株式投資の初心者がしてはいけない4つのこと 銘柄選びでチェックすべき指標は?

2019.12.24
INVESTMENT
(写真=Gorodenkoff/Shutterstock.com)
(写真=Gorodenkoff/Shutterstock.com)
株式投資の初心者にとって、初めての銘柄選びは最初の難関だ。とはいえ、何となく銘柄を選んでしまっては利益を得るチャンスを逃しかねない。今回は、今後の投資にも役立つ銘柄選びの重要ポイントや投資初心者がしてはいけないミスを紹介する。

株式投資の3つの魅力 売却益、株主優待、配当金

株式投資には「売却益が得られる」「株主優待がもらえる」、そして「配当金がもらえる」という銀行の定期預金とはまったく異なる3つの特徴がある。こうした特徴こそ、株式投資の魅力でもある。

1. 売却益が得られる

保有する株式を買ったときより高く売却できると、売却代金から購入代金を差し引いた差額が利益として手元に残る。この利益は「売却益」または「キャピタルゲイン」「譲渡益」と呼ばれている。

簡単な例(取引手数料や税金を考慮しない)を挙げると、株価1,000円で100株購入すると購入代金は10万円。株価1,100円で保有する株すべてを売却すると売却代金は11万円。したがって、売却益は、「11万円-10万円=1万円」になる。

2. 株主優待がもらえる

株主優待制度とは、株式を保有する株主に対して、株式会社が保有株数や保有年数に応じて、自社製品や割引券、特産品などを中間または決算期末に贈呈する制度のこと。株式を保有している株主への感謝や自社製品のプロモーションの意味をもつ。

株主優待は任意の制度であるが、国内上場会社4,115社のうち、株主優待制度を設けているのは1,522社、およそ37%の企業がこの制度を導入している。(※2019年11月22日時点)

3. 配当金がもらえる

配当とは、株式会社が事業で得た利益の一部を「配当金」として株主に還元することだ。配当金は中間期末、もしくは決算期末に株式を保有する株主に対して、保有する株式数に応じて配分される。

配当金は利益を源泉として分配されるので、毎年同額の配当金が支払われるわけではない。利益が多く出た年には配当金が増額されたり、会社の設立記念の年などは、特別配当や記念配当が上乗せされたりすることもある。また、赤字決算の年は配当金が支払われない、または配当金が減額されることもある。

株式投資で何を重視する?目的別の3つの投資タイプ

株式投資の初心者は、最初に「何を目的に株式投資をするのか」を見定めることが重要だ。具体的には先に上げた、「売却益」「株主優待」「配当利回り」のうち、どれを重視するかをあらかじめ決めておきたい。

1. 大きな利益を狙える「売却益」重視タイプ

株式投資の利益で一般的にイメージするのはこの利益だろう。売却益は、相場環境が良ければ大きな利益を得られるが、多大な損失を被るリスクもある。

売却益を狙う株式投資では、企業の本質的価値を判断するファンダメンタル分析やさまざまな投資情報の収集など、あらゆる角度から投資判断を下す必要がある。

2. 楽しみが増える「株主優待」重視タイプ

企業によって株主優待の種類はさまざまで、毎年自社商品や優待券などが届くのを楽しみにしている投資家も多い。

各証券会社のサイトで、投資金額や業種、優待権利確定月などの条件で株主優待銘柄を検索できる。「〇月の株主優待銘柄」などで詳しく紹介しているサイトもあるのでチェックしてみよう。

3. 手堅くリターンを得る「配当利回り」重視タイプ

配当利回りは、「1株当たり予想年間配当金÷株価」で算出される。配当金は定期的に支払われるので、投資期間が中長期の場合や、銀行預金の代わりに低いリスクで手堅くリターンを得たいと考える投資家に適している。

各証券会社サイトの「配当利回りランキング」や「スクリーニング」機能を使って、希望する配当利回りに近い銘柄を絞り込める。

初心者が株式投資でしてはいけない4つのこと

銘柄選びをする際に、初心者が忘れてならないのは、株式投資に対する基本姿勢だ。株式投資による損失を最小限に抑える目的で、銘柄選びの段階以降「してはいけないこと」がいくつも存在する。

1. 多くの資金を一つの銘柄に投資する

リスクが伴う株式投資では、リスク分散は基本だ。一つの業界、一つの銘柄だけに資産を集中させず、投資先や時間などを分散させて投資したい。

株式の分散投資三大原則は「資産の分散」「地域の分散」、そして「時間の分散」である。裏を返せば、この三大原則に則らない一つの銘柄や業界などへの集中投資は、ハイリスクなので最もしてはいけないことなのだ。

例えば、株式投資に回せる資金が120万円あるとする。以下の集中投資(1)、分散投資(2)の2パターンで、投資リスクの違いを確認しておこう。

(1)手持ち資金120万円全額を使って、A社の株を株価1,200円で1,000株購入する。

(2)手持ち資金120万円を使って以下の4銘柄を購入する。
  • A社:株価1,200円×200株=24万円
  • B社:株価900円×400株=36万円
  • C社:株価600円×500株=30万円
  • D社:株価500円×600株=30万円
ところが(1)、(2)のパターンで半年後に株式相場が暴落し、株価が以下のようになったとする。
  • A社:株価1,200円→1,000円
  • B社:株価900円→850円
  • C社:株価600円→600円
  • D社:株価500円→550円
この場合、(1)、(2)の資産価値はどのように変わるだろうか。

(1)半年後の資産価値は1,000円×1,000株=100万円となり、20万円もの評価損が発生する。

(2)半年後の資産価値は、合計117万円、3万円の評価損が発生する。
  • A社:株価1,000円×200株=20万円
  • B社:株価850円×400株=34万円
  • C社:株価600円×500株=30万円
  • D社:株価550円×600株=33万円
20万円+34万円+30万円+33万円=117万円

株式相場が暴落した半年後の資産価値を見るとわかるように、集中投資(1)と分散投資(2)では評価損に17万円もの開きが出てしまう。株価下落の影響は、分散投資より集中投資のほうがはるかに大きくなってしまうのだ。

2. 株価が下がっていても上がると見込み保有し続ける

株価が上昇すると見込んで買ったものの、下落してしまう場合もあるだろう。初心者の場合、再度株価が上昇すると期待し長期間保有し続けてしまうかもしれない。しかし、回復の兆しが見えなければ、損失拡大を防ぐために思い切って売却する覚悟も必要だ。

事前に、「〇%下落したら損切りする」と決めておく、または「◯円以下の価格になったら売却する」という逆指値注文をうまく活用して、潔く撤退するようにしよう。

3. さまざまな手法に手を出さない

初心者のうちは、良いといわれる投資手法を次から次へと試しがちだ。これではそれぞれの投資手法の本来の良さが発揮されず、損失が続いてしまう場合もある。

例えば、株式投資の初心者に比較的適しているといわれる金額指定による株式またはETFの「定期買付サービス」。ドルコスト平均法と時間の分散効果で投資リスクを軽減させる投資手法である。

定期買付は長期的に株価が上がっていくことを前提とした投資手法のため、数ヵ月では利益が出ない可能性がある。利益が出ないからといって、すぐに次の投資手法に乗り換えてしまっては損をすることもあるだろう。

4. 証券会社を比較せずに決めてしまう

株式売買は、取引所で行われるため売買価格は一律だ。しかし、取引手数料などは証券会社によって違いがある。複数の証券会社を比較して、最も良い条件の証券会社で取引する余裕を持ちたい。

例えば、低コストを証券会社選びの最優先事項に位置付けているならば、少なくともネット証券間で取引手数料を比較すべきだ。

株式投資一番の目的がIPOである場合は、各証券会社のIPO取扱銘柄数や抽選方法、抽選時の前受金の要不要など、各社のIPO取扱状況と自分の資金事情を照らし合わせてみよう。

将来的に投資信託や債券などの商品に投資する可能性があるかどうかによっても、選ぶ基準が変わってくる。

実際に、総合証券最大手の野村證券(オンライン専用口座「野村ネット&コール」)と、ネット証券最大手のSBI証券、2018年4月から株式取引に参入したネット証券のDMM.com証券 株の3社について、取引手数料などを比較してみよう。証券会社ごとにさまざまな違いがあるのがわかるだろう。

<証券会社3社 手数料等比較一覧(2019年12月23日現在)>
  現物株式取引手数料
(税込)
2018年IPO取扱銘柄数 ※1 IPO前受金 国内投信取扱銘柄数 つみたてNISA取扱投信銘柄数 米国株  取引手数料(税込)※2 単位未満株取引
約定代金 10万円以下 20万円以下 30万円以下 50万円以下
野村證券 152円 330円 524円 38件 不要 594件 6件 最大1.045%
※3
SBI証券※5 0円 0円 0円 90件 必要 2,654件 153件 0.495%(0~20米ドル)
DMM.com証券 株 55円~88円 106円 198円 16件 ※4 不要 × × 0.495%
(0~20米ドル)
×
※1.2018年4月~2019年3月の期間
※2.現地約定代金に対する取引手数料の料率
※3.約定代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込)
※4.2019年2月よりIPO取扱開始
※5.SBI証券の手数料は一日の約定代金合計で手数料が決まる「アクティブプラン」の場合
※各証券会社の公式サイトを元に筆者作成

株式投資の初心者が銘柄の買いどきを見極めるための3つの代表的な指標

株を買う前に注意しておきたいことについて解説したが、実際に株の銘柄を選ぶ際は何を判断基準にすべきなのだろうか。ここでは初心者でもわかりやすい買いどきを見極めるための3つの指標を紹介する。

PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)

企業の利益水準(EPS:1株当たり純利益)に対して、株価が割高か割安かを判断する指標。「株価÷1株当たり純利益」で求められ、株価が下がったり、純利益が増えたりすると下がる。

上場企業の単純平均PERは17.1倍、加重平均PERは15.4倍である(2019年10月末時点)。このような直近の市場平均値を上回れば割高、下回れば割安と見なすことができるが、同業種の企業や経営内容が似ている企業とも比較するようにしよう。

PBR(Price Book-value Ratio:株価純資産倍率)

企業の資産価値(BPS:1株当たりの純資産)に対して、株価が割高か割安かを判断する指標。「株価÷1株当たりの純資産」で求められ、株価が下落するか、純資産が増えれば下がる。

上場企業の単純および加重平均PBRは1.2倍である(2019年10月末時点)。これを上回れば割高、下回れば割安と見なすことができるが、PER同様に、PBRも同業種の企業や経営内容が似ている企業と比較して判断しよう。

ROE(Return On Equity:自己資本利益率)

株主の投下資本(前期と当期の平均自己資本)に対して、どのくらい利益を生み出しているかを示す指標。「当期純利益÷自己資本×100(%)」で求められる。配当能力を計る目安にもなることから、投資判断の材料として重要だ。

上場企業の平均ROEは8.29%(2019年3月期)なので、10%以上なら収益性が高く、投資価値があると考えられる。ただし、数年にわたって高い水準でROEを維持できているか、財務レバレッジ(自己資本に対する債務などの負債の割合)が高くなっていないかなど、多面的に確認する必要がある。

初心者でも少額で始められる株式投資サービス3選

株式投資を始めたばかりの頃は、資金が不足している、あるいは投資知識が不十分である場合も少なくないだろう。そのような初心者にとって、本格的な株式投資の予行練習にもなるのが、少額で株式投資できるサービスだ。

以下に紹介する低額取引サービスを利用することで、値動きを体感しながら株式投資のノウハウを段階的に学んで、本格的な株式投資に備えてはどうだろうか。

単元未満株取引サービス――1株でも株主になれる証券会社独自のサービス

通常、株式は単元株である100株単位で取引が行われる。しかし、一部証券会社では、単元未満株、つまり1株以上100株未満、1株単位でも個別銘柄を売買できるサービスが提供されている。

・メリット……少額の資金で有名企業の株主になれる
値がさ株と呼ばれる個別銘柄はたいてい知名度も高いが株価も高額だ。値がさ株の筆頭であるファーストリテイリング <9983> の株価は、2019年11月26日終値で6万6,830円であり、単元株で購入するには668万3,000円もの資金が必要になる。

しかし、単元未満株取引サービスを利用すれば、6万6,830円に取引手数料と消費税を上乗せした金額を用意できれば、ファーストリテイリングの株を1株購入できる。

実質株主扱いとなり、株主権(主に自益権)も得られる。保有株数に応じた配当を受け取ることができる上に、換金できる株主優待は換金して分配される。少しずつ買い増して、単元株主になることもできる。もちろん売却も自由なので、株価が上昇したら売却して、値上がり益を手にすることも可能だ。

・デメリット……株主としての権利が限定的
単元未満株主には、単元株主に認められている株主総会での議決権をはじめ、会社の経営に参加できる共益権が与えられない。

株主優待制度が設けられている銘柄でも、換金できない株主優待内容であると恩恵を受けられないのもデメリットに数えられる。

単元未満株取引では、証券会社ごとに取引のタイミングが決められているため、単元株のようにリアルタイムで取引ができないことや、指値注文できない点も覚えておきたい。

・サービスを利用できるネット証券会社……SBI証券、マネックス証券など
初心者にとって手数料が安くて身近なインターネット専業証券会社の中でも、単元未満株取引サービスを提供している証券会社は、SBI証券「S株」、マネックス証券「ワン株」、auカブコム証券「プチ株」の3社のみ。

いずれも、取引手数料は約定代金の0.550%(税込)(※2019年12月1日時点)である。

One Tap BUY――スマホ専用証券会社の低額取引サービス

「One Tap BUY」とはスマートフォン専用証券会社の名前であり、サービス名でもある。株式を単元株単位ではなく、1,000円以上の金額単位で取引できる。

・メリット……初心者でも取引しやすいスマートフォンを使った取引
初心者向けのスマートフォンを使った取引を前提としたサービスなので、とにかく手軽で便利。低額取引が基本なので、投資初心者の株式投資に対する心理的障壁が低くなる。

米国株も同様に1,000円から金額指定で取引できるので、為替レートなどをあまり気にする必要がなくて気軽に取引できるのも大きなメリットだ。

 One Tap BUYで取り扱う銘柄は、日本株、米国株ともに経営基盤が安定した優良企業だけ。そのため銘柄選びに困ったり、企業の業績や財務分析に時間をかけたりしなくて良い。

・デメリット……どのような上場銘柄でも購入できるわけではない、手数料もやや高め
取扱銘柄は優良な大型株ばかりで厳選されているので、中小型株や新興株に興味があっても購入できないのが難点だ。

立会時間中の取引手数料が日本株で基準価格の0.5%、米国株で基準価格の0.7%に設定されており、一般的なネット証券会社の取引手数料に比べると若干高めである。例えば、SBI証券での日本株取引手数料は約定代金の約0.1%、米国株取引手数料は0.45%だ。そのため、取引を頻繁に繰り返すと手数料がかさむので注意が必要になる。

ネオモバ――株式投資の資金はTポイントでも現金でも

「ネオモバ」とは、SBIグループの少額取引専門ネット証券会社「SBIネオモバイル証券」が提供するサービスのこと。株式投資に回す十分な資金がなくても、手持ちのTポイント1ポイント=1円相当で投資に充当できる。また、現金での株式購入もできる。

購入単位は1株(S株:単元未満株)単位。有名企業の株式も数百円から購入できる。

・メリット:Tポイント投資だから気楽
ネオモバ最大のメリットは、現金ではなく、貯まったTポイント使って投資できるため、気楽に株式投資できることだ。

SBI証券で初心者に人気の銘柄や、東証一部の時価総額上位銘柄の中から500円以下、1,000円以下、3,000円以下の区分で銘柄を選択できるので、手持ちのTポイントや資金に合わせた銘柄選びがしやすい。

取引ごとの手数料体系ではなく、月額約定代金ごとの定額サービス利用料制なので、手数料を気にしなくて良い。

・デメリット:あまり取引しない人には割高な手数料、取扱商品の少なさ
ネオモバでは、1株単位の売買が主体で取引頻度も少ない人、あるいはまったく利用しない月がある人に対しても、所定の利用料が月々必ず発生してしまう。とりあえず、口座を開設してみただけというユーザーにとっては、コストパフォーマンスが悪いサービスといえる。

取扱商品は、国内の現物株式やETF、REIT、WealthNavi for ネオモバだけに限られているので、初心者であれば十分なラインアップだ。だが、中級者レベルになると物足りなく感じることもあるだろう。

株式投資の初心者は事前にポイントを調べて投資しよう

株式投資は専門用語やルール、投資方法が多く存在し、初心者にとっては煩わしく感じられるかもしれない。だが、最初にポイントを押さえて株式投資に取り組めば、効率良く楽しんで投資ができるだろう。まずは直感に頼るのではなく、投資情報と基本姿勢に則って適切な判断を下すことを信条としてほしい。

文・近藤真理(フリーライター)

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