高い気温は人を狂わせ、暴力的にするだけでなく、自殺に駆り立てるようです。
イギリスの研究では気温が18℃を超えると、1℃上昇するごとに自殺率が3.8%増加することが報告されています。事実、1995年に熱波がイギリスを襲った際は、自殺率は驚異的とも言える46.9%の増加を示しました。
またギリシャでは、特定の地域で報告された殺人事件137件の30%以上が、平均気温が25℃を超える日に発生したと報告されています。
また1791年から1880年までの世界中の反乱や蜂起を調べた結果、圧倒的多数が夏に起きていました。
変化は激しいものだけではありません。
気温が高くなると、人々がクラクションを鳴らす回数が増え、警察官は人々の行動に無秩序さが増すのを感じ、見知らぬ人を助ける可能性が低くなると言われています。
高い気温で人が狂ってしまうのは事実なのでしょうか。それとも満月の夜も犯罪率のように、単なる逸話や都市伝説に過ぎないのでしょうか。
近年行われた最新の研究の数々が、人と気温の残酷な関係を暴き出しています。
自殺が起こりやすい温度がある「日本人は25.5℃で自殺する」
気温の上昇と自殺率の関係は、いくつもの研究で報告されています。
12か国における130万件の自殺が調べられた研究では、周囲の気温が高いと自殺が増えることが明らかになりました。
ただ興味深いことに、気温が高ければ高いほど自殺率が上がるわけではありませんでした。
どうやら自殺発生には最適な温度があるようなのです。
上の表では各国における最も自殺件数が多かった温度と少なかった温度が記されています。
全体として人間は27℃付近で最も自殺しやすくなるようです。
日本人の場合は25.5℃で最も自殺しやすく、0.4℃で最も自殺しにくくなるとされており、平均的な自殺のピーク温度よりも低いことがわかります。
各国における自殺のピーク温度は、それぞれの国の年間を通した平均的な気温よりも高くなっており、単に同じ温度の日が多いから、自殺件数が多くなったわけではありません。