映画『パンピングアイアン』の中でアーノルド・シュワルツェネッガーがこう言った。「よし、マジでやろうぜ」 脚のワークアウト日がまわってくるたびに、ジムの駐車場に車を停めた瞬間、私の頭の中にアーノルドのこの台詞が響く。私の場合、脚のワークアウトを行うのは月曜日にしている。ウエイトトレーニングの世界では月曜日を胸のワークアウト日にしている人が圧倒的に多いと耳にするが、私は新しい週のスタートを脚のワークアウトで始めるのが好きなのだ。月曜日になると、脚のワークアウトに備えて必要以上に気合いが入る。それが必然的に新たな1週間のスタートになるのである。
脚ワークアウトは脚のためだけじゃない
脚のワークアウトの話を始めると尻込みしてしまう人が多い。きつくてつらいからだ。しかし、それが必須であることは誰だって知っている。だから「脚のワークアウトは絶対に休まない!」と自分に言い聞かせてジムへと向かうのである。
脚のワークアウトが重要なわけは、その効果が脚だけにとどまらないからだ。実は、脚のトレーニングには全身の筋発達を促す役割がある。脚の筋肉を刺激するだけなのに、どうして体全体に影響するのか。それは、脚の筋肉を刺激することでアナボリックホルモンの分泌が活発になり、それが全身を巡るからである。
脚の筋肉は非常に大きな部位で体積も大きい。そのため、この大きな筋肉部位が刺激すると、腕を刺激したときとは比べものにならないぐらいの大量のアナボリックホルモンが分泌されるのである。
また、下半身の種目では比較的高重量を扱うことができる。レッグプレスやスクワットで扱う重要は、肩の種目で扱う重量よりはるかに重い。これもまた体内のアナボリズムを高める要因になるのだ。結局のところ、脚のワークアウトは脚だけのためのものではないということなのだ
理想のレップ数とは
脚の種目を行う場合、理想のレップ数は高回数がいいか低回数かいいか。これについての議論はもう何年にもわたって続けられているのに、いまだに明確な答えは出ていない。
フリーウエイトとマシンはどちらが筋発達に効果があるのかというのとおそらく同じだ。どうして答えが出ないのか。それは、どちらにも長所があり、どちらか一方に決めることができないからである。
下半身の筋肉はとてもパワフルだ。その要素だけに目を向ければ「高重量×低回数」でやり込むのが効果的なように思える。しかし、下半身にはたくさんの遅筋線維もあり、持久力に優れた筋肉でもあるのだ。
実際、日常生活を問題なく送っている健康な一般人が、5分間歩き続けると座らなければならないようなことになっているだろうか? そんなことはないはずだ。下半身の筋肉は持久能力も高いわけで、高回数のセットも行うべきということになる。
高重量を使ったやり方と運動量を増やしたやり方。この2つをミックスさせているから、私たちは脚のワークアウトに対して恐怖を感じ、敬遠したくなってしまうのではないだろうか。
IFBBプロボディビルダーとして活躍したクリス・カミアーは自分の脚のワークアウトについてこう語っていた。「若いころは高重量のスクワットをよくやった。143㎏×40レップからスタートして、226・8㎏まで重量を増やして10レップ、さらに321・6㎏で4レップ。モンスター級の脚を作り上げたトム・プラッツは143㎏×50レップのスクワットをやっていたそうだから、私も彼に近いことを実践すべきだと思ったんだ」
これついては次のトピックで詳しく解説しよう。