目次
トレーニング前に押さえておきたい「腹筋の構造・仕組み」
・効果的な腹筋のトレーニングの前に準備すること:腹筋の準備運動
トレーニング前に押さえておきたい「腹筋の構造・仕組み」
まずは腹筋の仕組みをご紹介します。腹筋の構造や機能を理解する事で、よりトレーニングの意図と効率的なトレーニング方法を知ることが出来ます。
そもそも、筋肉はどうやってつくの?
「腹筋」とは本来「腹筋群」といういくつかある筋肉の総称で、三層に分かれた4種類の筋肉があります。それぞれ機能や役割が異なるため、トレーニング方法も変わってきます。
よく「腹筋(起き上がり)運動を行っているのにお腹が引き締まらない」というのも、役割を理解していない事で起こりがちな落とし穴です!正しく構造とメカニズムを理解し、お腹の「どこ」を「どのようにしたいのか」を明確にさせてからトレーニングを行いましょう!
腹筋の種類
腹筋は大きく分けて2つの要素で構成されています。
・姿勢を安定させる筋・・・体の深部に存在、呼吸にも使われ、お腹を細く絞る
→腹横筋
・体幹を運動させる筋・・・体の表面付近に存在、体幹の起き上がりや捻り動作を起こす
→腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋
以上の機能があります。
また、それぞれの機能を4種類の筋肉が担っており、これらがお腹の引き締め、プロポーションにどのように影響していくかをご紹介します。
腹横筋
腹筋の最下層についている筋肉で、胴体をほぼ1周している筋肉です。よく、腰痛になった際に巻くベルト(コルセット)をイメージすると良いでしょう。
腹横筋の最大の機能は「腹腔内圧を高める」という役割があります。
初めて聞く方も多いと思いますが、実は腹横筋は「お腹を絞める」というために非常に重要な筋肉なのです!
先にあげた腰痛時に巻くベルトもこの為に使われ、姿勢(背骨)を安定させるのに使います。圧を上げるという事は、外側から内側に力をかけ、ウエストの周径位が細くなります。
これが「お腹が締まる」というメカニズムです。
腹横筋を最大限活用する為には「呼吸」と「姿勢」を意識する事です。
お腹の力をダランと抜いてみて下さい。腰が反れて姿勢が崩れ、お腹がポコッと出てきたり、腰に違和感が出てくる人もいるのではないでしょうか。
逆に背筋を伸ばし、正しい姿勢を作り、その姿勢を維持しようとすると自然と腹横筋が使われ、お腹が締まり腰のそれも改善されます。
また、仰向けになり息を吸い、出来る限り息を吐き切ってみて下さい。お腹がへこみ、おへそ付近がプルプルして苦しくなってきます。
「呼吸」や「姿勢」は日頃から何気なく行っている事ですが、これも腹横筋の活動のひとつで、お腹の引き締めに重要なポイントなのです。
内(・外)腹斜筋
左右の肋骨、骨盤から腹部の中央に付着する筋肉で胴体を横に傾けたり、捻る動作に使われます。
くびれや脇腹が気になっている方がアプローチするべき筋肉はまさにココです。
また、この腹斜筋も腹横筋と共に呼吸(吐く)時に利用される事で、ウエストにくびれが出来るようになります。
腹直筋
「お腹を割りたい!」「6パックを作りたい」という方がトレーニングしているのはこの腹直筋です。
お腹の表層中央部に付着し、心臓の位置辺りから骨盤の最下部まで伸びている長い筋肉です。
ポッコリお腹を解消する為にも、この腹直筋が使われます。
しかし、上下に長く伸びている筋肉の為、上体起こしのような上半身だけを動かす運動だけではお腹全体の引き締めは難しく、むしろよく気になっている「下っ腹」に効果を出すのはまた別のトレーニングをしなければなりません・・・
例えば、下半身を持ち上げながら体を丸め込むような運動も必要になります。
目的を持ってトレーニングを選ばないと、トレーニング量や時間がかかり、引き締めたい部分がなかなか引き締まらないという事も出てきます。
是非、お腹のどの部位が気になり、それはどこの筋肉があるのかを確認してみて下さい。
・効果的な腹筋のトレーニングの前に準備すること:腹筋の準備運動
いざ腹筋!というちょっとその前に、これからトレーニングを行う腹筋がどこにあるかを感じる為のエクササイズを行いましょう!
腹筋を使う準備をするエクササイズ
1.仰向けになり、お腹に手を置く
2.鼻から息を吸い、お腹が膨れる(内側から外へ押し出される)のを感じる
3.口からゆっくり息を吐き、お腹全体(特におへその下)がへこませていく
4.3で息を吐き切り、最後に背骨(腰の床から離れている所)を床に押し付ける
※頭は浮かないように気を付けましょう。
→1から4を5回ほど繰り返す。
この時、肋骨の縁からおへその横、骨盤にかけての部位がキュッと締まる感じがします。
いかがですか?腹筋を感じられましたか?
この準備エクササイズは、腹筋運動でありがちな「腹筋をして腰が痛くなった」という事を防止するエクササイズになります!
トレーニングの本質は「ケガの予防」ですので、トレーニングで身体を傷めないように気をつけましょう。