「Orico Card THE WORLD」は海外利用でポイント還元率最高3%、ネットショップでも通常2%還元となる高還元率クレジットカード。加えてハワイなどの空港ラウンジ無料利用や、旅行関係の付帯保険も用意されている。ポイントサービスをはじめ、このクレジットカードのメリットを紹介してこう。

目次
1,カードの基本スペックと審査基準
2,ポイントサービス、還元率
3,ポイント還元率・付与数をアップする3つの方法
4,「Orico Card THE WORLD」の4つのメリット
5,「Orico Card THE WORLD」の2つのデメリット
6,「Orico Card THE WORLD」がおすすめなのはどんな人?

1,Orico Card THE WORLDの基本スペックと審査基準――海外、空の旅でお得なカード

「Orico Card THE WORLD」は海外でポイントが貯まりやすく、空港ラウンジサービスをはじめトラベル関係を中心に各種優待が充実したカードだ。還元率やメリットを見ていく前に、まずは基本スペックから見ていこう。

「Orico Card THE WORLD」の基本スペック……iD、QUICPayをダブル搭載

国際ブランド Mastercard
年会費 9,982円(税込)
※初年度無料
家族会員無料
ポイントサービス オリコポイント
通常ポイント還元率 1%
※海外利用分は2%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
Tポイント
JALマイル
ANAマイル など
空港ラウンジサービス 国内主要32空港+
韓国・仁川+
ハワイ・ホノルル
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
海外航空機遅延保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
国内航空機遅延保険(利用付帯)
ショッピング保険(利用付帯)
追加カード ETCカード
家族カード
電子マネー iD(カード搭載)
QUICPay(カード搭載)

特徴的なのは、家族カードとETCカードが年会費無料であること。家族カードは3枚まで発行でき、家族カードとETCカードの利用分にもポイントが付与される。

また、カードには後払い式電子マネー「iD」と「QUICPay」の機能が備わっている。Apple Payにも対応しているので、カードを持ち歩かなくてもコンビニなどの日常的な少額決済の場面で便利に使える。利用分は、ポイント付与の対象だ。

審査基準・審査難易度……目安は年収400万円以上

申し込み資格として、「原則として年齢20歳以上、安定した収入がある方」とある。このことから、アルバイト・パートでは審査通過が難しいと考えられる。

口コミ情報によると、年収については400万円以上が目安になるようだ。ただし、このカードに限ったことではないが、十分な年収があっても過去にクレジットカードやカードローン、携帯電話端末の分割払いなどで延滞があると、審査通過は難しい。

ステータス性……オリコ発行のカードの中では高め

「Orico Card THE WORLD」はいわゆるゴールドランクのカードであり、オリコカード発行のクレジットカードでは年会費が高いほうだ。参考までに、同系統の一般カードにあたる「Orico Card THE POINT」とのスペック比較表を紹介しておこう。
 

Orico Card THE WORLD Orico Card THE POINT
年会費 9,982円(税込)
*初年度無料
無料
通常ポイント還元率 1%
※海外利用分は2%
1%
オリコモール
特別加算
0.5% 0.5%
空港ラウンジ
サービス
国内主要32空港+韓国・
仁川+ハワイ・ホノルル
海外用携帯電話
優待価格
通常の通信料金
より10%オフ
WiFiレンタル
優待価格
基本料金50%オフ
通話料金10%オフ
海外用WiFiレンタル
が5%オフ
空港クローク
優待価格
通常料金より15%オフ
空港宅配
サービス優待
海外旅行への出発時
自宅→空港間で手荷物1個無料
2個目以降10%オフ
出発時と到着時
それぞれで成田空港は
10%オフ/関西空港は100円引
付帯保険 最高5,000万円の海外・
旅行傷害保険(自動付帯)
最高10万円の海外航空機
遅延保険(自動付帯)
最高5,000万円の国内旅行
傷害保険(利用付帯)
最高10万円の国内航空機
遅延保険(利用付帯)
最高300万円の
ショッピング保険
(利用付帯)

海外旅行の際の特典・サービスや付帯保険の補償金額も、ゴールドグレードにふさわしい内容と言えるだろう。

2,「Orico Card THE WORLD」のポイントサービス、還元率――国内1%、海外2%の高還元率カード

次に、クレジットカードを選ぶ上で判断のポイントになる還元率や、ポイントサービスを紹介していこう。

貯まるポイントと還元率……通常1%でオリコポイントが貯まる

貯まるポイントは「オリコポイント」で、クレジット利用100円ごとに1ポイント(1円相当)が付与される。ポイント還元率は1%で、有効期限は獲得月を含めて12ヵ月後の月末までだ。

ポイントの交換対象……多彩な他社ポイント、マイル、ギフト券に

ポイントは、500ポイントから各種オンラインギフト券、他社ポイント、航空マイルなどに交換・移行できる。移行・交換の対象は、以下のとおり(一部抜粋)。

「オリコポイント」の交換対象

ポイント移行・交換対象 交換対象単位 必要ポイント数
ANAマイレージクラブ 600マイル 1,000P
JALマイレージバンク 500マイル
Tポイント 1,000P
楽天ポイント
dポイント
Pontaポイント
WALLET ポイント
WAONポイント
Google Play
ギフトコード
1,000円分
nanacoギフト
Amazonギフト券 500円分 500P
iTunesギフトコード
UCギフトカード 5,000円分 5,500P

3,ポイント還元率・付与数をアップする3つの方法……海外利用とネットショッピングで高還元を狙える

「Orico Card THE WORLD」は、海外での利用で還元率が2倍になるのが特徴だ。入会特典と合わせると、3%という超高還元率を実現することもできる。

・方法1,海外での利用で2%還元に

海外利用分のポイント還元率は2%。海外旅行の際は、他のカードではなく「Orico Card THE WORLD」を中心に利用したい。

・方法2,入会後6ヵ月間は通常還元率が2%に

入会後6ヵ月間は基本のポイント還元率が通常の2倍の2%になるので、高額な買い物はなるべくこの期間に集約したい。なお、この期間の海外利用分は3%還元となる。

・方法3,「オリコモール」経由でネットショッピングがお得に!

ネットショッピングの際にポイントサイト「オリコモール」を経由すると、通常のクレジット利用ポイントのほか、

  • オリコモール特別加算として0.5%分
  • ショップごとに設定されたポイントアップ

    が加算される。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでは0.5%のポイントアップなので、合計で2%になる。

    他社カードでもこのようなポイントサイトが提供されているが、「オリコモール」で「Orico Card THE WORLD」を利用するほうがお得になるケースが多い。

4,「Orico Card THE WORLD」の4つのメリット――空港サービス、トラベル優待が充実

このクレジットカードは「The World」と名付けられているとおり、ポイント還元率だけでなく旅行の際に役に立つサービスも数多く付帯している。

メリット1,空港ラウンジサービスを含む各種空港サービスが付帯……国内主要空港を網羅

国内主要32空港と海外空港(韓国・仁川/ハワイ・ホノルル)のラウンジを無料で利用できる。対象空港は、以下のとおり。
 

新千歳空港 函館空港 旭川空港
秋田空港 仙台空港 新潟空港
小松空港 成田空港 羽田空港
中部国際空港 関西空港 神戸空港
岡山桃太郎空港 米子鬼太郎空港 広島空港
山口宇部空港 高松空港 徳島空港
北九州空港 福岡空港 大分空港
熊本空港 鹿児島空港 宮崎空港
仁川国際空港
(韓国・ソウル)
ダニエル・K・
イノウエ国際空港
(ハワイ・ホノルル)
青森空港
富山きときと空港 大阪国際(伊丹)空港 松山空港
富士山静岡空港 出雲縁結び空港 長崎空港
那覇空港

そのほか、空港関連では以下のサービスも用意されている。
 

サービス 内容
海外レンタル
WiFi優待
通常の通信料金より10%オフ
海外レンタル
携帯電話優待
基本料金50%オフ
通話料金10%オフ
コート・手荷物預かり
サービス優待
通常料金より15%オフ
空港宅配サービス優待 海外旅行への出発時、
自宅→空港間で手荷物1個無料
2個目以降10%オフ

対象空港は成田空港、羽田空港国際線、関西国際空港で、空港宅配サービス優待のみ中部国際空港が加わる。

メリット2,オリコカード共通のトラベル優待を利用できる……ホノルル&シンガポールの街中ラウンジも

オリコカード共通のトラベル優待は、もちろん「Orico Card THE WORLD」にも適用される。多種多様な優待の中でも便利なのは、世界51都市に設置された海外デスクで日本語による対応を受けられることだ。海外デスクでは、観光・ショッピング情報の案内のほか、レストランやオプショナルツアー、各種チケットの予約、現地病院やパスポート紛失時の手続きについての案内を受けられる。
 

優待 内容
海外パッケージツアー優待 各旅行会社のパッケージツアーが3~8%オフ
国内パッケージツアー優待 各旅行会社のパッケージツアーが3~5%オフ
海外レンタカー優待 ハーツレンタカーが5%オフ
ダラーレンタカーが15%オフ
国内レンタカー優待 ニッポンレンタカー、日産レンタカー、
オリックスレンタカー、
タイムズカーレンタルが5%オフ
三菱レンタカーが20%オフ
空港手荷物宅配優待 出発時と到着時それぞれで
成田空港10%オフ/関西空港100円引
トラベラーズWiFi優待 海外用WiFiレンタルが5%オフ
トラベルデスク
ホノルルラウンジ
同伴者4名まで無料で利用でき、
ソフトドリンクの無料サービスあり
(ゴールド以上の会員が利用できる)
トラベルデスク
シンガポールラウンジ
同伴者4名まで無料で利用でき、
ソフトドリンクの無料サービスあり
(ゴールド以上の会員が利用できる)

ハワイやシンガポールのラウンジが利用できるのは、オリコカードのゴールド・プラチナ会員のみだ。この2都市を訪れることが多い人は、「Orico Card THE WORLD」が旅をより快適にしてくれるだろう。

メリット3,最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険などが付帯……旅行中の「万が一」にも対応

年会費無料の「Orico Card THE POINT」には、旅行保険が付帯しない。しかし年会費がかかる「Orico Card THE WORLD」には、海外・国内旅行傷害保険と海外・国内航空機遅延費用等補償のほか、ショッピング保険も付帯する。

・旅行傷害保険は海外が自動付帯で国内は利用付帯

海外・国内とも、最高5,000万円の旅行傷害保険が付帯する。海外は旅行代金をカードで支払ったかどうかにかかわらず適用される「自動付帯」で、国内は旅行代金をカードで支払った場合のみ適用される「利用付帯」だ。

海外旅行傷害保険(自動付帯)

保険項目 補償金額
死亡・後遺障害 5,000万円
傷害治療費用 200万円
疾病治療費用 200万円
携行品損害 100万円
(免責:1事故3,000円)
賠償責任 2,000万円
救援者費用等 200万円

国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償金額
死亡・後遺障害 5,000万円

・海外・国内航空機遅延費用等補償

海外・国内旅行傷害保険に、それぞれ特約として付く。航空機の出発遅延・欠航などが生じた場合に負担した宿泊費や食事代、または手荷物が遅延や紛失した場合の衣類・生活必需品の購入費が補償される。

「受託手荷物紛失」の補償金額10万円は、他社ゴールドカードの同種の保険と比較して、かなり大きい金額と言える。

海外・国内航空機遅延費用等補償(海外:自動付帯/国内:利用付帯)

補償の内容 補償金額
乗継遅延費用 3万円
出航遅延・欠航・
搭乗不能費用
3万円
受託手荷物遅延 3万円
受託手荷物紛失 10万円

・ショッピングガード(ショッピング保険)は年間300万円まで

カードで購入した商品が購入日より90日以内に、偶然の事故(破損・盗難・火災など)で損害をこうむった場合の保険で、年間最高300万円まで補償される(免責金額1万円)。

メリット4,キャッシングの金利が年15%

キャッシングの金利が年15%であることも、メリットと言える。クレジットカードのキャッシング金利は18.0%のものが多く、このカードではかなり低く設定されていることがわかる。海外旅行で現地通貨をキャッシングする際、ほかのカードよりもお得に利用できるだろう。

5,「Orico Card THE WORLD」の2つのデメリット――ポイント失効の可能性も

このカードのデメリットを挙げるとすれば、以下の2点だろう。

デメリット1,年会費が比較的高い

1万円近い年会費は、比較的高い。他社カードの中には、空港ラウンジを無料で利用できるゴールドカードで「Orico Card THE WORLD」よりも年会費が安いものもある。このカードならではの特典や高還元率を狙えるポイントサービスを十分活用できない場合は、割高に感じるかもしれない。

デメリット2,ポイントの使い方に制約がある

ポイントの交換先はバラエティーに富んでいるが、ポイントは支払いなどに充当することができない。また、最小交換単位が500ポイントからで利用期限も1年間と短いため、十分に貯められない場合は失効してしまう可能性もある。

6,「Orico Card THE WORLD」はどんな人におすすめ?海外旅行が多いならメリットが際立つ

海外での利用でポイントが2倍になることから、海外旅行の多い人に向いていると言える。空港ラウンジが使える韓国やハワイへの旅行が多い人にもおすすめだ。また、ネットショッピングでも高還元率を狙えることから、ネットでの買い物が多い人にも向いているだろう。

オリコカードは、このほかにも複数のゴールドカードを発行しているので、それらともスペックを比較することをおすすめしたい。
 
執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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