(3)宇宙エンタメ参入企業紹介
今回、宇宙エンタメに参入する企業を紹介するにあたり、先に紹介したカテゴリごとに、各社の「事業概要」「ビジネスモデル(誰にどのような価値を提供しているのか)」「サービス価格」「事業ステージ」の4点をそれぞれ紹介します。
宇宙旅行
・Virgin Galactic(ヴァージンギャラクティック)
事業概要
Virgin Galacticは、実業家リチャード・ブランソン氏が創業した宇宙旅行企業です。同社の宇宙旅行は、独自に開発した宇宙船「VSS Unity」をジェット機「VMS Eve」で高度約15kmまで輸送したあと切り離し、高度80kmまで上昇するという仕組みで行われます。無重力を楽しめるのは4分間です。
また、Virgin Galacticは、米国ニューメキシコ州と共同で「スペースポートアメリカ」を建設しました。打ち上げの様子を一目見ようとファンが集まる、新しい観光地になるのではないかと期待されています。
ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
宇宙旅行希望者に座席券を販売する
サービス価格帯
45万ドル(25万ドルだったのを、2021年8月5日から値上げ)
いつ実現するのか・今のフェーズ
2021年7月に創業者リチャード・ブランソン氏を乗せた有人宇宙飛行試験を行い、成功させました。商業宇宙旅行は2022年から提供が開始されるようです。
・Blue Origin(ブルーオリジン)
事業概要
ブルーオリジンは、独自開発した再利用型ロケットの「ニューシェパード」を使い、旅行者を宇宙空間へ運びます。ニューシェパードはロケットとクルーカプセルで構成され、6人乗りのクルーカプセルを宇宙空間で放出。ロケットは地上へ帰還し、自動制御で着陸します。
ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
宇宙旅行サービスの提供
無重力実験サービスも提供(推測)
サービス価格帯
チケットの売価は10万ドルほど
いつ実現するのか・今のフェーズ
創業者のジェフベゾス氏含めた民間人が四名搭乗し、宇宙空間に到達した。
2021年中に複数回打ち上げられ、本格的なサービス提供開始は2022年を予定している。
・PDエアロスペース株式会社
事業概要
宇宙機事業・開発受託・付帯授業(事前訓練プログラム)の3つの事業を行っています。中でも、主事業領域として有人のサブオービタルの宇宙旅行を位置づけ、到達高度110km、無重量時間5分のサービスを予定しています。運用はANA社、サービス販売はHIS社と協力して実施することを計画しています。
ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
コンシューマー向けに宇宙旅行を提供する
サービス価格帯
1400~2000万円/人
いつ実現するのか・今のフェーズ
2022年までに無人による高度100kmの到達、2025年までに有人による高度100kmの到達、2027年に商用運航開始を予定しています。
・株式会社SPACE WALKER(スペースウォーカー)
事業概要
有翼再使用ロケット(スペースプレーン)の設計開発. コンポーネントの開発・製造・販売を行う企業です。宇宙旅行用のサブオービタルスペースプレーンとして、パイロット2名、乗客6名が搭乗し、高度120kmを往復する有翼機を開発しています。
ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
スペースプレーンの販売(推測)
サービス価格帯
不明
いつ実現するのか・今のフェーズ
2024年に科学実験用を、2026年に小型衛星打ち上げ用を、2029年に宇宙旅行用のサブオービタルプレーンを打ち上げ予定です。
・Space Perspective(スペースパースペクティブ)
事業概要
成層圏気球と有人カプセルを用いて上空30kmまでの旅行ビジネスを提供
ビジネスモデル(だれにどんな価値を提供しているのか)
90kmを超える宇宙機に搭乗するほどのチケット代を払うことができない顧客に対して、30km程度までの宇宙旅行気分を味わえるサービスを提供する
サービス価格帯
12.5万ドル
いつ実現するのか・今のフェーズ
2021年6月18日には無人のテストフライトに成功し、座席券の予約受付開始に踏み切りました。ツアーの提供開始は、2024年後半に予定されています。