日本の銀行ランキングTOP10!格付け、口座数、時価総額、自己資本比率など 三菱UFJ、三井住友、みずほは?

2020.1.9
ビジネス・キャリア
(写真=Ned Snowmanv/Shutterstock.com)
(写真=Ned Snowmanv/Shutterstock.com)
日本のお金の流れを支える銀行トップ10はどこなのか?格付や時価総額、預金口座数、自己資本比率など様々な切り口で、40代のビジネスパーソンが知っておきたい銀行トップ10を紹介する。

目次
1,「格付」ランキングTOP10
2,「時価総額」ランキング
3,「預金口座数」ランキングTOP8
4,「経常収益」ランキングTOP10
5,「業務粗利益」ランキングTOP10
6,国際基準の「自己資本比率」ランキングTOP10
7,国内基準の「自己資本比率」ランキングTOP10
8,「預金残高」ランキングTOP10
9,「貸出金残高」ランキングTOP10
10,銀行経営のこれから

1,「格付」ランキングTOP10――客観的に評価された銀行の信用度

「格付」は、債券などを発行する銀行の金融債務履行能力を、格付会社が客観的に判断したものだ。銀行の信用力を見るのに最も適した指標と言える。

国際的な格付会社としてはMoody’sやS&P、FITCH、国内ではR&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)有名だ。それぞれ独自の調査と分析による格付を行っている。

候補となる銀行のホームページから必要な経営指標や財務情報を抽出し、項目ごとに上位10行を比較する一覧表を作成した。

銀行の格付けランキングTOP10
順位 銀行名 Moody's 長期 S&P 長期 FITCH 長期 R&I 長期 JCR 長期 備考
短期 短期 短期 短期 短期
1 三菱UFJ信託
銀行
A1 A A AA- AA 2017/
11/29
現在
P-1 A-1 F1 a-1+ J-1+
2 三井住友
銀行
A1 A A AA- AA 2019/
6末
現在
P-1 A-1 F1 a-1+ J-1+
3 三菱UFJ
銀行
A1 A A AA- AA 2017/
11/29
現在
P-1 A-1 F1 a-1+ -
4 三井住友
信託銀行
A1 A A- a+ AA- 2018/
11/27
現在
P-1 A-1 F1 A-1 -
5 みずほ
銀行
A1 A A- A+ AA- 2018/
1/31
現在
P-1 A-1 F1 - -
6 みずほ
信託銀行
A1 A A- A+ AA- 2018/
1/31
現在
P-1 A-1 F1 - -
7 りそな
銀行
A2 A - A+ AA- -
P-1 A-1 - a-1 -
8 埼玉りそな
銀行
A2 - - A+ AA- -
P-1 - - a-1 -
9 千葉銀行 A1 A - AA- - 2019/
11/20
現在
P-1 A-1 - - -
10 静岡銀行 A1 A - AA- - 2019/
7/1
現在
P-1 A-1 - - -

1位,三菱UFJ信託銀行

日本最大の総合金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループの中核企業。信託銀行として、銀行業務に加えて不動産や証券代行、資産運用、相続管理など、信託銀行ならではの高い専門性を持った信託ビジネスを展開している。

1927年に信託銀行として創業以来、信託銀行同士の合併を重ね、2005年に三菱信託銀行とUFJ信託銀行合併して現在の形になった。

第2位,三井住友銀行

三井住友フィナンシャルグループの主要銀行。1876年に設立された商業銀行の先駆けである三井銀行と、1895年に個人事業として創業された住友銀行の流れを汲んだ、日本を代表するメガバンクの一つ。数々の合併を繰り返し、2001年のさくら銀行と住友銀行の合併により「三井住友銀行」となった。2002年の三井住友フィナンシャルグループ設立によって三井住友銀行は完全子会社化され、2003年にわかしお銀行と合併し現在に至る。

第3位,三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は、1880年創業の老舗銀行の三菱銀行と、戦前の特殊銀行であった横浜正金銀行をルーツに持つ1954年より日本で唯一の外国為替専門銀行として機能してきた東京銀行、複数の地方銀行と三和銀行の集合体であるUFJ銀行の3行が母体となって設立されたメガバンクだ。

1996年の三菱銀行と東京銀行の合併後、2002年にはUFJ銀行とも合併して、以後トップメガバンクとして君臨している。
 

2,「時価総額」ランキングTOP10――銀行の規模を表す指標、ダントツの規模を誇るMUFG

銀行の時価総額は銀行の規模を表すと同時に、企業の価値や社会的信用度の高さを計る指標でもある。メガバンクをはじめ一部の銀行は、銀行持株会社傘下の100%子会社として、巨大総合金融グループの中核に位置付けられている。そのため、銀行持株会社の時価総額を、銀行単体の価値や信用力として評価することもできる。

以下は、総合金融グループを形成する上場銀行持株会社と、その他の上場銀行を対象とした時価総額ランキングだ。

「時価総額」ランキング
順位 銀行名 コード 2019/11/4現在
時価総額 終値(円) 発行済株数(株)
1 三菱UFJ
フィナンシャル・
グループ
8306 7兆9,409億557万円 578.8 13,667,770,520
2 三井住友
フィナンシャル
グループ
8316 5兆4,734億6,182
万円
3,986.0 1,373,171,556
3 ゆうちょ銀行 7182 4兆8,060億円 1,068.0 4,500,000,000
4 みずほ
フィナンシャル
グループ
8411 4兆2,913億3,232
万円
169.0 25,392,498,945
5 三井住友
トラスト・
ホールディングス
8309 1兆5,886億866万円 4,233.0 375,291,440
6 りそな
ホールディングス
8308 1兆0,835億381
万円
466.2 2,324,118,014
7 コンコルディア・
フィナンシャル
グループ
7186 5,505億6,230万円 442.0 1,245,616,065
8 千葉銀行 8331 5,211億2,307万円 620.0 840,521,087
9 静岡銀行 8355 5,034億6,738万円 832.0 605,129,069
10 新生銀行 8303 4,338億8,310万円 1,675.0 259,034,689

第1位,三菱UFJフィナンシャル・グループ

日本の3大メガバンクの雄、三菱UFJ銀行を中心に構成されたグローバル総合金融グループとして日本経済を牽引。商業銀行、信託銀行、証券会社、カード会社、消費者金融会社、リース会社、資産運用会社など、金融の各分野におけるトップクラスの企業がネットワークを構築し、一体となったサービスを提供している。

株主還元の充実も主要な経営課題の一つとして位置付けられており、2023年までの配当性向40%の実現を目標に、年間25円配当の継続と、500億円の自己株式取得と消却によるタイトな資本運営の継続を掲げている。

第2位,三井住友フィナンシャルグループ

メガバンクである三井住友銀行を中心とした複合金融グループ。銀行はじめ、リース、証券、クレジットカード、コンシューマーファイナンスなど、幅広く事業を展開している。

持株会社を中心としたグループ経営体制を強化するために、2017年4月よりリテール、ホールセール、国際、市場の4事業部門制とCxO制を導入。関連会社を横断した事業戦略を立案し、経営資源の共有化と最適化を実行している。

第3位,ゆうちょ銀行

2007年の日本郵政公社の民営化と分社化によって日本郵政グループが発足し、ゆうちょ銀行として開業した。クレジットカードや変額個人年金保険の代理販売、個人向けローンの媒介といった新規事業を手掛る。現在では、銀行業の他に関連会社で投資運用業も行なっている。

2015年の東証一部新規上場や、2017年の大型PO(株式の追加売り出し)で注目を浴びた。

3,「預金口座数」ランキングTOP8――口座数の多さで人気度を計測、楽天が堂々の第1位

預金口座数は、銀行の人気度を知るのに便利な指標だ。メインバンクや地方銀行などの従来型の銀行は、口座数が非常に多いことや口座の定義が複数あるなどの理由で、預金口座数を公表していないところが多い。

それに対して、近年注目されている実店舗を持たないインターネット専用銀行は、ホームページで口座数を公表しているところが多い。そこで、各銀行のホームページから口座数の情報を取得できるインターネット銀行を対象にした預金口座数ランキングを見てみよう。

主要インターネット銀行の「預金口座数」ランキング
順位 銀行名 預金口座開設数
1 楽天銀行 813万口座 2019/11末現在
2 イオン銀行 660万口座 2019/6末現在
3 ジャパンネット銀行 397万口座 2018/12末現在
4 じぶん銀行 361万口座 2019/6末現在
5 住信SBIネット銀行 371万口座 2019/9末現在
6 セブン銀行 200万口座 2019/3末現在
7 ソニー銀行 147万口座 2019/3末現在
8 大和ネクスト銀行 138万口座 2019/6末現在

第1位,楽天銀行 

前身は2000年に発足したイーバンクで、電子メディアによる銀行業の先駆け的存在だった。2002年に開始したモバイルバンキングをはじめ、2005年のスポーツ振興くじ「toto」初のインターネット販売や外貨普通預金、FXの取り扱いなど、常にインターネット銀行業界を牽引してきた。

2009年に楽天が親会社となり、2010年に現在の楽天銀行に商号を変更し、楽天の完全子会社となった。2011年からは楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」を開始し、カードローンや住宅ローンなどでも顧客を増やしている。

第2位,イオン銀行

イオン銀行は2007年に小売業のイオンから誕生した金融機関で、一貫して「商業と金融の融合」と「リテール・フルバンキング」を事業コンセプトに掲げている。

「お客さま第一」という基本理念のもと、イオンモールを中心とした140ヵ所の店舗網、イオン店舗や駅、空港に設置された自社ATMは6,000台、平日手数料無料の提携ATMは5万3,000台を超え、顧客の利便性を追求した事業展開を行っている。

昨今はスマートフォンを使った取引やインターネットバンキング機能の拡充、クレジットカード発行業務の強化が顧客数の増加に貢献している。

第3位,ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行は、日本初のインターネット専業銀行として2000年に開業。当時のさくら銀行、住友銀行、日本生命、東京電力、三井物産、NTTドコモなどさまざまな業種の企業によって出資された。

2001年にはYahoo!オークション(現ヤフオク)のオフィシャルバンクとして提携を開始。2003年に競艇(現ボートレース)との決済提携や、競輪ネットバンクサービスを開始するなどサービスを拡大。従来の銀行に留まらない幅広いサービスを展開している。

2014年にはヤフーが主要株主になり、銀行経営ノウハウを有する三井住友銀行や富士通、三井住友火災、大樹生命、住友生命も出資するヤフー・三井住友銀行のグループ会社となっている。

4,「経常収益」ランキングTOP10――一般企業の「売上高」に相当、上位3行はメガバンク

一般事業会社の「売上高」と言えば、商品やサービスを提供する対価として得られる売上の合計額を指す。費用を差し引いた利益と区別する必要はあるものの、売上高の大きさは企業の財務体質を判断する際の重要な指標と言える。

「経常収益」とは銀行の損益計算書上の収益区分で、一般事業会社の「売上高」に当たるものだ。「資金運用収益」「役務取引等収益」「特定取引収益」「その他業務収益」「その他経常収益」という5つの項目で構成される。

経費を控除する前の銀行の通常の営業活動から発生する収益であり、銀行の直接的な集客力を端的に表す指標だ。

「経常収益」(売上高)ランキング
順位 銀行名 2019年3月期
経常収益(売上高)
(億円)
1 三菱UFJ銀行 35,682
2 三井住友銀行 28,058
3 みずほ銀行 26,169
4 ゆうちょ銀行 18,453
5 三井住友信託銀行 10,178
6 三菱UFJ信託銀行 7,327
7 りそな銀行 4,937
8 千葉銀行 2,102
9 みずほ信託銀行 2,095
10 静岡銀行 1,929

第1位,三菱UFJ銀行

他を圧倒する事業規模を誇る三菱UFJフィナンシャル・グループ。中核銀行である三菱UFJ銀行も、銀行単体の経常収益(売上高)で、他のメガバンク2行を大きく引き離して1位に輝いている。

三菱UFJ銀行の圧倒的な強さは、国内各地に設置された750の本支店や、3万3,500人以上もの従業員によって支えられている(2019年3月末現在)。業績のみならず、店舗数や従業員数でも名実ともにメガバンク3行のトップと言える。

第2位,三井住友銀行

時価総額第2位の三井住友フィナンシャルグループの中心的な銀行である三井住友銀行が、経常収益(売上高)でも第2位にランクイン。国内の本支店は444ヵ所、従業員数は2万8,000人以上(2019年3月末現在)で、規模の上でも三菱UFJ銀行を追随する存在だ。

第3位,みずほ銀行

時価総額第4位のみずほフィナンシャルグループの中核銀行。みずほ銀行としての発足は2013年で、メガバンク3行の中で最も遅い。2019年6月30日現在で、国内の本支店などが646、従業員数は3万人弱で、2位の三井住友銀行の規模を若干上回る。

今後はコンサルティング中心のリアル店舗と、デジタルチャネルを融合した次世代店舗の展開など、店舗ネットワークの再構築を順次行っていく予定だ。

5,「業務粗利益」ランキングTOP10――銀行本来の業務の収支状況を表す指標

「業務粗利益」は損益計算書には記載されないものの、銀行法でディスクロージャー誌での開示が義務付けられている項目だ。一般的に、業務粗利益は銀行の損益状況を表す代表的な項目として、決算説明資料に盛り込まれている。

業務粗利益は、銀行本来の業務から発生する「資金運用収支」「役務取引等収支」「特定取引収支」「その他業務収支」の合計額だ。損益計算書上の経常収益(売上高)より科目が絞り込まれるため、通常の銀行業務活動がよりシビアに反映されるという意味で、重要な経営指標と言える。

「業務粗利益」ランキング
順位 銀行名 2019年3月期
業務粗利益(億円)
1 三菱UFJ銀行 15,353
2 三井住友銀行 13,956
3 ゆうちょ銀行 13,270
4 みずほ銀行 10,750
5 三井住友信託銀行 4,673
6 りそな銀行 3,399
7 三菱UFJ信託銀行 3,256
8 横浜銀行 1,712
9 千葉銀行 1,522
10 静岡銀行 1,347

第1位,三菱UFJ銀行

経常収益(売上高)と並んで、業務粗利益でも三菱UFJ銀行がトップ。銀行の規模だけでなく、主たる銀行業務でも業界NO.1の実力を誇っている。

第2位,三井住友銀行

経常収益に比べて、第1位の三菱UFJ銀行との差を縮めている三井住友銀行。本来の銀行業務では、この2行が肉薄している。

第3位,ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、分割民営化前からの地域社会との密接な関係性を伝統として受け継いでおり、現在も地域に根差した金融機関として、地域経済を活性化することで日本経済の発展に貢献することを重要視している。

地域社会重視と、全国の隅々まで張り巡らされた郵便局ネットワークの相乗効果が業務粗利益第3位という結果につながっていると考えられる。

6,国際基準の「自己資本比率」ランキングTOP10――銀行経営の健全性を示す経営指標

「自己資本比率」とは、一般的には総資産に占める自己資本の割合を指す。信用リスクやマーケットリスクなどが伴う銀行経営では、一般企業以上に強固な財務基盤(自己資本)を持つ必要がある。そのため、銀行に対して自己資本比率の国際統一基準(BIS規制)が定められている。

金融庁でも日本の銀行に対して自己資本比率のルールを設定。海外でも活動する銀行は、国際統一基準に準じて、達成すべき自己資本比率を8%以上と定めている。主に国内拠点で活動する銀行も、達成すべき自己資本比率を4%以上としている。

国際統一基準と国内基準では自己資本比率の算出方法が異なるため、両者の数値を単純に比較できない。そのため、ここでは国際統一基準による自己資本比率を紹介する。

「自己資本比率【国際統一基準】」ランキング
順位 銀行名 国際統一基準(BIS規制)
自己資本比率(%)
総自己資本比率 Tier1比率 普通株式等
Tier1比率
1 三菱UFJ信託銀行 24.25 21.12 19.42
2 みずほ信託銀行 23.87 23.70 23.67
3 三井住友銀行 20.28 17.37 14.85
4 みずほ銀行 19.02 16.06 12.60
5 三菱UFJ銀行 15.58 13.53 11.69
6 横浜銀行 14.47 13.60 13.59
7 三井住友信託銀行 14.45 11.79 10.02
8 静岡銀行 14.28 14.28 14.28
9 千葉銀行 12.04 11.36 11.36
※Tier1比率:自己資本を構成する基本的項目のこと。資本金、法定準備金、利益余剰金などがこれに含まれる

第1位,三菱UFJ信託銀行

三菱UFJフィナンシャル・グループの信託銀行。「充実した自己資本の維持」「株主還元の一層の充実」「収益力強化に向けた資本活用」を資本政策の3本柱とし、資本の「効率性」と「質的・量的充実」がベストマッチする運営を目指している。

一方で、人員や店舗の段階的な削減も実施。コンサルティング&ソリューションビジネスの強化や、信託ビジネスのイノベーションなどを柱とした戦略も実践している。

第2位,みずほ信託銀行

みずほフィナンシャルグループの信託銀行。専業信託銀行としての高い専門性を発揮して、個人の顧客に対しては円滑な資産承継や事業承継、老後資産の形成など、企業オーナーそれぞれのライフイベントに応じた付加価値の高いサービスを提供している。

法人顧客に対しては、事業ポートフォリオの見直しや不動産、資産流動化、年金、証券代行などの分野で、みずほ信託銀行ならではの最良の信託ソリューションの提供を目指している。

第3位,三井住友銀行

メガバンク3行の中で、三井住友銀行だけが自己資本比率トップ3にランクインした。

三井住友銀行単体でも、自己資本比率規制の国際統一基準(8%以上)を大幅に上回っている。リスクアセットに対する自己資本の割合が高く、非常に健全性が高い銀行と考えていいだろう。

7,国内基準の「自己資本比率」ランキングTOP10――日本独自基準での上位は?

次は、国内基準による自己資本比率を採用する銀行(単体)のランキングを紹介していこう。

「自己資本比率【国内基準】」ランキング

順位 銀行名 国内基準
自己資本比率(%)
1 セブン銀行 51.75
2 大和ネクスト銀行 37.94
3 ジャパンネット銀行 23.44
4 ゆうちょ銀行 15.78
5 新生銀行 13.73
6 埼玉りそな銀行 12.33
7 常陽銀行 11.41
8 京都銀行 11.18
9 SBJ銀行 10.71
10 楽天銀行 10.66

第1位,セブン銀行

2001年にセブン&アイグループの銀行として「アイワイバンク銀行」が設立され、2005年に商号を「セブン銀行」に変更し、現在に至る。

ATMプラットフォーム事業は国内の基幹事業であり、セブン&アイグループのセブン-イレブンやイトーヨーカドー各店舗だけでなく、空港や駅、提携金融機関などにもATMを設置している。米国やインドネシアでもATMサービスを展開している。

国内では決済口座事業も行っており、口座を保有する顧客に対して預金やローン、海外送金サービスなどを提供している。

国内基準の自己資本比率では、他行とは一線を画す高い比率を誇っている。これは、法人向けの事業資金融資を行っていないことや、全社的に行われている厳格なリスク管理によるものと考えられる。

第2位,大和ネクスト銀行

大和証券グループ本社が100%出資する銀行として、2010年に設立された。大和証券の銀行代理業者であり、大和証券の本支店やコンタクトセンターで円普通預金や外貨定期預金、フリーローンなどの商品を取り扱っている。

大和証券の完全子会社として、「ダイワのツインアカウント」サービスを展開しており、証券と銀行口座の連携による金利優遇やスウィープサービス(夜間の自動振替サービス)などを提供している。

大和ネクスト銀行では当初から個人顧客を想定したサービスを提供しており、個人事業主や法人顧客を対象とした大口の資金融資を行っていない。これによって信用リスクが低く抑えられるため、自己資本比率が高くなると考えられる。

第3位,ジャパンネット銀行

インターネット銀行の口座数ランキングでも第3位にランクインしている、人気のインターネット銀行。ジャパンネット銀行では、法人または個人事業主向けの融資の上限が500万円に設定されているので、貸し倒れリスクが比較的低いことが健全性の高さにつながっていると考えられる。

8,「預金残高」ランキングTOP10――収益を生む源泉、預金に強いゆうちょ銀行

「預金」は、銀行の3つの固有業務の1つだ。預けられた資金は、銀行の貸借対照表の負債の部に「預金」という科目で計上される。

「預金」とは、未決済の手形や小切手を除いた実質預金を指す。銀行の負債のうち、およそ70%を占める。銀行は預金を企業に融資したり、運用したりすることで収益を上げるため、預金残高は銀行にとって極めて重要だ。また銀行の信用度を判断する指標でもあり、預金残高が多ければ多くの利用者が銀行を信用して利用していると考えていいだろう。

「預金残高」ランキング
順位 銀行名 2019年3月期末
預金(億円)
1 ゆうちょ銀行 1,809,971
2 三菱UFJ銀行 1,528,706
3 みずほ銀行 1,194,112
4 三井住友銀行 1,160,911
5 三井住友信託銀行 319,306
6 りそな銀行 268,969
7 横浜銀行 141,944
8 埼玉りそな銀行 136,014
9 三菱UFJ信託銀行 129,999
10 千葉銀行 123,334

第1位,ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行の預金残高は、日本中にある郵便局ネットワークを活かした国内随一の顧客基盤に支えられている。通常貯金の口座数は約1億2,000万口座(2019年3月末現在)で、計算上は日本人のほとんどがゆうちょ銀行の口座を持っていることになる。

第2位,三菱UFJ銀行

ゆうちょ銀行を除けば、三菱UFJ銀行は国内トップの営業拠点数と圧倒的シェアを誇る日本最大の商業銀行だ。国際業務にも強いが国内重視の戦略は健在で、当然ながら顧客から預かる預金額も非常に多い。

第3位,みずほ銀行

2002年に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併して、リテール部門を中核とする旧みずほ銀行と、ホールセールと海外業務を担当するみずほコーポレート銀行が誕生した。2013年、みずほコーポレート銀行に旧みずほ銀行が吸収される形で、現在のみずほ銀行として再始動している。

全国の47都道府県に支店を持っていた第一勧業銀行が母体の1つであるため、日本全国に広がる昔ながらの支店網と顧客基盤が、高い預金残高の一因と考えられる。

現在みずほ銀行とみずほ証券との共同店舗の設置を進めており、顧客の利便性を考慮した新規顧客獲得に注力している。

9,「貸出金残高」ランキングTOP10――銀行固有の「貸出」業務による中心的な資産

「貸出」は、銀行に預けられた預金を取引先企業の事業資金や、個人向けの住宅ローンとして貸し出すことであり、銀行の重要な固有業務の1つだ。貸出金は銀行の資産の大部分を占めるだけでなく、収益の源泉でもあるため、銀行の経営上非常に重要である。

「貸出金残高」ランキング
順位 銀行名 2019年3月期末
貸出金(億円)
1 三菱UFJ銀行 878,779
2 三井住友銀行 764,018
3 みずほ銀行 760,473
4 三井住友信託銀行 290,227
5 りそな銀行 198,133
6 横浜銀行 111,024
7 千葉銀行 101,368
8 福岡銀行 98,978
9 静岡銀行 85,568
10 埼玉りそな銀行 73,158

第1位~3位,三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行

メガバンク3行はいずれも多くの顧客を抱え、信用力と健全性を備えている。法人や個人事業主に対する事業資金融資や個人の住宅ローンなどでも、他行に比べて優位だ。

メガバンク3行についてはすでに紹介したので、ここでは第4位から第6位の銀行を紹介しよう。

第4位,三井住友信託銀行

三井住友信託銀行は日本では数少ない専業信託銀行の1つだ。三井住友トラスト・ホールディングスに属しており、グループの中心銀行としての役割を担っている。

三井住友信託銀行は、1925年に日本初の信託会社である「三井信託」として設立された。その後何度も合併を繰り返し、2012年に住友信託銀行、中央三井信託銀行、中央三井アセット銀行の3行が合併して、現在の「三井住友信託銀行」が発足した。

三井住友信託銀行では、長期化する超低金利環境においても信託銀行として手掛ける資産運用や資産管理、不動産管理などからの手数料収入は堅調で、メガバンクには及ばないものの、銀行の重要な固有業務である預金や貸出の残高も前年を上回っている。

第5位,りそな銀行

首都圏に基盤を持つ、りそな銀行と埼玉りそな銀行。この2行は中核とする総合金融グループ、りそなホールディングス(銀行持株会社)の100%子会社だ。りそなホールディングスは関西みらいフィナンシャルグループ傘下の関西みらい銀行とみなと銀行との間でシステム統合を実施しており、より利便性の高いサービスの提供を目指している。

低金利環境の影響によって貸出利益は減少しているが、ローコストオペレーションの徹底によって経費率の改善が見られる。低い不良債権比率を維持して健全な経営を維持しており、株主還元策の充実やリテールに絞り込んだ戦略で企業価値の最大化を図っている。

第6位,横浜銀行

時価総額ランキング第7位のコンコルディア・フィナンシャルグループ傘下の銀行。東日本銀行も同グループに属している。

横浜銀行は2020年に創立100周年を迎える老舗銀行であり、もともとは横浜を基盤にした地域金融機関だった。これまでに培ってきた効率経営のノウハウを活かしながら、デジタル技術を活用して地域密着を深耕し、地域の発展に寄与できる最適なソリューションを提供することを理念に掲げている。

10,銀行経営のこれから 低金利環境下の収益確保と新たな収益モデルの構築

日銀のマイナス金利政策に終わりが見えない中、多くの銀行では利ざや収入の落ち込みが改善しない状況が続いている。

このような状況において、銀行は増収を図るために口座維持手数料の徴収を検討している。日本より先にマイナス金利が導入された欧州では、口座維持手数料が一般的になりつつある。具体的な徴収方法として検討されているのが、休眠口座からの自動徴収だ。

りそな銀行では、2004年から2年以上利用実績のない残高1万円未満の口座から、年間1,320円の手数料を徴収している。

三菱UFJ銀行も、「2020年10月にも、新規口座開設後2年間取引のない不稼働口座から、年1,200円の口座維持手数料の徴収を開始する」という。トップメガバンクである三菱UFJ銀行の方針が、銀行業界全体に波及する可能性は高い。

多くの銀行は、人員配置の見直しや店舗の統廃合などによって経費率を下げ、落ち込んだ手数料収入の穴埋めをしている。一方で、利ざやに頼らない新たな手数料の源泉を模索する銀行もある。

SBI証券などの有力証券会社と提携する地方銀行がその代表だ。預金による資産形成が難しい地方銀行の顧客に対して、証券会社の広範な金融商品を取引できる新たな資産形成サービスを提供しながら、銀行としても新たな収入源を確保するというものだ。

今後は安心できる銀行を選ぶ際、従来のように銀行の格付や規模、預金や貸出金残高、自己資本比率などの指標をチェックするだけではなく、利ざやによらない独自の収益モデルを持っているかどうかも確認したほうがいいかもしれない。

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近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
 
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