Q6. でも国債には貸し倒れの危険はありませんね?
政府には貸し倒れリスクはありませんが、金利リスクはあります。MMTは政府の発行した国債を日銀が買うと借金がチャラになるといっていますが、これはまちがいです。

(画像=東京財団政策研究所ホームページ、『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)
元日銀の早川英男さんもいうように、量的緩和で日銀の買った国債は、政府のバランスシートでは負債から消えますが、それを買った日銀のバランスシートでは日銀当座預金という負債になります。だから政府と日銀を合計した統合政府でみると、国債(長期債務)が日銀当座預金(超短期債務)に置き換わっただけです。
Q7. 日銀当座預金って何ですか?
当座預金というのは、翌日すぐ引き出せる預金です。普通は金利がつかないのですが、銀行が日銀にあずける準備預金(日銀当座預金)には金利がつきます。今はマイナス0.1%ですが、残高が500兆円以上あるので、1%上がると毎年5兆円の金利が発生します。
国債の金利が上がっても、金利支払いが増えるのは新しく発行する国債だけですが、日銀当座預金の金利はすべて明日から上がるので、国債を日銀が買うと統合政府の金利リスクは大きくなるのです。