イーロン・マスク氏に、ジェブベソス氏とIT業界の大物が続々と参入する宇宙ビジネス。

宇宙ビジネスって実際何ができるの? 儲かっているの?

市場規模から注目企業まで、本記事では宇宙ビジネスについて業界マップを使いながらご紹介します。

※本記事で紹介している宇宙ビジネス業界マップと衛星データユースケースマップはこちらからPDFをダウンロードいただけます

(1)宇宙ビジネスの市場規模は40兆円

宇宙ビジネスの世界規模での市場規模は2010年に約27兆円だったのが、2019年で約40兆円まで成長しており、このペースで進めば2040年代には約100兆円以上に達すると言われています。

その内訳をみると、ロケットや人工衛星の製造に関する市場(宇宙インフラ市場)は全体の6%弱にあたる約2兆円。一方で、衛星データ活用や衛星テレビサービスなど、宇宙を利用したビジネスに関する市場(宇宙利用市場)は全体の35%強にあたる約14兆円の市場規模です。政府予算、宇宙旅行の市場を除くと成長率は3%と全体と比べても高く、これからも成長していくことが予想されています。

日本で見ると、宇宙ビジネス全体の市場規模が約1.2兆円、宇宙インフラ市場についてはその9割が官需で、欧米に大きく差をつけられている状況です。内閣府は、このような状況を鑑み「宇宙産業ビジョン2030」の中で、2030 年代早期の市場規模の倍増を目指していくと述べています。

宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業、市場規模~
(画像= 宇宙ビジネス市場規模と内訳
Credit : 2019 Global Space Economy at a Glance(2020年10月)と宇宙産業ビジョン2030を元にsorabatakeが作成、『宙畑』より引用)

(2)宇宙ビジネスの種類「製造・インフラ」「宇宙利用」「宇宙探査」

宇宙ビジネスと聞いて、みなさんはどんなイメージを浮かべるでしょうか。

おそらくロケットや宇宙旅行をイメージする方が多いのではないでしょうか。また、NASAやJAXAなどの政府機関で進めている事業であって、民間企業の参入は「まだリスクが大きく、一部のお金持ちがやっているビジネスである」と思われる人が多いかもしれません。

しかしながら、NASAもJAXAも民間企業なしで宇宙開発を行っているわけではなく、独自にロケットや人工衛星を作り始めたベンチャー企業、既存の人工衛星を自社事業に利用している企業もあります。

では、なぜ今、宇宙ビジネスが注目されているのか。宙畑は以下4つの視点が宇宙ビジネスを盛り上げる背景にあると考えています。

1.未開拓領域であること
2.大きな市場に化ける可能性があること
3.民間でできることが広がっていること
4.地上のトレンドと合っていること

そこで、どのような企業がどのような分野で宇宙ビジネスに取り組んでいるのか、大きく「宇宙製造・インフラ」「宇宙利用」「宇宙探査」の3つに分けて現状の宇宙ビジネス業界マップを作成しました。

以下、宇宙ビジネス業界マップと合わせてそれぞれの分野の概要と参入企業、関連記事を紹介します。宇宙ビジネスの盛り上げりを感じていただけますと幸いです。