押し出しの効いた顔つきが目立つ「F SPORT」
専用スピンドルグリル、専用リアバンパーとスポイラーをまとう「“F SPORT”」は、パフォーマンスダンパーに加えて、専用チューンが施されたサスペンションを装着する。
なお、レクサスCTは、フロントがマクファーソンストラット、リアがダブルウィッシュボーンというサスペンション構成。新型メルセデスベンツ Aクラスは、基本的に(導入エディションなどの一部をのぞく)リアサスペンションがトーションビームで、7代目ゴルフも1.2Lエンジン搭載車のリアサスはトーションビーム。
かつて、初代フォード フォーカスがリアにマルチリンクを使った際にはライバルも追従していたが、現在はパワートレーンやグレードなどによる使い分けが進んでいる。確かに、サスペンション形式でフットワークや乗り心地が決定的なものになるわけではなく、安価な形式でもしたたかな路面追従性や操縦安定性を披露するクルマはある。
それでもレクサス CTが「9年選手」という長寿命モデルになっても走りに古くささを感じさせないのは、おそらくサスペンションの熟成が進んだのと、比較的高価(手の込んだ)な足まわりを採用しているというのもあるはずだ。
そのCTにあって「“F SPORT”」は、スポーティな乗り味を示す上に先述したエクステリア、専用ディンプル本革ステアリング・専用スカッフプレート・専用オーナメントパネルの加飾。専用アルミ製スポーツペダル&フットレストなどにより、レーシーなムードを醸し出している。
パワーソースは、「“F SPORT”」の割には物足りない面もあるかもしれないが、結構な速度で高速道路を飛ばす30プリウスがいるように、「意外に走る」というモデルでもある。
豪華仕様の「“version L”」
最もラグジュアリーな「“version L”」は、215/45R17 タイヤにパフォーマンスダンパーを備え、オート電動格納式ドアミラーや、運転席ポジションメモリーと前席シートヒーター付の本革シートを標準装備するなどの豪華装備が特徴だ。
インテリアカラーもシックな2トーンカラーが用意されていて、小さな高級車というテイストが濃厚に漂う。駐車場や道路事情などから、大きなクルマには乗れないけれど、チープなモデルは嫌というニーズに応えてくれる仕様といえるだろう。