目次
罹災証明書の対象となる被害
・家屋建物の被害
・人的被害
・農業用施設・設備の被害
罹災証明書の申請期限
罹災証明書の対象となる被害
罹災証明書が発行されるのは原則として人の住居が損壊した場合です。しかし、自治体によっては被災した住民の人的被害や農業用施設・設備の被害も対象にしているところがあります。以下、具体的にみていきましょう。
家屋建物の被害
罹災証明書の対象となる家屋建物は、「住家」です。住家(じゅうか)とは、持ち家か賃貸かを問わず人が居住している家屋建物を意味します。倉庫やカーポート、人が居住していない事務所や店舗などは対象になりません。
住家のうち、調査した上で被害が認定されたものについて罹災証明書が発行されます。被害の程度については「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」「床上浸水」「床下浸水」「全焼」「半焼」などがあります。それぞれの認定基準は以下のとおりです。
全壊
- 全部が倒壊した場合
- 損壊が甚だしく、補修しても元通りに居住することが困難な場合
- 損壊した部分の床面積が住家全体の70%以上に達した場合
- 住家の主要な要素の経済的損害が住家全体の50%以上に達した場合
大規模半壊
- 損壊が甚だしく、大規模な補修をしなければ元通りに居住することが困難な場合
- 損壊した部分の床面積が住家全体の50%以上70%未満の場合
- 住家の主要な要素の経済的損害が住家全体の40%以上50%未満の場合
半壊
- 損壊が甚だしいが、補修すれば元通りに居住できる場合
- 損壊した部分の床面積が住家全体の20%以上50%未満の場合
- 住家の主要な要素の経済的損害が住家全体の20%以上40%未満の場合
一部損壊
- 全壊・半壊に至らない程度の損壊で、補修を必要とする場合
- 損壊した部分の床面積が住家全体の20%未満の場合
- 住家の主要な要素の経済的損害が住家全体の20%未満の場合
床上浸水
- 住家の床より上に浸水した場合
- 土砂などが流れ込んだことにより一時的に居住することができない場合
床下浸水
- 床上浸水に至らない程度に浸水した場合
全焼
- 火災によって住家が「全壊」の程度に損壊した場合
半焼
- 火災によって住家が「半壊」の程度に損壊した場合
人的被害
多くの自治体では罹災証明書の対象を住家の被害に限っていますが、一部の自治体では被災した人の「死者」「行方不明」「重傷」「軽傷」などの人的被害も対象に加えています。それぞれの認定基準は以下のとおりです。
死者
その災害が原因で死亡した場合で、かつ死体を確認した場合。死体を確認することができない場合は死亡したことが確実と認められる場合。
行方不明
その災害が原因で所在不明となった場合で、かつ死亡の疑いがある場合
重傷
その災害が原因で負傷した場合で、加療1ヶ月以上を要する見込みである場合
軽傷
その災害が原因で負傷した場合で、加療1ヶ月未満で治癒が見込まれる場合
農業用施設・設備の被害
農業用施設や設備は「住家」には該当しませんが、一部の自治体では災害によって損壊した農業用施設や設備の復旧のための支援制度を設けています。
多くの場合は「農業用罹災証明書」を発行して、農業協同組合や日本政策金融公庫の融資制度を活用できるようにしています。
農業用罹災証明書の発行を受けるためにも、通常の罹災証明書の場合と同様に調査を受けて、被害の程度の認定を受ける必要があります。
罹災証明書の申請期限
自治体によって申請期限はまちまちです。災害のときから3ヶ月としているところが多いですが、1ヶ月程度のところもあれば6ヶ月以上のところもあります。また、災害の規模によっては申請期限が延長されることもあります。
自治体のホームページや市報などで申請期限が広報される場合が多いので、確認しておきましょう。
申請期限を過ぎると罹災証明書の発行を受けることができず、支援が受けられなくなります。やむを得ない事情によって期限内に申請できなかった場合は救済措置が認められることもありますが、基本的には期限内に申請するようにしましょう。