生活の不安解消には、収入や働きがいが大切?
宿木: 夏野さんは、不安を解消するために「収入」を重視しているのかなと感じたのですが、私の場合は不安を解消するために「働きがい」を重視している気がします。
夏野: えっ、どういうことですか?
宿木: 仕事の報酬が振り込まれたときは嬉しいけど、生活費や家賃とかですぐなくなってしまいますよね。一方で働きがいは、お金のようにすぐなくならないので、仕事のモチベーション維持に役立つのではないかと!
とくに私は一緒に働く人がどんな人かを大事にしていて、お金で得られない人間関係などに大きな価値を感じてるんです。
夏野: 確かに、お金だけで繋がっている縁って、お金が切れると終わってしまいますしね。そういえば昨年末に、かなり頑張ったのでクライアント様から高級なワインをいただいて「来年もよろしくお願いします」と言われたのですが、単純にワイン代分の報酬をもらうよりも嬉しかった気がします。
宿木: クライアント様からの感謝の気持ちが伝わるプレゼントって、本当に嬉しいですよね! 私なら、そのワインだけで半年モチベーションが持続しそうです。
一方で人付き合いベースでの働き方だと、自分一人だと成り立たないとも思ってて。クライアント様ありきのモチベーションという意味では、少し弱いのかなぁ……。
仕事とプライベートを切り分ける vs 地続きにする
じきるう: ここまで議論を重ねてきましたが、結局どれが一番って決めるのは難しい気がしますね……。みなさんは、他のひとの考えを聞いてどう感じましたか?
夏野: そういえば、私はつい収入を重視して、無理して週7日働いてしまい体を壊すことがあったんです。「今日は休む日」って決めておかないと永遠に仕事をしてしまうタイプなので、お二人の話を聞いてもっと自由に働くことも大事なのかなと思いました。
少年B: 宿木さんは働きがいを重視しているとの話でしたが、わたしは働きがいを感じる仕事って、そもそも「仕事」と捉えていないことが多いかもしれません。
もともと人の話を聞いたり、工場見学をするのが好きなので、取材で体験できることはわたしにとっては「遊び」なんですよね。書き起こしから先は完全に仕事ですけど。
宿木: Bさんって、生活と仕事が地続きになっていますよね。
夏野: それがすごいですよね。というのも、私はプライベートでは「研究者」という側面もあるのですが、研究者の自分とフリーランスの自分は完全に分けているんです。つまり、私にとって仕事とプライベートは地続きではなく、完全に「仕事」を切り分けているんです。
それゆえ、仕事中は「プロ」として仕事したいという思いが強いですね。オンライン取材に向けて、笑い方の練習をしたり。いつも、歯が8本見えるように笑ってます(笑)。
じきるう: プロ意識がすごい……! でも、もしかしたら仕事とプライベートを切り分けているからこそ、収入を大事にしているのかもしれませんね。