宇宙広告

・スペース・バジル社(ガンダム衛星)

事業概要
超小型衛星の技術を駆使して、宇宙空間で企業の商品やブランドイメージを向上することを目的とした「宇宙広告事業」と、宇宙空間を活用した映像や音楽やゲームであったり……と、各種エンターテインメントの企業様と協力しながら、今までにないユーザー体験を創り出していく「宇宙エンターテイメント事業」の2つの柱を掲げています。

ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
宇宙広告事業は、自社サービスの認知を高めたい、企業ブランドイメージを上げたい広告主からお金をもらい、広告主の商品認知やブランドイメージを上げるようカスタマイズした人工衛星を打ち上げます。

また、2020年にはASTROFRASH社との提携も発表し、宇宙広告代理店としてのポジション獲得も視野に入れていることが伺えます。

宇宙エンターテイメント事業については、現在不明です。

サービス価格帯
不明。興味のある方はスペースバジル社にお問い合わせください。

いつ実現するのか・今のフェーズ
すでに広告用にカスタマイズした人工衛星の開発を行う技術は有しており、あとはクライアントの獲得と発表を待つのみというフェーズです。

・ロケットx広告(インターステラテクノロジズ・デジタルブラスト)

事業概要
現在日本ではインターステラテクノロジズ社が提供している、ロケットの搭載物、ロケット本体やロケット射場など、ロケット打上げに関係する様々なポイントで広告を掲出できる事業。

インターステラテクノロジズ社の打上げに合わせて、テレビ番組やWebメディアで広告露出が期待されます。

また、本広告事業は、デジタルブラスト社が2019年10月にロケット広告販売営業代理店契約を締結していると発表しています。

ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
自社サービスの認知を高めたいと考える広告主に、ロケットの本体のパッケージデザインや射場看板などを掲出できる権利を販売。

サービス価格帯(参考)
以下、2019年11月時点の情報。現在の価格については、インターステラテクノロジズ社に直接お問い合わせください。

ロケットの搭載物(10kg):500万円
機体広告:1000~2000万円
看板広告:3~500万円
など

いつ実現するのか・今のフェーズ
販売中

(4)今後の宇宙エンタメ市場、注目したい3つのポイント

これまでに宇宙エンタメ市場に参入している企業を紹介しました。

2021年は、宇宙ビジネス黎明期から宇宙旅行に取り組んでいたヴァージンギャラクティック社、ブルーオリジン社を筆頭に本格的なサービス開始目前となり、市場拡大ののろしが上がった年となりました。

また、国内宇宙ベンチャーにとっても、インターステラテクノロジズ社のMOMOロケット打上げ連続成功や、SPACE WALKER社、ALE社の資金調達など、向こう5年、10年がさらに楽しみになる種がいくつも仕込まれたような年でした。

本章では、今後の宇宙エンタメ市場における注目ポイントを3つ紹介します。

・宇宙ビジネスの新しい形で宇宙がより身近に

まず、これまでの宇宙ビジネス・宇宙開発は、GPSを使った地図サービスや気象衛星から得られる情報をもとにした天気予報など、企業が媒介となって宇宙利用の恩恵を得られることはあっても、一般の人が直接お金を支払ってサービスを受けるというものではありませんでした。

しかし、宇宙エンタメビジネスは、これまで宇宙とは無縁だったような一般の方が、直接お金を払って、宇宙を感じられるサービスを受けるもの。宇宙空間に実際に行く宇宙旅行や、宇宙空間に目を向ける機会が増えるだろう人工流れ星、そして、お気に入りのものを宇宙空間に運び、記念撮影をするサービスなど、宇宙を身近に感じる機会が増えることでしょう。

そして、宇宙を身近に感じる機会が増えるということは、宇宙開発に興味を持つ人が増えることにも繋がるでしょう。今後の宇宙ビジネス・宇宙開発を盛り上げる起爆剤となる可能性を秘めています。

・宇宙エンタメ市場を育てる政策

宇宙旅行市場では、海外企業に先を越されている感は否めませんが、立地を活かした宇宙港の整備が進むことで、宇宙旅行のホットスポットとして世界中から注目される場所となる可能性は十分にあるでしょう。

また、宇宙旅行以外の宇宙エンタメ市場のカテゴリにおいては、日本の宇宙ベンチャーは世界的に見てもバラエティ豊かで、着実にサービス開始に向けて前に進んでいます。

実際に、宇宙エンタメ市場については、2050年で国内の市場規模が2兆円になるとの予測レポートもありました。

人工流れ星、宇宙旅行に宇宙広告……宇宙エンタメビジネスの現在地と20の参入企業
(画像=総務省 宙を拓くタスクフォース(第6回) 資料 長期的な宇宙ビジネス市場規模の試算、2019年3月1日、株式会社NTTデータ経営研究所
Source : soumu.go.jp/main_content/000603731.pdf、『宙畑』より引用)

今後、国内の宇宙ビジネスにおける注力領域として、宇宙エンタメ市場の名前があがることも遠くないでしょう。その際に、どのような政府支援が出てくるのかにも注目したいところです。

・非宇宙企業の宇宙エンタメ市場参入

3つ目のポイントは、宇宙ベンチャーだけでなく、ソニー社のような、これまで宇宙ビジネスとは無縁だった非宇宙企業が宇宙エンタメ市場に参入する可能性です。

例えば、宇宙旅行に行くからこそ楽しめるおもちゃを開発する企業や、地方自治体のお祭りのようなイベントでの人工流れ星鑑賞や、記念撮影などといった人工衛星利用企画をする広告代理店の登場。また、月面に物を送り、地球に送り返すことが当たり前の時代になった時には、実際の月面ローバー使ったVRレーシングゲーム開発や、月の砂で作ったプラモデルの販売が可能になるかもしれません。

宇宙エンタメ市場は国内の様々な企業が参入の種を持っています。

例えばこういうことはできる?という宇宙エンタメビジネスの種をお持ちの企業があれば、ぜひ「info@sorabatake.jp」までご連絡をいただけますと幸いです。

(5)まとめ

宇宙エンタメ市場に焦点をあてて、企業の一覧と今後への期待を紹介しました。

世界的に見ても、宇宙エンタメ市場において、日本は、企業の多様性、開発フェーズ、地理的な要因、また、エンターテイメント分野で世界的に著名な非宇宙企業の存在からリードランナーとなるポジションを獲得できる可能性があります。

5年後、10年後、宇宙エンタメ市場の拡大をきっかけに、より宇宙開発が身近になり、宇宙ビジネスがさらに拡大する良いサイクルが生まれていることが楽しみですね。

提供元・宙畑

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