「平均年収が高い職種と言えば?」と聞かれたら、「医師」と答える人は少なくないだろう。では「どの診療科の平均年収が最も高いか」と聞かれたら、あなたは答えられるだろうか。今回は診療科別の平均年収のデータを参照してみよう。

医師の平均年収は日本人の3倍以上

2022年3月に発表された「賃金構造基本統計調査」の2021年版によれば、医師の平均年収は約1,378万円だ。日本人の平均年収は、国税庁の最新データによれば433万円なので、医師の平均年収は日本人の平均の3倍以上になる。

そんな医師の診療科別の平均年収をまとめた公的な統計データは、実はあまり存在しない。その中で比較的新しいデータは、労働政策研究・研修機構が2011年12月に実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」だ。

そこでこの「勤務医の就労実態と意識に関する調査」の結果をもとに、「賃金構造基本統計調査」における医師の平均年収の2021年と2011年の差を考慮して、現在の診療科別の平均年収を予想してみる。

1位は「脳神経外科」、推定平均年収は1,732万円

「賃金構造基本統計調査」によれば、2021年の医師の平均年収は1,378万円、2011年の平均年収は約1,169万円。その差は1.17倍だ。

この数字が分かったところで、先ほどの2011年12月実施の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」における診療科別の平均年収も1.17倍してみると、以下の通りとなる。

診療科 2011年 2021年
脳神経外科 1,480万円 1,732万円
産科・婦人科 1,466万円 1,715万円
外科 1,374万円 1,608万円
麻酔科 1,335万円 1,562万円
整形外科 1,289万円 1,508万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1,267万円 1,482万円
内科 1,247万円 1,459万円
精神科 1,230万円 1,439万円
小児科 1,220万円 1,427万円
救急科 1,215万円 1,422万円
放射線科 1,103万円 1,291万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1,078万円 1,261万円

最も平均年収が高いのは「脳神経外科」で、2021年時点の推定平均年収は1,732万円という結果となった。以下「産科・婦人科」が1,715万円で2位、「外科」が1,608万円で3位と続く。

なお、今回の記事で参照したデータは「勤務医」を対象にした調査結果であり、「開業医」の場合はビジネスの成功度合いによって平均年収が異なる点、ご留意いただきたい。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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