ウクライナの「永世中立化」と「核持ち込み」

今後、ウクライナがロシアの侵略から主権と領土と国民を守るために、筆者は二つの選択肢が可能と考えている。

第一の選択肢は、永世中立国スイスのような、ウクライナの「永世中立化」である。これは国境を接するロシアにとっても安全保障上有益であろう。国連が関与し、米英ロ独仏中を含む関係諸国が、ウクライナの永世中立を保障し承認する「永世中立条約」または「永世中立協定」を締結するのである。中国も1999年にウクライナから空母「遼寧」を約2000万ドル(約24億円)で購入しており、貿易や「一帯一路」を含め関係国である。

第二の選択肢は、第一の選択肢が困難な場合は、米国によるウクライナへの「核持ち込み」である。これにより一定の「核抑止力」を獲得したウクライナに対しては、核大国のロシアといえども、ウクライナへの侵略は著しく困難となるであろう。なぜなら、ロシアの首都モスクワとウクライナの首都キエフの直線距離は758キロであり、モスクワは「中距離核弾道ミサイル攻撃」の完全な射程圏内となるからである。