夜明けても視認できず

しかし、夜が明けてサイトフィッシング本番になっても、アオリイカの新子がまったく確認できない。足元までしゃくってきたエギの周辺を見回すが、イカらしい姿が見当たらないのだ。何度かエギを投げてはポイントを少し移動しながら探っていくが、エギを追ってくる新子の姿はない。この時季にアオリイカの新子がいないはずはないので、ポイントがズレているのか、はたまた他に要因があるのか……?

潮動くと新子登場

そんなことを考えていた時にふと思い当たったのが潮の動き。今日は長潮だ。ただでさえ大きく動かない潮の上に、明石海峡の潮流図を確認するとちょうど上げ潮から下げ潮にかわったタイミング。潮が動いていないから新子の反応がないのだろう。そう考えてしばらくは辛抱強くエギを投げ返すことにする。

夜明けから小一時間も経ったころ、エギの後ろを追ってくる3杯の新子の姿が見えた。潮が動き始めたのか、ようやくイカの反応が出てきたようだ。イカをはじめ海の魚は潮の動きに実に正直だ。