生活重視派の意見:「働くために生きている」のではない
じきるう: 少年Bさんは、仕事においてなにを大切にしていますか?
少年B: わたしは、「生活」ってことになるのかな。もともと物欲もそんなにないから、お金もそこそこあれば充分なので……。というか、基本的に働きたくないんですよね(笑)。
夏野: 働きたくないって、ストレートな(笑)。
少年B: というのも、前職は建設業だったんですが、週6で朝から晩までずっと働いていたんですよね。それで、「わたし、働くために生きているな」と思ってしまって……。
宿木: たしかにそれはキツいですね……。
少年B: その反動で、「労働は生きるためにお金を稼ぐ手段だぞ」と強く認識するようになりました。働く時間を極力減らして、プライベートを最優先にしているので、そういう意味では「生活重視派」ってことになりますね。
ただ、フリーライターの仕事ってプライベートとなかなか切り離せないので、働きがいがないのもいやだし、お金がまったくないとそもそも生活できないので……。うーん、やっぱりどれもそれなりに重要かもしれません。
じきるう: いまは生活を大事にできてますか?
少年B: いや〜、それが上手くいかないことも多くて……。とくにフリーランスは差し込みの仕事も多いので、週7で働いちゃうこともよくあります。働いている時間自体は短いんですけど。
宿木: そもそもフリーランスで生活を重視するのって、かなり難易度が高い気がします。
夏野: 確かに。フリーランスだと毎月必ず仕事が貰えるとは限らないので、生活が成り立たなくなるのではという不安は常にありますよね。
少年B: そうなんですよね〜! 生活、難しすぎんか???

仕事のモチベーション維持のコツ
じきるう: 最近だと「旅をしながら働く」といった、生活重視なフリーランスも増えていますが、その場合はどうやって仕事を回しているのか気になりますね。
夏野: 私は新幹線のなかでも仕事できてしまうタイプなので、旅をしながら働くのは結構得意かもしれません。新幹線の中って逃げられない環境なので、わりと集中できるんです。
少年B: わたしは酔いやすいので、新幹線の中だと仕事できないんですよね……。寝たり、SNSをチェックしたり、「どうせ他の時間でやるだろうな」ってことをしています。
じきるう: 旅の合間合間で働ける人は、そういったワークスタイルが実現できるのかもしれませんね。
旅もそうですが、仕事するうえでモチベーション維持のために工夫していることはありますか?
夏野: 私はそもそも、モチベーションに左右される仕事はあまり受けないようにしています。
少年B: えっ!? どういうことですか?
夏野: たとえば、「今日は雨だから嫌だなぁ」でやめたくなる仕事ばかりだと、収入が不安定になってガタガタになる気がするので控えるようにしてるんです。
ちなみに、私はディレクション系の仕事であれば、モチベーションに関わらず常に一定のパフォーマンスが出せる気がします。仕事の受注やクリエイターのアサイン、スケジュール管理などは、私のやる気はあまり関係ないので。
じきるう: 自分がどういった仕事が得意かを理解しとくのは大事ですよね。
そういえばボクは副業で講師業をしているのですが、授業の時間がきたら強制的に「やらなきゃいけない」ので、モチベーションに関わらず仕事できてますね。強制力があるのは大事かも。
夏野: そうですね。ただ、やる気が必要な仕事ももちろんあるので、それぞれ分けて考えています。
これは知人経営者からの教えなのですが、仕事は「モチベーションに関係なくできる仕事」と「やる気が必要な仕事」の二階建てにするのがおすすめらしいですよ。

宿木: 二階建て構造、いいですね! 私はモチベーションに左右される仕事がほとんどなので、いまは平屋かもです……。
少年B: わたしの場合、やる気にならなかったら「明日の自分が何とかしてくれる!」って思っちゃいますね。
じきるう: (笑)。実際に、明日の自分はどうにかしてくれるものですか?
少年B: 締切を破るわけにはいかないので、死にものぐるいで何とかしています。ただ、その日の自分は「昨日のおれ、ふざけんなよ!!!」って、めっちゃ思ってます(笑)。

夏野: 人間だし、やる気が出ない時は仕方ないですよ!
私はつい、また貧乏になるのが不安で怖くて、週7で働いちゃってたりします……。フリーランスは少し楽観的なところも必要なので、Bさんのポジティブさが羨ましいです。
宿木: フリーランスは自分を追い込んでしまいがちなので、Bさんのように「なんとかなる精神」は大事な気がします。