「塵も積もれば山となる」という表現があるように、よく利用するコンビニエンスストアでポイント多重取りができると、長期的にはそれなりに大きなお得となる。ここでは、最大6重取りも可能なローソンでの多重取り方法を紹介しよう。

ローソンでポイント多重取りするための基礎知識

ポイント多重取りとは、一度の支払いでクレジットカードの利用ポイントやスマホ決済の利用ポイント、各ショップ独自のポイントなどを同時に獲得することをいう。

ポイントを2重に獲得することを「ポイント2重取り」、3重に獲得することを「ポイント3重取り」などといい、難易度は高いもののローソンではポイント6重取りまで可能だ。

最初にローソンでポイント多重取りする上での基礎知識を紹介しておこう。

ローソンでたまる共通ポイントは「Pontaポイント」か「dポイント」

ローソンでの買い物時、共通ポイントの「Pontaポイント」か「dポイント」がたまる。この2つは一方しか選べず、同時に両方をためられない。

ポイントは200円(税抜)ごとの付与となり、時間帯により付与ポイント数が次のように変わる。

利用時間 200円(税抜)ごとの付与ポイント数
0時~15時59分 1ポイント
16時~23時59分 2ポイント
※ローソンのホームページを元に筆者作成

「Pontaポイント」「dポイント」の付与には、各ポイントのカードかアプリの提示が必要。スマホがあればアプリをインストールしてすぐに使えるので、ローソンをよく利用するならどちらかを導入しておこう。

ほとんどのクレジットカードで支払い可能

ローソンでは、日本で発行しているクレジットカードはほとんど全て使える。クレジット払いにより各カードの利用ポイントを獲得可能だ。

どのカードを使ってもいいが、ポイント還元率の高いカードや、「Pontaポイント」「dポイント」が直接たまるカードはおすすめである。あるいは、獲得ポイントを「Pontaポイント」や「dポイント」に交換できるカードでもいいだろう。

スマホ決済のおすすめは「d払い」

ローソンでは主要なスマホ決済(バーコード決済)を一通り利用できるが、おすすめは支払い時に「dポイント」がたまる「d払い」だ。

電子マネー決済はあまりおすすめできない

電子マネー決済は、クレジットカードの種類によってチャージ時にクレジット利用ポイントが付与されないケースもある。一般論としてあまりおすすめできない。

「iD(プリペイド型)」や「QUICPay」などの後払い式電子マネーでは、クレジット利用ポイントは付与されるものの、利用ポイントは付与されないので2重取りとならない。

電子マネー自体は便利なものだが、ポイント多重取りにはあまり向いていないと考えていいだろう。

「Kyash」はメリットがあるのかないのか?

「Kyash」はポイント多重取りにこだわる人々の間で重宝しているプリペイドカード。クレジットカードで「Kyash」にチャージすると、チャージ時のポイントと「Kyash」支払い時のポイントの2重取りとなるのが重宝される理由だ。

しかし、2021年2月にポイント付与率が引き下げられたことで、クレジットチャージした分(Kyashバリュー)で支払うときのポイント還元率は0.2%となった(月間付与上限100ポイント=5万円利用分)。この改変により多重取り時のメリットは、かなり薄くなったといっていいだろう。

一方で、2020年11月に本人認証サービス(3Dセキュア)への対応が始まったことにより、スマホ決済へのチャージが可能となった。現在では、クレジットカード→「Kyash」→スマホ決済の形で2段階のチャージを行うことによるポイント3重取りが可能だ。

つまり、手間さえ面倒に思わなければ、クレジットカードからスマホ決済へのチャージの間に「Kyash」をはさむだけで、月間5万円のチャージまでは0.2%を上乗せできる。

なお、「Kyash」へチャージできるクレジットカードは、VISAまたはMasterCardブランドのみなので、その点は留意しておきたい。

ローソンでポイント多重取りする5つの方法

それではローソンでポイント多重取りする方法について、具体例を挙げて紹介しよう。

【共通ポイント+クレジット決済】でポイント2重取り

クレジットカードを持っているなら、まずお手軽なのが共通ポイントの「Pontaポイント」か「dポイント」と、クレジット利用ポイントの2重取りだ。

ローソンではVISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレスのタッチ決済に対応しているので、対応カードなら電子マネーなみのスムーズさで支払いできるだろう。「iD」や「QUICPay」がカードに搭載されているなら、それで支払ってもいい。

この際、手持ちのクレジットカードの中でポイント還元率が高いものを選択したい。ポイントをまとめることも考慮するなら、1%分の「dポイント」が付与される「dカード」か、1.2%分のポイントが付与され、それを「Pontaポイント」か「dポイント」に交換できる「リクルートカード」がおすすめだ。

《ポイント獲得例(16時~23時59分に利用した場合)》

クレジットカード名 「Pontaポイント」または「dポイント」の還元率 クレジット利用ポイント還元率 合計還元率
dカード 1% 1% 2%
リクルートカード 1.2% 2.2%

※各カードのホームページを元に筆者作成

【共通ポイント+スマホ決済+クレジット決済】でポイント3重取り

スマホ決済へのチャージをクレジットカードで行うことで、共通ポイント+スマホ決済利用ポイント+クレジット利用ポイントの3重取りが可能だ。

「Pontaポイント」がたまるスマホ決済には「au PAY」がある。しかし、チャージ可能なクレジットカードがある程度限られ、クレジットカードの登録にパソコンかauのスマホが必要なので、人を選ぶ感じがする。

一方、「d払い」ならクレジットカード登録のハードルがより低い。支払いにより0.5%分の「dポイント」が付与されるので、「dカード」を決済カードとした場合、1%分の「dポイント」と合わせて合計1.5%分のポイントを獲得。さらに「dポイントカード」の提示分として、最大1%分の「dポイント」を上乗せ可能だ。

《ポイント獲得例(16時~23時59分に利用した場合)》

クレジットカード名 「dポイント」の
還元率
クレジット利用
ポイント還元率
「d払い」
利用ポイント還元率
合計還元率
dカード 1% 1% 0.5% 2.5%
※dカードのホームページを元に筆者作成

なお、一部のクレジットカードでは主要コンビニの利用分が大きくポイントアップされるものがある。そうしたカードを持っている場合、スマホ決済を使わずに直接クレジット決済をした方がより多くのポイントを得られるだろう。

例えば、「三井住友カード(NL)」は、ローソンにてVISAかMasterCardのタッチ決済で支払うと5%のポイント還元を得られる。つまり、共通ポイントと合わせると最大6%分のポイント還元が可能だ。

すでにこのカードを持っているなら、スマホ決済との3重取りではなく、共通ポイント+クレジット決済の2重取りがお得になる。

【共通ポイント+スマホ決済+Kyash+クレジット決済】でポイント4重取り

クレジット決済でチャージした「Kyash」から、さらにスマホ決済にチャージ(あるいは紐付け)することで、クレジット利用ポイント+「Kyashポイント」+スマホ決済利用ポイントの3重取りが可能だ。加えて、共通ポイントで4重取りとなる。

ただし、スマホ決済にチャージ・紐付けできる「Kyash」(「Kyash Card」)の発行は有料(900円)となっている。すでにそのカードを持っている場合を除き、ポイント多重取りのためだけにそのカードを取得するのはあまりおすすめできない。

ポイント獲得例は次の通りだ。

《ポイント獲得例(16時~23時59分に利用した場合)》

クレジットカード名 「dポイント」の
還元率
クレジット利用
ポイント還元率
Kyashポイント 「d払い」
利用ポイント還元率
合計還元率
dカード 1% 1% 0.2% 0.5% 2.7%

※各カードのホームページを元に筆者作成

【共通ポイント+スマホ決済+クレジット決済+楽天チェック+楽天Pasha】でポイント最大5重取り

共通ポイント、スマホ決済利用ポイント、クレジット利用ポイントまでは3重取りと同じ構成なので、ここでは「楽天チェック」と「楽天Pasha」のみ説明する。

「楽天チェック」とは対象店舗へ行き、専用アプリのチェックインボタンを押すだけで「楽天ポイント」がもらえるサービスのこと。獲得ポイント数は店舗により異なるが、最低でも1ポイント以上は付与される。

ローソンの場合、1日に合計3回、同じ店舗では時間帯をずらすことで最大2回までポイントが付与。「チェックインくじ」を引くことでも、「楽天ポイント」を獲得可能だ。

一方、「楽天Pasha」は、全国のコンビニやスーパーなどで対象商品を購入し、購入時のレシートを撮影して送信すると各商品に設定された「楽天ポイント」が付与されるもの。対象商品は随時入れ替わる。一例を挙げると、お茶飲料や牛乳がどれでも5ポイント、サンドイッチやおにぎりがどれでも5ポイント、などである。

なお、ローソンも独自に特定商品でボーナスポイントを付与している。こちらも「楽天Pasha」と同様にチェックしておきたい。

「楽天チェック」と「楽天Pasha」の性質上、この5重取りにおけるポイント還元率は算出できないが、共通ポイント+スマホ決済+クレジット決済の3重取りよりも多くのポイントを獲得できるのは確かだ。

この5重取りを狙うのなら、スマホ決済を「楽天ペイ」にし、そこにチャージするクレジットカードを「楽天カード」にすると、共通ポイント以外のポイントを「楽天ポイント」にまとめられるので、ひとつの選択肢として考慮したい。

【共通ポイント+スマホ決済+Kyash+クレジット決済+楽天チェック+楽天Pasha】でポイント最大6重取り

上の5重取り例のクレジット決済とスマホ決済の間に「Kyash」をはさむと、最大で6重取りも可能だ。その場合、5重取りでのポイント還元率に0.2%が加算される。

ローソンをよく使うなら最低でも3重取りは狙いたい

ここでは6重取りまでのケースを紹介したが、手間や初期費用のかかるものなど簡単ではないものもある。

多重取りの考え方さえ分かっていれば、ここで紹介したクレジットカードやスマホ決済でなくても、手持ちの手段でポイント多重取りは可能だ。ポイント3重取りまでは容易なはずなので、まずはそこを目標としてみよう。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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