少額から株式投資に挑戦できるミニ株(単元未満株)は、投資初心者でも気軽に始められるのがメリットだ。今回は単元未満株取引に対応している証券会社の中でも、スマホでの利用に特化したLINE証券とPayPay証券に注目し、サービスを比較した。

ミニ株(単元未満株)取引のメリット

ミニ株(単元未満株)取引のメリット
(画像=編集部作成)
単元未満株とは?
単元未満株式とは、銘柄ごとに決められている最低売買単位である1単元の株数に満たない株式のこと。株式ミニ投資、ミニ株とも呼ばれる。

ミニ株のメリットは以下の4つだ。

ミニ株(単元未満株)取引のメリット1……数百円から株が買える

通常、株の取引は1単元(=100株単位)で行われる。

例えば株価が5,000円の銘柄の最低投資金額は、50万円(=5,000円×100株)だ。

しかし、ミニ株であれば1株単位で取引できます。通常の100分の1の資金で株取引ができるのが、単元未満株のメリットです。

100株を10万円以下で買える株式をミニ株で1株買えば、1,000円でお釣りがくる

2021年11月9日現在の上場銘柄数は3,787社で、そのうち1単元を10万円以下で買える銘柄は1,400近くある。

篠田わかな

数百円で買える株式は、意外にたくさんあります。

ミニ株(単元未満株)取引のメリット2……株式投資の練習になる

投資額が小さければ見込める利益は限られるが、リスクも小さい

初心者がいろいろな商品にトライして経験を積む場合、少額投資は非常に役に立つ。

ミニ株で大儲けを狙うのは難しいが、気軽に楽しめて投資経験も積めるため、初心者におすすめです。
「値がさ株の高値づかみからの塩漬け」は、初心者が犯しがちなミスだ。これでは、投資経験を積む機会を失ってしまうだろう。1銘柄への資金が少額で済めば、輸出株と内需株、IT関連と小売といったように業種を分散することができるため、多様な商品で投資の練習をしたい初心者にはメリットが大きいはずだ。

ミニ株(単元未満株)取引のメリット3……大企業の株を安価に持てる

中上級者にとっても、ミニ株のメリットは大きい。

知名度が高く成長が期待できる企業はすでに株価が高く、「値がさ株」と呼ばれる状態にあります。
例えば、ファーストリテイリングの2021年11月15日時点の株価は7万5,840円で、売買単位は100株なので、株主になるには最低でも約760万円もの資金が必要になる。個人投資家が1銘柄に投じる金額としては、かなりハードルが高いだろう。
ミニ株を活用すれば、ファーストリテイリングの株を1単元の100分の1である約7万6,000円から購入できます。

他にも、キーエンスの 715万円、東京エレクトロンの582万円、任天堂の502万円など、最低購入金額が高い銘柄は数多く存在する。

篠田わかな

有名優良企業の株を手頃な価格で購入できるのが、ミニ株の魅力です。

ミニ株(単元未満株)取引のメリット4……配当を受け取れる

株主の権利である配当金は、ミニ株でも保有数に応じて受け取れます。
例えば売買単位100株で配当金が1株50円の株式の場合、通常は5,000円の配当金を受け取れる。それに対し、ミニ株で10株保有していれば500円、1株なら50円の配当金がもらえる。

金額少ないが、小口の株主にも配当があるのは励みになる。

篠田わかな

NISA口座に対応している証券会社なら、配当にかかる税金は非課税になります。

ミニ株(単元未満株)取引のデメリット

ミニ株(単元未満株)取引のデメリット
(画像=編集部作成)

一方で、ミニ株には特有のデメリットもある。

一つずつ詳しく見ていこう。

ミニ株(単元未満株)取引のデメリット1……手数料が割高になりやすい

ミニ株の取引手数料は、通常の単元株の取引に比べて割高になりやすいです。
通常、手数料は約定金額に一定の料率をかけた金額とするのが一般的だが、例えばSBI証券の「S株」では約定代金の0.55%(最低手数料55円)、現物株は約定代金が5万円なら55円(0.11%)、10万円なら0.99%、50万円なら0.05%とミニ株に比べて料率が低くなっている。

買い物でも大量に買うと割安で少量の場合は割高になるのと同様に、取引額が小さいミニ株は手数料が割高になる傾向がある

篠田わかな

なお、取引頻度が高い人がお得になる定額制の手数料をミニ株に導入している証券会社はないようです。

ミニ株(単元未満株)取引のデメリット2……約定のタイミングを細かく指定できない

ミニ株は証券会社が市場から購入した株式の一部を投資家が買い取る仕組みで、約定のタイミングは証券会社ごとに定められており、現物株のようにリアルタイムの価格で売買することはできません。

少ないところで1日1回、多くても1日4回、決まった時間に約定する。

一部の証券会社では、仮の株価を用いてリアルタイムで注文できるところもある。

また、注文方法も指定できない。注文方法は「成行」のみで、売買したい金額を指定する「指値注文」はもちろん、「逆指値」などの複雑な注文方法にも対応していない。
篠田わかな

実際に売買する金額がわからない状態で発注するので、運の要素が大きいです。「今週中」といった注文期間の指定もできず、注文はすべて「当日中」となります。

ミニ株(単元未満株)取引のデメリット3……原則として株主優待は受けられない

ミニ株は取扱い証券会社の株式ミニ投資口座名義となるため、名義人ではないミニ株の保有者は原則として株主優待を受けることはできません。

また、ミニ株の保有者には議決権を行使する権利も、株主総会に出席する権利もない

篠田わかな

上新電機やいちご(不動産業)など、一部の企業では1株のみの保有でも株主優待を行っているところがあります。

より手軽にミニ株(単元未満株)取引をしたいならLINE証券とPayPay証券がおすすめ

より手軽にミニ株(単元未満株)取引をしたいならLINE証券とPayPay証券がおすすめ
(画像=Oran Tantapakul/stock.adobe.com)
ミニ株をより手軽に取引したいなら、LINE証券とPayPay証券がおすすめです。

LINE証券とPayPay証券はスマホでの取引に特化しており、リアルタイム約定に対応している。

篠田わかな

スマートフォンで取引ができれば、場所や時間を選ばず価格チェックや注文ができます。使い慣れているツールで新たな挑戦ができるのは、想像以上にメリットが大きいです。

単元未満株は約定タイミングが1日1~4回であることを説明したが、LINE証券とPayPay証券では発注すればすぐに約定するリアルタイム取引が可能だ。市場とではなく証券会社と利用者の相対取引なので、ある意味で「疑似リアルタイム」だが、すぐに約定するメリットは大きい。ただし、約定価格は市場価格と乖離することがある。

LINE証券とPayPay証券を徹底比較

LINE証券とPayPay証券を徹底比較
(画像=編集部作成)

LINE証券とPayPay証券の対象銘柄、最小取引単位、手数料、約定タイミングは以下のとおりだ。

LINE証券(いちかぶ) PayPay証券
対象銘柄 国内株式 1,514本
国内ETF 15本
国内株式 160本
国内ETF 4本
国内REIT 4本
海外株式 147本
海外ETF 25本
最小取引単位 1株 1,000円
手数料 0.2%~1.0% 国内 0.5%~1.0% 海外 0.5%~0.7%
約定タイミング 取引時間中リアルタイム 取引時間中リアルタイム
LINE証券PayPay証券の公式サイトを基に筆者作成。2021年11月17日時点。
LINE証券は「いちかぶ」というサービスが、PayPay証券は全取引が単元未満株の取引であるミニ株に該当します。

対象銘柄は上記のとおりで、銘柄数はLINE証券が勝るが、PayPay証券は種類が豊富だ

篠田わかな

LINE証券の最小取引単位は一般的なミニ株と同じ「1株」で、PayPay証券は業界でも珍しい「1,000円単位」です。

手数料は条件によって幅があるが、LINE証券の0.2%はかなり低水準といえる。

約定タイミングは、どちらもほぼリアルタイムだ。

LINE証券……ミニ株の夜間取引ができるのはここだけ!日中は手数料が低め

LINE証券……ミニ株の夜間取引ができるのはここだけ!日中は手数料が低め
(画像=LINE証券)

LINE証券の単元未満株サービスは「いちかぶ」という名称で、その名のとおり1株単位で売買できる。

いちかぶの大きな特徴は手数料が低めであることと、夜間取引ができることです。
LINE証券のいちかぶの取引手数料は、基準価格の0.2~1.0%。手数料は「スプレッド」と呼ばれ、取引価格に上乗せされる。銘柄はA・B・C・Dグループに分類され、それぞれ往復0.2%、0.3%、0.4%、0.5%で、Aグループの夜間取引は1.0%だ。現在、535銘柄が手数料0.2%で取引できる(2021年11月16日時点)。

また、平日夜間(17:00~21:00)に単元未満株の取引ができるのは、今のところLINE証券のみだ。

仕事から帰ってきてからでも取引はできますが、手数料水準は日中より高いので注意しましょう。

デメリットは、パソコンからでもスマホ用の取引画面しか使えないことだ。

PayPay証券……国内株も海外株も1,000円から!あのGAFAM株も

PayPay証券……国内株も海外株も1,000円から!あのGAFAM株も
(画像=PayPay証券)
PayPay証券の株取引は非常にユニークで、すべての金融商品が単元株の株数単位ではなく、1,000円単位で取引される。
篠田わかな

これは、PayPay証券が市場から仕入れた株式を利用者が売買する「相対取引」に特化していることによるものです。

対象銘柄に海外株式も含まれることも、大きな特徴だ。

海外の個別株を1,000円単位で買える証券会社は、他には見当たらない。

アップルやアマゾンといったGAFAM株や、コロナワクチンで注目を浴びたファイザーやモデルナの株式も購入できます。
国内株式取引手数料は、前場(9:00~11:30)と後場(12:30~15:00)は基準価額の0.5%、それ以外の時間帯は1.0%のスプレッドを上乗せした価格で取引される。海外株式は現地時間9:30~16:00(日本時間23:30~6:00、夏時間22:30~5:00)は0.5%、それ以外の時間帯は0.7%のスプレッドが加算される。

LINE証券とPayPay証券の賢い使い分け

LINE証券とPayPay証券の賢い使い分け
(画像=編集部作成)

LINE証券とPayPay証券はどちらもスマホで取引ができ、約定のタイミングがリアルタイムであることが特徴だが、利用者はどちらを選べばよいのだろうか。

LINE証券はこんな人におすすめ

LINE証券は、国内株式の取扱銘柄数がPayPay証券よりも豊富で、時価総額ベースで国内株式の88%をカバーしている。

中小型株や新興市場株も購入できるため、国内株式を中心に投資したいと考えているならLINE証券のほうが向いています。

LINEポイントを投資資金として使うことや、LINE Payで即時入出金を無料で行うことも可能だ

投資情報や決算レポートなどの情報は、LINEで送られてくる。問い合わせをしたい場合は、LINEでAIチャット。オールインワンなので、LINEユーザーなら利便性が高いだろう。
篠田わかな

日中の取引手数料が低めなので、市場が開いている9:00~11:20、12:30~14:50に取引できる人には特におすすめしたい証券会社です。

PayPay証券はこんな人におすすめ

金額ベースでミニ株をしたい人には、PayPay証券がおすすめです。

1株単位だと銘柄によって購入金額が変わるため、何をどのくらい買うかを自分で考える必要があるが、PayPay証券なら「5,000円でA社株を買えるだけ」といった注文が可能だ。

またPayPay証券は、海外株式や海外ETFに1,000円単位で投資できるのも特徴だ。

銘柄数は多くないが、主要企業や注目企業はそろっているため、選ぶ手間が省けるともいえる。

篠田わかな

PayPay証券は0歳から19歳の未成年者でも使え、操作が非常に簡単です。PayPayアプリを持っている人なら口座開設すら不要で、初心者にとって最もハードルが低い証券会社といえます。

各ネット証券の口座解説手順

LINE証券とPayPay証券の口座開設の手順は、以下のとおりだ。

LINE証券の口座開設手順

LINEアプリに証券サービスを追加し、3分ほど操作するだけで、最短で翌営業日から利用できる。

LINE証券の口座開設手順
(画像=LINE証券)

LINEアプリ内の「サービス追加」で、LINE証券を選択する。

口座開設ページを開いて画面の案内にしたがって必要事項を入力し、SMS認証が済んだら本人確認書類を登録する。

本人確認書類はマイナンバーカードか、マイナンバーが記載された書類と運転免許証の組み合わせなどを選択する。

その後、顔写真をその場で撮影する「かんたん本人確認」を利用すると、最短で翌営業日から取引を開始できる

顔写真を送信したくない場合は、郵送による手続きに変更することも可能だ。

暗証番号を設定したら口座開設申し込みが完了し、LINE証券による審査が完了したらLINEメッセージにお知らせが届く。

PayPay証券の口座解説手順

本人確認書類を準備できていれば、すべてスマホで完結するのでお手軽だ。

PayPay証券の口座解説手順
(画像=PayPay証券)

まずPayPay証券アプリをスマホにインストールして、「口座開設」ボタンをタップし、案内にしたがって申し込む。

申込フォームに必要事項を入力したら、「個人番号カード」「運転免許証」「健康保険証」「住民票の写し」などの本人確認書類をアップロードする。

写真のない本人確認書類は2種類必要になるため、注意しよう。

口座開設が完了したら、証券会社からID・パスワードなどを記載した「口座開設完了のご案内」が送られてくる。

通常、口座開設には2〜3週間程度かかります。

口座開設後、証券口座に入金すればすぐに取引を開始できる。

「おいたまま買付」サービスを使えば、証券口座の資金が不足しても銀行やソフトバンクカード、dポイントと連携して自動で振替が行われる

ネット証券でのミニ株(単元未満株)取引についてよくあるQ&A

ここまでの内容を踏まえて、ネット証券のミニ株取引に関してよく見られる質問と回答をまとめた。

ミニ株(単元未満株)取引のメリットは?
数百円といった少ない資金で株式投資ができることだ。まず、初心者が投資経験を積むハードルが大きく下がる。元本割れの可能性がある金融商品に、いきなり50万円を投じるのは勇気がいるが、少額ならリスクを抑えつつ取引の仕組みや情報収集の方法を学べる。初心者でなくても、購入金額をコントロールできることは分散投資や資金の有効活用につながる。初心者が持つのはハードルが高い値がさ株も、ポートフォリオに入れられる。投資額が小さければリターンが限られ、株主としての権利も限定されるが、配当金は保有株数に応じてきちんと支払われる。
ミニ株(単元未満株)取引のデメリットは?
デメリットは、取引手数料が割高になることだ。ミニ株の手数料体系は証券会社によって異なり、同じ証券会社でも銘柄や取引時間帯などによって手数料が変わることがあるので、しっかり比較した上で選びたい。約定のタイミングが1日に数回しかないのは不便だが、短期売買でなければあまり気にならないだろう。証券会社によっては、相対取引によって「疑似リアルタイムの約定」に対応しているところもある。
日本特有の株主還元策である株主優待を受けられないのは、ちょっと寂しい。ただし、探せばミニ株でも株主優待を受けられる銘柄もあるので、チェックしてみるとよいだろう。
ミニ株(単元未満株)取引ができる証券口座の中で口座を開設しやすいのはどこか?
手軽に証券口座を開設するには、スマートフォンでの申し込みや取引に対応している証券会社がおすすめだ。LINE証券とPayPay証券なら、いつも使っているスマートフォンにアプリやサービスを追加するだけで利用できる。申し込みもWeb完結なので、書類のやり取りは不要だ。情報や機能を絞っているので、初心者でもスムーズに取引開始までたどり着ける。慣れてきて物足りなくなってきたら、他の証券会社を検討してもよいだろう。
LINE証券でのミニ株(単元未満株)のメリットは?
LINE証券のミニ株「いちかぶ」の特徴は、日中の取引手数料の安さと、夜間取引ができることだ。基準価格の0.2%というスプレッドは、0.55%が多いミニ株の中ではかなり低い。夜間取引や時間外取引は1.0%と高めだが、そもそも夜間取引ができること自体が非常に珍しい。LINEを使い慣れている人や、LINEポイント・LINE Payユーザーなら、「新しく証券口座を開いて資産運用を始める」というハードルを感じることなく始められるだろう。
PayPay証券でのミニ株(単元未満株)のメリットは?
PayPay証券の特徴は、何といっても1,000円単位で売買できることだ。1株単位なら銘柄によって必要な投資額が変わるが、1,000円単位なら、「今月は5,000円分」といった買い方ができる。 外国個別株をミニ株で買えることも高く評価できる。アップルやアマゾンなどのGAFAM株をこれほど気軽に買えるサービスは、他では見当たらない。取扱銘柄数は限られているが主要企業は押さえてあり、操作の簡単さも特筆に値する。


篠田わかな
執筆・篠田わかな
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。


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