回りの2つがあります。物件情報に記載されている利回りは、多くの場合表面利回りです。上記で説明した「期待利回り」は実質利回りと比較すると良いでしょう。
表面利回りを計算するには、年間の家賃収入を物件の購入価格で割り、100をかけます。2,000万円で購入した物件を、月10万円で貸し出すと仮定した時の計算式は
120万円 ÷ 2000万円 × 100 = 6.0%
です。
実質利回りを計算するには、年間の家賃収益から管理費・修繕費・固定資産税といった物件の維持に必要な費用を除いた数字を、物件価格購入で割って100をかけて算出します。
一見、利回りが良く収益を上げそうな物件であっても、空き室期間が長い、管理費や修繕費が高いというように、収益がなく出ていくお金が多ければ、実質的な利回りは低くなることを頭に入れておきましょう。