高強度テクニックの活用

ワークアウト強度を高めるためのテクニックがいくつかあるので試してみてはどうだろうか。

【レストポーズ法】

高重量を扱いたいが、筋緊張時間も延長したいという場合はレストポーズ法がいい。このテクニックはマイク・メンツァーが広めたもので、最近はDCトレーニング法の中でも頻繁に用いられている。
①8レップが限界の重量をセットし、まずは8レップを行う。
②8レップを終えたら、トップポジションの状態でストッパーをかけて15秒休む。
③15秒の休憩後、ストッパーを外してレップを再開する。今度は4レップ程度で限界が来るはずだ。
④限界が来たら先ほどと同じようにして15秒間休み、レップを再開する。
⑤今度は2レップ程度で限界が来るだろう。ここまで来たらセットを終える。

【ドロップセット法】

ドロップセット法も高重量とハイレップスの効果を一度に得ることができる。ドロップセット法はストリップセット法とも呼ばれていて、高重量からスタートし、徐々に重量を軽くしていく。
①6レップが限界の重量を使って種目をスタートする。
②6レップ前後で限界が来たらすぐに重量を減らして、さらに6レップを目標にして続ける。
③再び6レップ前後で限界が来たら、さらに重量を減らして6〜10レップを目標に3度目の追い込みをかける。
④3度目の限界に達してもまだ休まない。ここからさらに重量を減らして最後の15レップを行う。
⑤もやは精も根も尽き果てたというレベルまで追い込もう。最後の1レップは対象筋をトップポジションで収縮させたまま限界まで保持し、ゆっくりスタートポジションまで戻す。

【トライセット法】

3つの種目を1セットずつ連続して行うのがトライセット法だ。3種目を休まず連続して1セットずつ行うので、ワークアウト全体の強度を極限まで高める効果がある。たとえ1セットあたりのレップ数が少なかったとしても、3種目をトータルすればレップ数は高回数になっているはずだ。3種目を1セットずつ連続して行うだけなら簡単だろうと思う人もいるかもしれない。しかし、伝説のボディビルダーであるセルジオ・オリバーがトライセット法を使った脚のワークアウトに挑戦したところ、最後まで完遂できなかったほどである。それくらい強度が高く、過酷であることを事前に覚悟しておこう。

①レッグプレス 20レップ
②レッグエクステンション 20レップ
③スクワット 20レップ

3種目はそれぞれ20レップ行う。重要なことはそれぞれの種目でセットごとに限界を迎えることだ。

オンとオフの脚のワークアウト

高重量を扱うのはオフシーズンで、高回数で行うのはコンテスト前。おそらく多くの人たちがそういう認識を持っているはずだ。しかし、ここまで説明したとおり、脚の筋発達のためには高重量による刺激だけでなく、高回数による刺激も必要だ。

では、オフシーズンとコンテスト前のワークアウトは分ける必要がないのだろうか。

コンテスト前にトレーニング内容を変えるのはあまり得策ではないというのが私の考えだ。そもそも、コンディションを極めるために必要なことは、どんなトレーニングを行うかよりも、食事をきっちり管理していくことなのだ。

コンディションを作るために、トレーニーは食事を制限していく。どんなトレーニングを行ったとしても、食事制限がうまくいっていれば体重は減るし、体脂肪はしっかり削られていく。

つまり、コンテスト前に行うべきトレーニングとは、筋量を増やすために行ってきたトレーニングのままでいいということだ。そういうトレーニングなら食事制限していても筋量が減ることは避けられるはずである。

コンテスト前に選手たちが掲げるゴールは、体脂肪をできるだけそぎ落とし、デフィニションを強調したコンディションを作り上げることだ。この期に及んで筋量を増やすことをゴールにする人はいないのだ。筋量を増やすなら、当然、摂取カロリーを増やさなくてはならず、コンテスト前に摂取カロリーを増やそうなどと思う人はいないのである。

できる限り絞れたコンディションをつくることが目標だから、食事制限をし、有酸素運動を頻繁に行って、消費カロリー量を増やしていく。同時に、これまでオフシーズン中につくり上げてきた筋肉はできるだけ失いたくはない。だからこそ、オフシーズンのワークアウトをそのまま行うのがいいのだ。