米国株(アメリカ株)の連続増配ランキングTOP10 上位10社は連続増配50年以上!コカ・コーラ、ジョンソン&ジョンソンなど

2019.11.28
INVESTMENT
(写真=Sean Pavone/Shutterstock.com)
(写真=Sean Pavone/Shutterstock.com)
米国株の魅力の一つは配当だ。増配を何十年も継続している企業も少なくないため、配当目的で株式を長期保有する投資家も多いようだ。今回は、連続増配を続ける米国企業にスポットライトを当てる。

目次
1,米国株に連続増配銘柄が多い2つの理由
2,米国株の連続増配銘柄ランキングTOP10
3,アメリカの連続増配企業に投資するメリットとデメリット
4,長期の資産形成に適した連続増配銘柄

1,米国株に連続増配銘柄が多い2つの理由――持続的に成長する連続増配企業とは?

米国には、連続増配を50年、60年と続けている超優良企業がある。これほど長期間にわたって増配できる理由は、配当の原資である利益が持続的に増加しているからであり、つまり「企業が継続的に成長している」ことの証と言える。

米国株に連続増配銘柄が多いのは、アメリカには時代の変化や消費者のニーズに敏感に反応し、何十年もの間利益を出し続けられる経営能力を持つ超優良企業が多いからだ。

理由1,投資家の配当に対する関心と、企業の株主還元意識の高さ

アメリカでは、近年は従業員重視が叫ばれるようになったが、それまでは多くの企業が「株主第一主義」を掲げていた。1997年以降、米国の主要企業経営者団体である「ビジネス・ラウンドテーブル」が、「企業は主に株主のために存在する」という企業統治原則を公表していたのは、その典型だろう。

このような米国流資本主義経済のもと、投資家の配当重視の姿勢や企業の高い株主還元意識あったことも、連続増配企業が増える要因の一つに挙げられる。

理由2,長期投資を方針とする投資家へのアピールも

米国市場における連続増配銘柄の多さは、アメリカに長期投資を好む投資家が多いことの証明でもある。

連続増配銘柄は、長期運用を方針とする投資家にとっては最適な投資先だ。株式を長く保有すればするほど配当が増えていくので、企業が少々の株価の下落や業績悪化に見舞われても、投資家は株式を簡単に売却せず、安定的な株主となる。

企業にとってもメリットがある。自社の株式を長期保有してくれる投資家を増やすことは、安定的な経営基盤のために不可欠だからだ。

連続増配は、投資家と企業の双方にメリットのある長期保有株主をつなぎとめるだけでなく、新たな長期保有株主を獲得するためのアピールでもあるのだ。

2,米国株の連続増配銘柄ランキングTOP10 上位5社は60年以上増配!

実際に、どのような米国企業が連続増配銘柄ランキングの上位に名を連ねているかを見てみよう。

2019年10月31日現在、米国には連続増配を続ける企業が137社もある。以下に、連続増配年数第10位までの12銘柄をリストアップする。
 
順位 ティッカー 会社名 連続増配
年数
年間配当
(米ドル)
配当利回り
(%)
株価(ドル)
(2019/11/15)
1 AWR アメリカン・
ステイツ・ウォーター
65 1.22 1.45 84.04
2 DOV ドーバー 64 1.96 1.79 109.47
3 NWN ノースウェスト・
ナチュラル・ガス
64 1.91 2.92 65.39
4 GPC ジェニュイン・
パーツ
63 3.05 2.91 104.83
5 PG プロクター・
アンド・ギャンブル
63 2.98 2.41 120.54
6 PH パーカー・ハニフィン 63 3.52 1.79 196.65
7 EMR エマーソン・
エレクトリック
62 1.96 2.67 73.53
8 MMM スリーエム 61 5.76 3.35 171.88
9 CINF シンシナティ・
フィナンシャル
59 2.24 2.09 107.10
10 JNJ ジョンソン・
エンド・ジョンソン
57 3.80 2.82 134.94
10 KO コカ・コーラ 57 1.60 3.04 52.67
10 LOW ロウズ・
カンパニーズ
57 2.20 1.90 115.52
※現地時間2019年11月15日の終値で配当利回りを算出し、ランキング表を作成した
※連続増配第10位までの企業は、いずれも年4回配当を実施している

アメリカで半世紀以上連続増配を継続している企業の中には、プロクター・アンド・ギャンブルやスリーエム、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コカ・コーラのように日本でも有名な企業もある。トップ10入りした企業を簡単に紹介していこう。

・第1位 アメリカン・ステイツ・ウォーター
カリフォルニア州の水道関連の公益事業会社。州内の10郡で給水業務、配電業務、契約業務の3つの事業セグメントを運営している。時価総額は3,095.97百万米ドル(1米ドル/円=108円として、約3,343億円相当)、NYSE上場。

・第2位 ドーバー
エンジニアリングシステム、流体および冷凍・食品などの産業機器やコンポーネント、特殊システムの製造と、デジタルソリューションとサポートサービスを多角的に提供するメーカー。消費財やデジタル繊維印刷、環境ソリューションなどの工業用エンドマーケットに強み。NYSE上場、時価総額は15,902.31百万米ドル(同条件で約1兆7,172億円相当)

・第3位 ノースウェスト・ナチュラル・ガス
オレゴン州とワシントン州南西部で、天然ガス事業を展開する公益企業。個人住宅や商業・工業施設向けの天然ガスの配給・販売を中心に、天然ガスの地下貯蔵施設の保有、天然ガスパイプラインプロジェクト事業、天然ガス小売店運営なども行っている。NYSE上場、時価総額1,990.18百万米ドル(約2,149億円相当)

・第4位 ジェニュイン・パーツ
自動車交換部品、工業用交換部品、オフィス用品、電気・電子材料の販売・流通サービスを4つの事業を通じて展開している。自動車交換部品は、すべてのメーカーとモデル別に供給されている。NYSE上場、時価総額15,231.08百万米ドル(約1兆6,449億円相当)

・第5位 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
世界中の国と地域で、「Pantene」、「Febreze」、「Bounty」、「Charmin」をはじめとするさまざまなブランドの一般消費財を供給している。量販店やデパート、ディストリビューター、ベビーショップ、専門美容院、電子商取引、薬局などを通じて販売する。NYSE上場。時価総額は300,604.10百万米ドル、日本円にして約32兆4,652億円の超巨大企業。

・第6位 パーカー・ハニフィン
モバイル、産業、航空宇宙市場向けの高度で精密なソリューションを提供する、モーション、制御技術、システムの老舗メーカー。建設・産業機器や軍用車両向け部品を製造する建設多角化産業部門と、商用や軍用、一般航空機向け部品を製造する航空宇宙システム部門の2事業を展開する。NYSE上場、時価総額25,262.59百万米ドル(約2兆7,283億円相当)

・第7位 エマーソン・エレクトリック
産業、商業、消費者向けに、技術とエンジニアリングを組み合わせたソリューションを提供する多様化グローバル企業。プロセス管理、産業オートメーション、気候技術、商業および住宅ソリューションからなる、4つのセグメントで事業を展開する。専門的なオペレーションを使った生産業務のほか、自動化産業プロセス用の測定、制御、診断技術も提供する。NYSE上場、時価総額45,228.41百万米ドル(約4兆8,846億円相当)

・第8位 スリーエム(3M)
5つの事業区分を持つ。工業事業は自動車の製造業者とアフターマーケット、紙と印刷、建設など、多くの市場にサービスを提供する。その他に安全とグラフィックス事業、ヘルスケア事業、消費者事業も展開する産業コングロマリット。NYSE上場、時価総額98,839.70百万米ドル(約10兆6,746億円相当)

・第9位 シンシナティ・フィナンシャル
商業ライン財産損害保険、個人ライン損害保険、標準的な保障が難しい特殊なビジネスリスクをカバーするエクセス・サープラス・ライン財産損害保険、ユニバーサル生命保険などの生命保険および投資において、5つのセグメントで事業を展開する。NASDAQ上場、17,497.36百万米ドル(約1兆8,971億円)

・第10位 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
ベビー・ケア、口腔ケア、スキン・ケアなどの消費者事業と、免疫学や感染症などの5つの治療分野を含む医薬品事業、外科手術や視力ケア分野などで使用する医療デバイス事業の3事業において、各種製品の研究・開発・製造・販売を行っている。米国やベルギー、ブラジルなど14ヵ国に研究施設を持つ。NYSE上場。時価総額は355,144.90百万米ドル、日本円に換算して約38兆3,556億円相当であり、P&Gを上回る規模を誇る。

・第10位 コカ・コーラ
炭酸飲料を中心に、水、ジュースと果汁飲料、インスタント茶とコーヒー、スポーツ飲料、エネルギー飲料などを世界中で提供。「Coca-Cola」、「Diet Coke」、「Fanta」、「Sprite」などの非アルコール性飲料ブランドを所有し、ライセンス供与・マーケティング展開を行っている。NYSE上場で時価総額は225,664.20百万米ドル、日本円にして約24兆3,717億円相当。P&G、J&Jと並ぶ世界規模の超巨大企業。

・第10位 ロウズ・カンパニーズ
米国、カナダ、メキシコを拠点として、小売り、ホームセンター、サービス事業を展開。住宅改善のための木材や建材、ツール、ハードウェア、芝生や庭整備用品、フローリング材、塗料などのDIY製品や、家電製品、ファッション備品などを提供している。NYSE上場、時価総額89,158.18百万米ドル(約9兆6,290億円相当)

3,アメリカの連続増配企業に投資するメリットとデメリット

年々配当金が増額されるというのは、投資家にとってはうれしいことだ。しかし、連続増配企業に投資するデメリットも存在する。メリットとデメリットを簡単に紹介しよう。

メリット――米国株連続増配銘柄の長期保有で配当金生活も

最大のメリットは長期運用を前提に、将来はまとまった額の配当金収入が得られるようになる可能性があることだ。配当金が貯まったら、それを原資にして株価が安い時に同じ銘柄を買い増していくこともできる。リスク分散のために、複数の連続増配銘柄に分散投資するのもいいだろう。

半世紀近く連続増配を続ける企業は、業績や財務状態も安定している場合が多いので、以下のようなメリットも挙げられるだろう。
  • 倒産リスクをあまり心配しなくてもいいこと
  • 将来の配当金収入が目的なので、日々の株価変動や評価額を気にする必要がないこと
  • 連続増配銘柄であることを理由に、株価の下支えが起きやすいこと

デメリット――株価高騰は期待できない、短期で結果を出したい人には不向き

連続増配銘柄の多くは企業としての歴史が長く、景気に左右されにくい一般消費財や重厚長大企業が多いため、株価も比較的安定している。そのため、短期間で企業が劇的に成長する、または株価が高騰することを期待できない。売却したとしても、キャピタルゲインがインカムゲインを下回る可能性もある。短期投資で大きな利益を上げたい人には、不向きと言えるだろう。

相場環境や業績による株価の上昇や下落を見て連続増配銘柄を売却してしまうと、それ以降の増配メリットを受けられなくなるので注意したい。

4,長期の資産形成が目的なら米国株の連続増配銘柄は賢い選択

連続増配銘柄は年々配当が増額されるので、長く保有するほど投資効果が出やすい。

どの企業も生活に欠かせない事業を展開しており、事業規模も大きく経営基盤も安定した優良企業ばかりだ。自分の好みに合う銘柄を選んで購入したら、値動きに振り回されることなく、ずっと保有し続けることが大切だ。

配当金収入を効果的に増やすためには、1銘柄だけでなく複数の連続増配銘柄でポートフォリオを組んで、安値の時に適宜買い増していくことも覚えておきたい。

文・近藤真理(フリーライター)
 

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