日本のシカの中で最大級の大きさを誇る「蝦夷(エゾ)シカ」について、お話をしていきます。エゾシカの基本情報や、歩んできた歴史、これからのコトを記事にまとめました。
エゾシカを知ることは北海道を知ることと同じです。
私たちの住む世界だけのことではなく、北海道の広大な自然を守るためにエゾシカは重要なキーワードなのです。
また最終章では、北海道でしか味わえないエゾシカ肉の料理もご紹介いたします。
目次
北海道では身近な動物【エゾシカ】
知っているようで知らない?エゾシカの基本情報
・エゾシカの生態と性格
・エゾシカは何を食べているの?
・エゾシカの生息地はどこ?
・エゾシカの繁殖について知りたい!
・エゾシカの一生を見てみる
・夏のエゾシカ、冬のエゾシカ
北海道では身近な動物【エゾシカ】
北海道でエゾシカに遭遇する確率は非常に高いです。市街地でもひょっこり現れることもあります。見た目は可愛らしく、雄シカには立派な角が生えています。
エゾシカの「蝦夷(エゾ)」は北海道を表現する言葉です。
エゾシカの歴史を辿ることは、北海道の歴史を辿ることにも繋がるので、知っておくと、さまざまな発見があり興味深いですよ。

知っているようで知らない?エゾシカの基本情報
北海道を限定として生息しているニホンジカの一種であるエゾシカの生態に触れていきます。
エゾシカの生態と性格
北海道に生息しているエゾシカは、日本の鹿の中でも最大級の大きさを誇っています。雄ジカと雌ジカの体長・体重は以下の通りです。
オス
体長:約90〜190センチ
体重:約50〜150キログラム
メス
体長:約90〜150センチ
体重:約25〜80キログラム
エゾシカはとても臆病な性格をしています。そのため、滅多なことで人間を襲うことはありません。
エゾシカは群れで行動をする動物です(雄ジカと雌ジカでは別の群れで行動します)。
エゾシカの運動能力は長けていて、彼らは2メートルから3メートル近くジャンプすることが可能です。
エゾシカは跳躍力が非常に優れている動物です。エゾシカの寿命は約4年で、飼育下の個体では、最長20年生きたという記録もあります。
エゾシカは何を食べているの?
エゾシカは草食動物です。彼らは一日に約5キログラムもの餌を食べて生活しています。主に、木の葉や野草、ドングリを好んで食べます。
冬季になると、木の枝(若い枝で柔らかいもの)や樹皮を食べて春を待ちます。
またエゾシカの数が増加している関係で、近年では農作物(野菜や小麦など)まで食べてしまい、農林への被害が問題視されています。
エゾシカの生息地はどこ?
エゾシカは北海道全域に分布しています。低地から山地まで、森林地帯や野原など広い部分で生息しています。

エゾシカの繁殖について知りたい!
エゾシカは一夫多妻性です。雄ジカ同士で力比べをして、勝負に勝った雄ジカがリーダーとなります。リーダーの雄ジカは群れの雌ジカと繁殖する事ができます。
エゾシカの交尾の期間は10〜11月と決まっています。ただし、雄ジカが交尾可能な期間は10日ほどと短く、その間に雄ジカは一日数回の交尾をおこないます。
雌ジカの妊娠期間は約230日前後です。出産時期は6月〜7月にかけてです。子ジカは、生後4ヵ月で50キログラムにまで成長します。
エゾシカの繫殖能力は高く、近年エゾシカの個体数は増加傾向にあります。
エゾシカの一生を見てみる
下記記のサイクルでエゾシカは生活を送っています。
- 12月~3月 越冬期
- 4月~5月 落角(※)
- 6月~7月 出産期
- 10月~11月 繁殖期
※落角(おちつの)とは、雄ジカの角が新しい角に生え変わることをいいます。一歳の雄ジカの角は枝分かれはしませんが、二歳頃から角が枝分かれします。
また、10月から11月にかけての繁殖期はエゾシカの行動が活発になります。とくに雄ジカは攻撃的になる傾向にあり、普段よりも注意が必要です。
夏のエゾシカ、冬のエゾシカ
エゾシカは夏季と冬季では、その見た目に変化が起こります。毛の色が夏季では、淡い茶色の被毛に、白い斑点の模様が目立ちます。

一方で冬季になると、エゾシカの被毛は濃い茶色に変わります。
