フリーランス人口の増加に伴い、人気が高まっているのが「フリーランス広報」。複数の会社と業務提携を結び、さまざまなサービスや商品のPRを担っています。

とはいえ、一口に広報とは言ってもやることはさまざま。何を学べばいいのか、どんなスキルが必要なのか、1案件いくらで請け負うのか……他の職種と比べてもかなり曖昧な印象です。

そこで今回は、フリーランス広報として活躍している多葉田 愛​​さんに取材。「フリーランス広報のリアル」を聞いてみました!

フリーランス広報は需要があるの?

『広報会議』が2020年11~12月に行った調査によれば、PR会社などに広報業務を外注している企業は約41.0%。これは前年の約37.3%を上回る数字であり、社内ではなく、外部のプロに広報を依頼したいと考えている企業が増えていることを示しています。

また、新型コロナウイルスの影響で、営業が直接赴いて商品やサービスの魅力を届ける機会が激減したこともあり、広報・PR 担当者の役割が重要視される傾向に。

そのなかで、「フリーランス広報」の需要はどう高まってきているのでしょうか?

フリーランス広報の需要が高いワケ

フリーランス広報のなり方3ステップ。現役広報に必要なスキルと報酬相場を聞いてみた
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

ゆぴ:
あいさんのもとには月々どのくらい仕事依頼が来るんですか?

あい:
現在は4社と長期契約、くわえて月々新規で5〜10件ほどのお問い合わせをいただいています。単発でのプレスリリース、インフルエンサータイアップ、記事広告の制作など、内容は多岐にわたります。

依頼元は専任広報のいない中小企業やベンチャー企業が多いです。ホテルやコワーキングスペースなどの場づくり事業や飲食店、スクール、アパレルなど幅広い企業からご依頼をいただいています。

主にブログからの問い合わせや知り合い経由でお仕事をいただくことが多いですね。

ゆぴ:
自社広報やPR会社もあるなかで、「フリーランス広報」の需要は実際に高いのでしょうか?

フリーランス広報のなり方3ステップ。現役広報に必要なスキルと報酬相場を聞いてみた
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

あい:
需要はかなり高まっていると思います。

そもそも、広報が担う領域はメディアリレーションなど「ステークホルダーとの関係構築」から社内広報である「インナーコミュニケーション」まで、とても広いもの。

また、最近では顧客との関係がより密になったことで、マスコミュニケーションだけでなくSNSを通じたコミュニケーションも増えています。

サービスや企業の魅力を伝えるために広報PRは大切な仕事ではありますが、専属の広報職を1人採用するのはコストもかかる大変なところ。

だからこそ、社内では人事などが広報も兼務で担当することが多いのですが、それだと優先順位が低くなってしまいがちです。一方で、外注をするにしてもPR会社はどうしても費用が高額となってしまいます。

それが、フリーランス広報であれば、費用を抑えて中長期的に付き合うことができるのが企業にとって大きなメリット。フリーランス広報が選ばれる理由です

また、会社員ではひとつの業種でのキャリアが長くなっていきますが、フリーランスはさまざまな会社と関わっているため、話題やスキルを多く持っているのも強みです。

最近では広報領域が広がっているぶん、「広報の大ベテラン」じゃなくても、ライティングやSNS運用などに特化した実務経験のある人がキャリアアップする形で広報へ転身していくパターンも増えてきています

フリーランス広報は、これまで培ってきた経験を活かしやすいので、キャリアアップにおすすめの選択肢だと思いますね。

フリーランス広報の料金相場は?

フリーランス広報のなり方3ステップ。現役広報に必要なスキルと報酬相場を聞いてみた
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

ゆぴ:
フリーランス広報の案件は大体いくらで受注していますか?

あい:
私の場合、平均月額10〜20万円の範囲内でできることを担う、という形でお手伝いしています。具体的には、広報戦略を描くことと、ディレクションを行うなどの実務に紐づくことの両方をやっています。

金額は「専属で広報を採用するよりも少し安い」ラインを意識して提示するようにしていますね

友人のなかには広報アシスタントとして時給制で働いている方もいますが、私は広報の仕事は時給では測れない部分があると感じているので、「月に3本プレスリリースを書く」など、アウトプットに紐付けた契約をしています。