FX取引において、スプレッドは非常に重要なポイントである。スプレッドの広さによって取引する通貨や取引方法、見込める利益まで変わってくるからだ。ここでは、FX会社をスプレッドで選ぶ際のポイントをまとめた上で15社を比較してみよう。

目次
1,スプレッドとは?
2,スプレッドでFX会社を選ぶ際の3つのポイント
3,15社のスプレッド比較表
4,スプレッドが狭くて取引コストの安いおすすめFX会社
5,スプレッドでFX会社を選ぶ際の注意点
6,スプレッドに注目してFX会社を選ぼう

1,スプレッドとは?

スプレッドを知れば、FX取引において利益を得やすくなる。詳しく見ていこう。

スプレッドとは何のことか?

スプレッドは買値と売値の差額であり、FXトレーダーは、取引した通貨の量にスプレッドをかけた金額を取引手数料としてFX会社に支払い、それがFX会社の利益になる。

スプレッドの値が大きいことを「スプレッドが広い」、値が小さいことを「スプレッドが狭い」と表現する。取引コストの観点では、スプレッドの狭い会社がよいとされる。FX会社のトップページを見ると、スプレッドについて「業界最狭水準」などとうたっているところがある。

通貨ペアが他国通貨と日本円の場合、スプレッドの単位は「銭」になる。一方、他国通貨同士の場合はpips(ピップス)が使われる。

手数料とは何が違うのか?

FXトレーダーにとって、スプレッドは実質的な手数料といえる。ほとんどのFX会社が「取引手数料無料」としているが、実際はスプレッドがFX会社の利益になるため、FXトレーダーから手数料を取る必要がないという仕組みだ。手数料は、スプレッドに含まれていると考えればよいだろう。

なぜスプレッドが狭い会社を選ぶのがよいのか?

スプレッドが狭いFX会社を選ぶとよい理由は、FXトレーダーにとってはスプレッドが狭いほうが支払う金額が少なくなるからだ。例えばスプレッドが0.3銭の場合に1,000通貨を取引すると、1,000通貨×0.3銭(0.003円)=3円を支払うことになる。スプレッドが0.8銭なら8円だ。

1万通貨なら30円と80円で、50円の差が出る。取引する通貨が増えるほどコストも増えるので、スプレッドは狭いに越したことはないのだ。

2, スプレッドでFX会社を選ぶ際の3つのポイント

今や多くのFX会社が「業界最狭水準」をうたっているため、「どのFX会社を選んでも変わらない」と思うかもしれない。そこで、スプレッドが狭いFX会社を選ぶ際に重視したいポイントを整理していこう。

ポイント1,スプレッドが「原則固定」となっている

スプレッドはFX会社によって異なり、通貨ペアでも変わるが、確認したいのはスプレッドが「原則固定」となっているかどうかだ。スプレッドが変動するタイプだと、取引のタイミングを見極めにくい。エントリーしたい時にスプレッドが広がっていると躊躇してしまうし、反対にスプレッドが狭い時は不要なエントリーを招く恐れもある。

スプレッドが「原則固定」であれば、基本的にはFX会社のトップページに掲載されているスプレッドで取引できると考えてよい。ただしあくまでも「原則」であり、市場が大きく変動した場合はスプレッドが広がることもあるので注意してほしい。

特に経済指標が発表されたタイミングや市場がオープンする早朝、自然災害が起きた時などはスプレッドが広くなりやすい。

ポイント2,米ドル/日本円のスプレッドが0.3銭以下

さまざまな通貨ペアがあるが、取引の中心はやはり米ドル/日本円になるだろう。取引の頻度が多いなら、スプレッドは狭いに越したことはない。一般的に「スプレッドが狭い」とされるのは0.3銭以下なので、覚えておくとよいだろう。

両国とも政治・経済情勢に大きな変化が起きることは考えにくいが、それでもスプレッドが広がることはあり得る。0.3銭以下のスプレッドを提示しているFX会社を選んでおけば、市場の急変によってスプレッドが広がったとしても痛手は小さいだろう。

ポイント3,約定力が強い

スプレッドとは直接関係しないが、FX取引においては約定力の高さも非常に重要だ。FX取引の決済では、FX会社のサーバーが重いと約定のタイミングがずれてしまい、狙ったとおりの利益を得られないということが起きる。FXの用語で「スリッページが発生する」と呼ばれる状態だ。

約定力が高いとタイムラグが限りなくゼロに近づくため、狙ったとおりの利益を得やすくなる。約定力の高さを売りにしているFX会社もあるが、実際の約定力は口コミなどで知ることができる。

3,FX会社15社のスプレッドを比較!

国内のFX業者15社のスプレッドを一覧にまとめたので、FX会社を選ぶ際の参考にしてほしい。なお、数値は基本的に「通常スプレッド」である。

会社名 米ドル
/円
ユーロ
/円
ポンド
/円
豪ドル
/円
NZドル
/円
南アランド
/円
GMO
クリック証券
0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.0銭
YJFX! 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.3銭
DMM FX 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.0銭
外為 どっとコム 0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.2銭 1.0銭
ヒロセ通商 0.2銭 0.5~
1.4銭
1.0銭 0.6銭 0.8銭 0.8銭
SBI FX
トレード
0.1銭 0.28銭 0.5銭 0.38銭 0.88銭 0.78銭
外為
オンライン
0.9銭 1.9銭 3.4銭 3.2銭 3.6銭 14.9銭
FXブロード
ネット
0.2銭 0.5銭 1.0銭 0.6銭 1.3銭 16.4銭
FXプライム
byGMO
0.3銭 0.6銭 1.1銭 0.9銭 1.6銭 0.9銭
JFX 0.3銭 0.5銭 1.0銭 0.7銭 1.0銭 0.9銭
みんなのFX 0.2銭 0.4銭 0.8銭 0.6銭 1.0銭 0.9銭
LIGHT FX 0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.6銭 1.0銭 0.8銭
マネー
パートナーズ
0.3銭 0.4銭 0.7銭 0.5銭 1.2銭 0.8銭
セントラル
短資FX
0.1銭 0.4銭 0.9銭 0.4銭 0.9銭 0.9銭
LINE証券 0.2~
3.6銭
0.5~
5.4銭
1.0~
8.9銭
0.7~
5.4銭
1.2~
7.2銭
1.0~
4.5銭
※公式サイトを基に筆者作成
※外為どっとコムのスプレッドは、原則固定※例外あり
※2020年12月時点でのスプレッドを参照

4,スプレッドが狭くて取引コストの安いおすすめFX会社は?

ここからは、スプレッドが狭いFX会社を5社紹介しよう。スプレッドが狭いことを前提として、使いやすいツールなどを提供しているFX会社をピックアップした。

1,みんなのFX――総合的に低コストで取引ができる

みんなのFXは主要国通貨だけでなく、英ポンドや高金利通貨として人気の南アフリカランドも含めて、全体的にスプレッドが狭い。米ドル/日本円は0.2銭で、原則固定だ。米ドル/日本円でコツコツ稼いでもよいし、南アフリカランドのスワップポイントで稼いでもよいだろう。取り扱っている通貨ペアも27種類と豊富で、メジャー通貨からマイナー通貨まで自分の気に入った通貨ペアを選べる。原則固定のスプレッドも「市場の変化で大きく変わることはほとんどなく、安定的に取引できる」と評判。

取引手数料はもちろんのこと、入金・出金手数料やロスカット手数料、口座維持費もすべて無料なので、総合的に低コストで取引できるはずだ。最小通貨単位が1,000通貨である点も、できる限りコストを抑えて取引したい人に向いている。

2,ヒロセ通商(LION FX)――サポート体制も充実

ヒロセ通商のLION FXのスプレッドはみんなのFXと同様に狭く、原則固定だ。こちらも1,000通貨単位で取引ができるので、低コストで運用はずだ。一方で実際に利用しているユーザーからは「市場の変動によってスプレッドが大きく広がってしまう」という意見も。

ツールは「FX初心者でも使いやすい」という声が多い一方で、「細かい設定が多くて使いにくい」「上級者向け」と評する声もある。しかしツールの安定性については満足しているという声が多く、初心者からも上級者からも高い評価が得ているようだ。24時間サポートが受けられるなどサポート体制も充実しているので、ツールやFX取引について疑問点があれば、すぐに質問するとよいだろう。

3,セントラル短資FX――創業100年を超える老舗

セントラル短資FXは創業100年を超える信頼性の高さと、米ドル/日本円で0.1銭(原則固定)という狭いスプレッドが特徴だ。米ドル/日本円だけでなく全体的にスプレッドが狭いため、デイトレ、スイング、長期とさまざまなトレードスタイルで有利に取引ができる。

セントラル短資FXは、スワップポイントを狙う「スワッパー」にも人気がある。通貨ペアの種類が多い上に高金利通貨でもスプレッドが狭いため、「スワップポイントで収益を得たいが高金利通貨のスプレッドが広すぎる」と悩んでいる人にも最適。高金利通貨の中でも、特にメキシコペソ/円は0.2銭と低水準だ。

取引用のツールは、上級者でも満足のいく機能が満載の「Progressive Chart」や「Web取引システム」「Quick*チャートトレードプラス」と幅広く、初心者でも使いやすい情報ツール「みらいチャート」もある。自分のレベルに合わせてツールを選ぶとよいだろう。

4,LIGHT FX――2口座目として狙い目

初心者にも人気のあるLIGHT FXも、全体的にスプレッドが狭い。高金利通貨のスプレッドも狭いため、デイトレードや中長期トレードにも取り組みやすいだろう。狭いスプレッド以外に、LIGHT FXの特徴とされているのがスワップポイントの高さだ。スワップポイントが業界最高水準であることが広告でも示されており、スワップポイント狙いのユーザーからの評価も高いようだ。

FX会社の中では比較的歴史が浅いためか、スワップポイントやスプレッドの急な変動があったり、ツールについても改善すべき点が多かったりと、今後のアップデートに期待したい部分もある。複数の口座を持つ場合のサブ口座として利用するのも手だ。

5,SBI FXトレード――1通貨単位から取引が可能

SBI FXトレードは、スプレッドが狭いFX会社の代表である。1通貨単位から取引ができるためリスクは低く、スマホでも取引ができる手軽さもあり、これからFX取引を始める初心者にぴったりだ。

ただし早朝のスプレッドが広がりやすく、また1万通貨単位からのスプレッドも広くなりやすい。サポートには担当者とチャットがあるが、サポートに対する評価はあまり高くない点には注意したい。

5,スプレッドでFX会社を選ぶ際の注意点

スプレッドの狭さを基準としてFX会社を選ぶ際に、注意しておきたいポイントを3つにまとめた。FX会社を選ぶ際の参考にしてほしい。

注意点1,原則固定でもスプレッドが広がることがある

近年はスプレッドを原則固定とするFX会社が増えているが、あくまでも「原則」であることを押さえておこう。自然災害など予測不能なものから、市場のオープンタイミングなど予測可能なものまで、スプレッドが広がる要因はさまざまだ。

またスプレッドが狭いのは一定期間のみ、というケースもある。FX会社によっては、キャンペーン期間を設けてその期間のみ狭いスプレッドを適用することがあるのだ。スプレッドが狭い期間に取引をするのはよいが、通常のスプレッドに戻っても利益を出せるようにしたい。キャンペーンで一時的にスプレッドが狭くなっている場合は、通常のスプレッドも確認しておこう。

注意点2,複数の通貨のスプレッドを確認する

0.2銭といった狭いスプレッドが提示されているのは、主に米ドル/日本円などのメジャー通貨ペアだ。メジャー通貨ペアで取引している時はよいのだが、「次はスワップポイントを狙ってみよう」となれば主に高金利通貨を取引することになる。しかしメジャー通貨ペアのスプレッドは狭くても、その他の通貨ペアのスプレッドはあまり狭くないというFX会社もあるので注意してほしい。

複数の通貨ペアを取引することは、リスクヘッジにつながる。複数の通貨ペアを取引すれば片方で損をしても、もう一方でカバーできる可能性があるからだ。複数の通貨ペアを同時に取引するなら、それぞれのスプレッドが狭いほうが運用コストを抑えられる。将来複数の通貨ペアを取引する可能性も考慮して、米ドル/日本円以外の通貨ペアのスプレッドも確認しよう。

注意点3,ツールや情報提供量などもチェックをする

スプレッドが狭くても、ツールを使いこなせなかったり、FX会社が提供する情報が少なかったりすると、なかなか利益を得られないだろう。実際にFX会社を利用した人の口コミにも「ツールが使いにくくてストレスがたまる」という声や、サポートに対する不満の声がある。デモトレードができるFX会社もあるので、実際に試して自分に合っているかどうかを確認してから選ぶとよいだろう。

6,スプレッドに注目してFX会社を選ぼう

スプレッドに注目してFX会社を選ぶ際のポイントや注意点を紹介し、15社のスプレッドを比較した。スプレッドは狭いに越したことはないが、FX会社を選ぶ際は他のメリットやデメリットも確認して、自分が納得できる取引ができるところを選んでほしい。

 

近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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