新型コロナウイルスがはじまってから、まもなく2年。感染症が終息するどころか、過去最高の感染者数を記録するなど、先行きは不透明です。フリーランス/個人事業主のなかには事業面で苦しむ方も多いと思います。

その対策として、政府は新たな支援制度「事業復活支援金」を創設しました。今回の記事では、過去に「一時支援金」「月次支援金」などの解説記事を執筆した筆者が、事業復活支援金の対象者や給付額、申請方法などを解説します。

目次
事業復活支援金とは?
事業復活支援金の支給対象者

事業復活支援金とは?

事業復活支援金の目的は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自らの事業判断によらず売上が大きく減少している中小法人/個人事業者などの事業継続および立て直しのための取組みを支援する」ことです。

申請期間は2022年1月31日~5月31日までで、月次支援金とは異なり「1回」の申請で受給できます。

申請については、経済産業省が「月次支援金/一時支援金の既受給者は申請ステップを省略できます」と明記しており、基本的には月次支援金/一時支援金と同じです。そのため、過去にいずれかの支援金を受給した方は、比較的かんたんに申請できます。

事業復活支援金をスムーズに申請するために、月次支援金/一時支援金の概要を把握しておくのがおすすめです。

事業復活支援金の支給対象者

事業復活支援金の支給対象者をわかりやすく説明すると、「中小企業」「個人事業主(フリーランス)」のいずれかのうち、以下の2つの条件にあてはまる方です。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売上が減った
  2. 2021年11月~2022年3月のいずれかの月間売上が、2018年11月~2019年3月、2019年11月~2020年3月、2020年11月~2021年3月の同じ月の売上と比較して30%以上減少した
フリーランス/個人事業主は最大50万円!事業復活支援金の申請方法、必要書類まとめ【実際に申請してみたレポ】
(画像=▲出典:事業復活支援金事務局HP、『Workship MAGAZINE』より 引用)

月次支援金では「緊急事態宣言下の取引先との継続取引の有無」など細かい条件がありましたが、事業復活支援金では「新型コロナウイルス感染症の影響を受けたか否か」と大雑把な条件になりました。月次支援金では条件が細かすぎて、申請者が混乱してしまったのでしょう。

代わりに、事業復活支援金では「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた」とはどういった状態なのかを詳しく解説しています。

フリーランス/個人事業主は最大50万円!事業復活支援金の申請方法、必要書類まとめ【実際に申請してみたレポ】
(画像=▲出典:事業復活支援金事務局HP、『Workship MAGAZINE』より 引用)

資料を見る限り、直接的な時短要請などがなくても、「何かしらのコロナに関する影響で売上が低下した」ことを証明できれば対象となりそうです。

また、事業復活支援金では「どういった売上の減少は支給対象にならないか」も明記されています。

フリーランス/個人事業主は最大50万円!事業復活支援金の申請方法、必要書類まとめ【実際に申請してみたレポ】
(画像=▲出典:事業復活支援金事務局HP、『Workship MAGAZINE』より 引用)

上記をまとめると、「わざと売上を減らす(=仕事をしない)」「コロナに関係なく売上が見込めなかった」場合などは、売上が減少しても支給対象にはならないということ。「コロナの影響による売上減少か」をよく判断する必要があります。

ただ、個人的に気になったのは、資料右下の「自主的な休業」や「商材の変更」といった記述です。この場合、たとえば「時短要請は出ていないが、コロナの影響を考えて自主的に休業した」「コロナの影響でビジネスが行き詰まり、商材を変更した結果、売上が下がった」といった場合は、支給要件からはずれるようにも読めます。このあたりの補足情報は確認できていないので、続報を待ちましょう。

もう一つの大きな変更点は、売上が「30%減」から対象になったことです。これまで、国の給付金の減少要件は「50%」からだったため、要件が大きく緩和されたことになります。国の月次支援金を補う形で行われた東京都の事業「東京都中小企業者等月次支援給付金」は開始当初から売上30%減の事業者も支給対象としており、この制度の影響で要件が緩和されたのかもしれません。