HMBは本当に広告のように飲むだけで痩せマッチョになったり、ダイエットに効いたりするのか?
また、効果があるとしたらどんなタイミングで摂取したら良いか?副作用が無いか?そういったお悩みをお持ちの方もいらしゃるのではないでしょうか?
結論から言えば、HMBは筋トレと併用しなければ無意味であるが、併用すれば効果を倍増してくれる素晴らしい栄養素になります。
今回はHMBについて、カシカリ編集部が、その効果や副作用などを最新の論文・エビデンスを元に徹底解説していきます。
そもそもHMBとは?
そもそも、HMBとは何なのでしょうか?
HMBの名前を知っていても、それが何なのかを知らないで摂取している人も意外と多いと思います。
HMBとは、BCAAを構成している必須アミノ酸のロイシンの代謝産物のことであり、体内に取り入れたロイシンは、最終的にHMBの形になって吸収され、血中に現出します。
これだけ解説しても今一つピンとこない方もいらっしゃると思います。
HMBの効果について詳しく解説していきます。
HMBの効果は何か?
HMBの効果①筋タンパク質の合成促進効果
まず、HMBの効果の1つに、筋タンパク質の合成促進効果があります。
筋肉が成長するには、①運動を行って筋肉に刺激を与える②適切な栄養を摂取する③休養を与えるというプロセスが必要になります。
HMBの摂取に関しては、②の栄養摂取の部分にあたりますが、運動で刺激を受けた筋肉に適切な栄養を与えないと、筋肉は思うように成長しません。
筋肉の成長のために必要な栄養素としては、まずタンパク質が挙げられます。
摂取されたタンパク質が筋肉の合成や修復を行いますが、その際に「筋肉を作れ」という指令を出す回路が、mTOR(エムトア)と呼ばれるものです。
HMBを摂取することにより、このmTORが刺激され、より強い筋肉の合成作用が促されます。
あくまでも筋肉に対する刺激と、タンパク質の摂取が前提になりますので、HMBを摂取しただけで筋肉がつくとは考えないようにしましょう。
こうしたHMBによる筋肉の合成促進効果が着目され、現在では高齢者の筋肉減少のためにHMBが有効であるとされ、注目されています。
現在の高齢化社会においては、いかに健康に年齢を重ねることができるという、健康寿命の増進にHMBが役に立つと考えられています。
高齢者に特有の筋肉系の疾患であるサルコペニアという疾患にもHMBが効果的であるとされており、トレーニングを行う人だけでなく、様々な分野で応用可能であるといえます。
HMBの効果②筋肉の分解抑制効果
HMBに期待できるもう1つの効果に、筋肉の分解抑制効果があります。
筋肉は日々の中で絶えず合成と分解を繰り返しています。
筋肉を成長させるには、合成を促すことはもちろんですが、分解を抑える、つまり守ることも大事になります。
上記で、筋タンパク質の合成を促す回路がmTORであると解説しましたが、逆に筋肉の分解を促進する作用のある酵素が、ユビキチンプロテアソームというものになります。
HMBを摂取することにより、このユビキチンプロテアソームの働きを弱体化させることができ、筋肉の分解を抑制することができます。
成長を促し、さらに分解を抑制してくれるという意味で、「攻め」の効果と「守り」の効果があるといえます。
HMBの効果③筋肉の回復促進
そして、HMBのもう1つの効果に、筋肉の回復促進があります。
筋肉は運動により刺激を受けることで疲労を感じるようになります。
これは、筋肉の繊維が損傷している、疲労物質が蓄積していることが原因ですが、HMBの摂取はこうした筋損傷の回復を促し、コンディションを整えてくれる効果が期待できます。
筋肉を素早く回復させることは、パフォーマンスの維持につながります。
日々筋トレを行う方、連日試合や練習があるようなアスリートにとっては、非常にうれしい効果であるといえます。