目次
不動産投資ローンを利用するメリット
 ・1. レバレッジを使うことで少ない資金で投資できる
 ・不動産投資ローンを使うと手間と時間を一足飛びにできる
 ・2. ローン返済に入居者の家賃支払いを充てられる
 ・3. 団体信用生命保険への加入
不動産投資ローンを利用するデメリット
 ・1. 返済利息があるので、現金一括より返済金額が増える
 ・2. 変動金利で利率が変わった場合、返済金額が増える
 ・3. 空室が続いた場合、入居が決まるまで自己資金で返済する必要がある
 ・4. 身の丈に合わないレバレッジをかけている

不動産投資ローンを利用するメリット

1. レバレッジを使うことで少ない資金で投資できる

レバレッジとは、金融分野で「てこの原理」を意味し、少額の投資で多額の利益を目指すことを指します。不動産投資の代表的なメリットが、不動産投資ローンのレバレッジ効果です。

何か投資を始めようとする時、一般的には自己資金の範囲内で投資を行い、リターンを得ます。

例えば、利回り3%の金融商品に投資するとします。

A. 100万円の自己資金を投資する
B. 1,000万円の自己資金を投資する

Aの場合は年間3万円増え、Bの場合は30万円増えます。投資に使える手元の資金がたくさんあればあるだけ、リターンも大きくなります。

不動産投資ローンを使うと手間と時間を一足飛びにできる

不動産投資ローンを利用すると、少しの手持ち資金で、数百万円、数千万円、時には億単位の投資運用が可能となります。

金融機関の融資を利用して、自己資金の何倍もの大きな金額の取引ができることで投資効率を高められることを、レバレッジ効果、レバレッジが効くなどと言います。

先ほどの例と比較すると、

C. 100万円の自己資金で、1,000万円のローンを組み投資する

利回り3%で賃貸経営(月々の家賃収入5万円)をするとき、年間30万円増えます(実際にはローンの返済等がありますので返済額等がマイナスされます)。

自己資金100万円を1,000万円まで貯めるのは至難の業です。手間と時間を、レバレッジ効果で一足飛びできるのが大きなメリットになります。

2. ローン返済に入居者の家賃支払いを充てられる

2つ目のメリットは、ローン返済に入居者からの家賃を使うことができる点です。ローンの返済にも、自分のお金は使わなくてよいのです。

つまり、不動産投資は、レバレッジを効かせられ、自己資金は別の投資に生かすことが可能となります。

3. 団体信用生命保険への加入

不動産投資ローンを組む際、多くの金融機関は団体信用生命保険への加入を融資の条件としています。

団体信用生命保険とは、死亡など、万が一のことがあった場合に、ローン残高が0円となる保険です。これにより、家族に不動産を残すことができ、家族は不動産を貸し続けたり、売却して現金化し当面の生活費にしていくことが可能になります。

毎月手元にあるお金を使って保険料を支払う必要なく、生命保険に入ることになります。これが3つ目のメリットです。

不動産投資ローンを利用するデメリット

不動産投資ローンにもデメリットは存在します。

1. 返済利息があるので、現金一括より返済金額が増える

不動産投資ローンでは当然ながら金利がありますので、返済利息が発生します。

例えば、

  • 2,200万円の物件取得
  • 金利1.9%
  • 元利均等返済
  • 35年のローン

を組んだ場合、返済利息は約800万円かかります。

800万円もかかれば、「やはり現金一括で買いたい」と思われるかもしれません。ただ不動産を購入するために貯蓄するとなると長い時間が必要になります。不動産投資ローンを使うことで貯める時間が必要なくなり、人生において資産形成のスタート時期を早めることができます。

2. 変動金利で利率が変わった場合、返済金額が増える

上記の試算は金利変動がない設定ですが、不動産投資ローンで変動金利を利用した場合には、金利の変動の可能性があります。

金利が上昇すると、ローン返済に家賃収入を充てるだけでは足りなくなり、自己資金の持ち出しも発生する可能性は考えられます。リスクなく受け入れられる利率は何%までかなど、シミュレーションは必要となります。

3. 空室が続いた場合、入居が決まるまで自己資金で返済する必要がある

空室になると家賃収入がなくなるため、ローン返済を自己資金で行う必要があります。

不動産投資を始める際に、自己資金はそれほど必要はありませんが、貯蓄がまったくない状態だと、空室が発生した場合などのローン返済が苦しくなるため、ある程度の貯蓄は必要です。

4. 身の丈に合わないレバレッジをかけている

少ない自己資金で大きな投資効果を得られるレバレッジは、大きなメリットではありますが、時にデメリットにもなりえるので注意が必要です。

  • 物件価格:2,000万円
  • 頭金・ボーナス返済:無し
  • 借入額:2,000万円
  • 返済金利:2%
  • 月額家賃収入:7万円

上記の例で考えてみましょう。この場合、月々の返済額は約6.6万円になります。

ローンの借入れ可能額が6,000万円まで組めるからと、上記条件と同様の物件を3つ購入したとします。あまり考えにくいですが、その後3部屋同時に空室になった場合、給料から3件分のローンを支払うことになります。身の丈に合わない投資をすることはリスクにもなりえます。