ポージング練習でアイソメトリック収縮

今回紹介した脚のワークアウトにはドロップセット法を取り入れている。ドロップセット法では限界が来るたびに重量を減らしながらレップを再開させ、最後は対象筋をギュッと収縮させた状態を保持して、エネルギーを絞り尽くしてセットを完了させる。このような筋肉を収縮させた状態を保つやり方はアイソメトリック収縮(静的収縮)と呼ばれていて、筋肉のデフィニションを極めるのに非常に効果があることで知られている。

アイソメトリック収縮は、1970年代のボディビルダーたちがよく取り入れていた。彼らはセットの最後に、頻繁にアイソメトリック収縮を行っていた。

当時行われていたやり方は、ボディビルのポーズをとり、その状態をしばらく保持するというものだった。ポージングの練習にもなるし、ステージで全身を緊張させた状態を保つ練習にもなった。また、特に強調したい部位をより良く見せるために、意識と対象筋を連動させる訓練にもなった。

ボディビルを知らない人は、どうして彼らが鏡の前でポーズを取り、その状態のまま動かないでいるのか不思議に思っているかもしれない。しかし、これはなかなかきつい練習で、実際に試したことがなければ分からないかもしれない。

バリバリのコンディションでステージに上がり、多くのボディビルファンを魅了したフランク・ゼーンは、ワークアウト後に必ずポーズを取り、それを60秒間保持する練習を繰り返したという。しかも、ワークアウトはオフ日にも欠かさず行っていたそうで、彼にとってはアイソメトリック収縮は日々の日課になっていたのであろう。

ポーズを取ってその状態を保つのも、ドロップセットの最後のアイソメトリック収縮も、筋肉にもたらされる刺激は同じである。最初は刺激が強すぎて、途中で筋肉が震えてくるかもしれない。それでも、慣れてくると少しずつ時間を延長させることができるようになり、ステージに立ったときにも大いに役立つのである。

まとめ

脚のワークアウトの王道とは、高重量の刺激と高回数の刺激の両方をミックスしたワークアウトだ。そのようなワークアウトはオフシーズンでもコンテスト前でも行うことができ、心身ともに追い込むことができる。

妥協しない。負けない。確実に追い込む。本気で下半身の筋肉をつくり上げたいなら、それなりの覚悟が必要である。下半身の筋肉を発達させることは、身体の土台をつくることであり、土台が頑丈であればあるほど上半身に積み上げられる筋肉も大きくすることができるということなのだ。

脚のワークアウトを避けてはいけない。どんなアスリートにとっても下半身は絶対に鍛え続けなければならない部位なのである。

文:William Steven Litz 翻訳:ゴンズプロダクション/提供元・FITNESS LOVE

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