目次
抵当権抹消登記をしないとどうなる?
 ・売却や融資の際、手続きに時間がかかる
 ・相続の際に手間をかけさせる
 ・抹消手続き書類を紛失することも
抵当権抹消登記手続きのやり方
 ・Step1. 書式をダウンロードする
 ・Step2. 法務局に相談する
 ・Step3. 金融機関から送られてくる書類を受け取る
 ・Step4. 提出書類をそろえる
 ・Step5. 法務局へ申請する
 ・Step6. 手続き完了

抵当権抹消登記をしないとどうなる?

ローンを完済後に抵当権を抹消する手続きは? やり方から費用・必要書類まで解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

対象不動産の売却や、対象不動産を担保としての融資、相続などが当面発生しないのであれば、抵当権抹消登記をしなくてもさしあたり不都合はありません。

売却や融資の際、手続きに時間がかかる

早めに抵当権抹消登記をしておかないと、いざ売却や融資の必要が生じても、すぐに手続きを進めることができません。

よい買い手が見つかったり、有利な条件で融資が受けられる話があったとしても、抵当権抹消登記手続きをしている間に話が流れてしまう恐れもあります。

相続の際に手間をかけさせる

抵当権抹消登記をしないまま相続が生じると、相続人が抵当権抹消登記手続きをしなければならなくなります。

相続人が抵当権抹消登記をする場合は、本人が行う場合よりも手続きが複雑になります。相続人にとっては、ただでさえ遺産分割や相続税の申告などで大変なのに、さらに複雑な抵当権抹消登記の手続きを強いられることになります。

抹消手続き書類を紛失することも

住宅ローンを完済すると金融機関から抵当権抹消登記の手続きに必要な書類が送られてきますが、長期間手続きをしないでいると必要書類を紛失してしまうこともあります。

長期間経過後の書類の再発行は難しい場合もあり、抵当権抹消登記の手続き自体が困難になってしまう恐れもあります。

住宅ローンを完済した直後であれば抵当権抹消登記の手続きは難しくありませんので、以上のようなデメリットを避けるためには、できる限り早めに手続きをしておきましょう。

抵当権抹消登記手続きのやり方

抵当権抹消登記手続きは司法書士へ依頼する場合が多いですが、自分で申請することもできます。自分で申請する場合のやり方をみていきましょう。

自分で抵当権抹消登記を申請する手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 書式をダウンロードする
  2. 法務局に相談する
  3. 金融機関から送られてくる書類を受け取る
  4. 提出書類をそろえる
  5. 法務局へ申請する
  6. 手続き完了

初めて登記を申請する方は大変かもしれませんが、以下の手順のとおりにすれば、自分で行うことができます。

Step1. 書式をダウンロードする

登記申請書の書式は法務局にも置いてありますが、法務局のホームページからもダウンロードできます。

あらかじめダウンロードしておけば落ち着いて準備することができるので、記載例と一緒にダウンロードしておくことをおすすめします。

ローンを完済後に抵当権を抹消する手続きは? やり方から費用・必要書類まで解説
(画像=引用: 法務局 不動産の申請書様式について、『RENOSYマガジン』より引用)

Step2. 法務局に相談する

抵当権抹消登記手続きは、対象不動産がある地域を管轄する法務局で行います。

基本的には自宅で提出書類を準備して法務局へ持って行って提出すれば手続きは完了しますが、法務局によって取扱いが異なることもあります。

管轄法務局が指定する方法に合致していなければやり直しを求められる場合もあるので、必ず事前に管轄法務局に相談しておきましょう。

管轄法務局は、法務局のホームページで調べることができます。

参照:法務局 管轄のご案内

Step3. 金融機関から送られてくる書類を受け取る

住宅ローンを完済すると、数日後に金融機関から以下の4種類の書類が送られてきます。

  • 弁済証書
  • 登記済証または登記識別情報
  • 登記事項証明書
  • 委任状

これらの書類は全て抵当権抹消登記手続きに必要なので、漏れがないか確認しましょう。

Step4. 提出書類をそろえる

抵当権抹消登記を申請するためには、上記の金融機関から送られてくる書類と、自分で作成する登記申請書を提出することが必要です。

登記申請書は権利者(所有者)と義務者(抵当権者)が共同で作成するのが原則ですが、抵当権抹消登記の場合は金融機関から送られてくる委任状を用いて所有者が手続きを行うのが一般的です。

Step5. 法務局へ申請する

提出書類がそろったら、法務局へ提出することにより抵当権抹消登記を申請します。

法務局への提出は郵送でもできますが、直接法務局の窓口に行けば担当者に分からないことを質問できるので、不安な方はできるだけ直接窓口に行くとよいでしょう。

抵当権抹消登記申請書の記入が済んだら、そろえた提案書類一式とともに法務局へ足を運び、書類を提出しましょう。書類を提出すると、担当者の方が書類をチェックし、不備があったら教えてくれます。申請書を作成している途中でわからないことがあったら、その都度足を運んで質問しても構いません。

なお、ローン完済後に金融機関から送られてきた書類や、抵当権抹消登記のために受け取った書類のなかには申請後に返却しなければならない必要書類もあります。通常は金融機関が専用の返却用封筒を同封してくれているはずなので、それを利用しましょう。

返却しなければならない書類はコピーをつけて提出しておくと、申請受理後に原本の返却を受けることができます。書類には印鑑を押す必要があるため、申請当日に印鑑を忘れずにもって行きましょう。通常の申請であれば、印鑑は認印で構いません。

Step6. 手続き完了

手続きは以上になりますが、登記を申請した日にすぐ登記が完了するわけではありません。書類の提出後、法務局にて書類の審査が行われます。審査にかかる日数は法務局によって異なり、1日~10日ほどとなっています。

書類に不備があった場合はその間に法務局から補正の連絡があるので、指示に従って補正を行いましょう。

登記が完了したら登記事項証明書を取得できますが、手数料が600円かかります。