Q3. バブルは悪いことなんですか?
必ずしも悪いことではありません。1970年代のPCバブルではマイクロソフトやアップルが生まれ、ITバブルではアマゾンやグーグルが生まれました。短期的には収益の上がらないベンチャー企業にお金が集まれば、新しい産業ができることもあります。
バブルはゆるやかに正常化するなら問題ありません。アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は政策金利を上げ、インフレやバブルをソフトランディングさせようとしているようにみえます。
Q4. バブルが崩壊すると何が困るんですか?
短期間に資産価格が暴落すると、会社や個人が破産しますが、株式のバブルはあまり尾を引きません。ITバブルのように個人投資家が株式を買った場合には、会社がつぶれて株式が紙切れになるだけだから、自己責任であきらめがつくのです。
問題は銀行が債券を買った場合です。銀行は預金者から元本保証のお金を預かっているので、銀行のもっている不動産や国債が値下がりすると、預金を返せなくなります。それを知った預金者が、銀行からいっせいに預金をおろす取り付けが起こると、銀行がお金を返せなくなって金融危機になるのです。
1997年に山一証券が自主廃業したあと起こった金融危機や、2008年9月のリーマンショックなどがその例です。こういうパニックで銀行がつぶれると、企業間の取引ができなくなり、経済全体に大きな影響が出て、不況が長く続きます。
Q5. 日本の国債はバブルなんですか?
長期金利は株価のように派手に動かないので目立ちませんが、10年物国債の金利は0.2%を超えました。これは価格が下がったということですが、国債先物の価格は1990年の87円から最近の160円台までほぼ2倍になり、今は史上最高値の水準です。
日本国債先物(10年物)の価格(S&P)
2010年代に日銀が量的緩和でたくさん国債を買ったのは、結果的には国債の買い支えでした。国債価格は最近はゆるやかに下がっていますが、それを日銀が買い支えると宣言したわけです。