「フリーランスがいいのか? それとも会社員がいいのか?」
インターネットでもよく見る質問のひとつです。でも、説得力のある答えってなかなか見つからないような気がしますよね。もしかするとそれは、フリーランスと会社員、どちらか一方が話しているからかもしれません。
では、双方がそれぞれの立場からそれぞれのメリット・デメリットを話し合ったなら、きっと参考になる意見が聞けるのではないでしょうか。
そこで、今回は日本最大級のフリーランスメディア・Workship MAGAZINE編集部に所属するフリーランスと会社員が、それぞれのメリット・デメリットを話し合ってみました!
フリーランスのメリット
フリーランスのメリット1. 義務感の少なさ
少年B:
ではまず、我々フリーランス側から話しましょうか。北村さんはフリーランスになる前、長いこと会社員をしていましたよね?
北村:
はい、会社員は10年ぐらいやっていて、フリーランスは今年で3年目なので、歴としてはぜんぜん会社員のほうが長いですね。
そのうえでお話すると、私は会社員としてやっていけるなら会社員として働きたいんです。
少年B:
つまり、会社員ではやっていけない理由があるってことですか?
北村:
一言で言うと、朝起きられない。

少年B:
朝起きられないのはわたしもそうなんですよ。がんばって早起きしても10時前で、基本起きるのはお昼の11時、12時ごろなので……。
でも北村さんはTwitterを見る限りでは早起きですよね? 朝8時ごろには朝ドラの感想ツイートしていませんか?
北村:
何だろうな、私の場合は起きることはできるんですけど、たぶん出社・退社っていう行為ができない生き物になってしまっている感じがするんです。
じきるう:
満員電車に乗れないとか……?
北村:
満員電車ももちろんそうなんですけど、会社員って出社時刻に間に合わないといけないじゃないですか、当たり前ですけど。そのプレッシャーが……。
泉:
わかる~~~。
じきるう:
間に合わなきゃいけない義務感ってありますよね。
少年B:
ちなみに、Workship MAGAZINE編集部の仕事も基本的にリモートとはいえ、勤務時間は決まっていますよね。そこはいいんですか?
北村:
いまは正直、オンラインの打刻さえ間に合えば仕事がスタートできるので、通勤に比べるとまだプレッシャーが少ないんですよ。
少年B:
ということは、フルリモート会社員なら……?
北村:
あっ、理想です。
少年B:
フルリモート&フレックス完備の会社なら、正直わたしも会社員になりたいところがあります。
じきるう:
ただ、フルリモートの正社員案件ってほとんどないのが実情ですからね。社会がもう少し、リモート勤務に寛容になってくれればいいんですけど(笑)。
フリーランスのメリット2. スケジュールの融通が利きやすい
北村:
Bさんが感じているフリーランスのメリットは何ですか?
少年B:
やっぱり好きなときに働けることですかね。
いま、わたしは業務委託として週3日Workship MAGAZINE編集部の仕事をしていますが、残りの4日ってもう本当に好き勝手できるじゃないですか。
じきるう:
なるほど。
少年B:
4日全部寝ててもいいし、全部遊びに行ってもいいし、ちょっと仕事の進捗がやばかったら4日とも全部働けばいいしみたいな。そういう生活の自由がすごくあって、平日休みの人とも遊びやすいところは最高だなと思います。
泉:
サービス業の人とかだと、なかなか休み合わないですもんね。
少年B:
そうそう。あと「業務委託で週3日」ってルールだと、出勤もある程度融通が利くじゃないですか。事前にちゃんと言えば、取材が入ったから曜日ずらしますとか。だからすごく仕事がやりやすい。会社員で副業だとそうはいかないじゃないですか。
北村:
たしかに、今日は絶対会社に行かなきゃ……みたいな義務があまりないのはいいですね。月曜日の憂鬱も少ないから。
フリーランスのメリット3. 責任が少ない
少年B:
あと、「フリーランスの業務委託で週3日、最低限月収がいくら」という保障がありつつ、あとは働くなり遊ぶなり自由……って状況、正直いちばん気が楽だと思ってます。
もちろん責任もあるけど、正社員に課せられた責任よりは軽いじゃないですか。
泉:
そうですか?
少年B:
これは前職の工務店時代に感じたことですが、正社員だと「会社としての判断」を求められる部分がありますよね。たとえば建築って扱う額が非常に大きいので、自分がひとつ判断を間違えたら、会社ごと傾くかもしれない。ほかの社員や取引先など、自分以外の人に対する責任もあるので、すごく大きなプレッシャーがあったんです。
でも、フリーランスなら何かをやらかしても、責任は全部自分で取ればいい。だからすごく気楽です。

北村:
決して無責任なわけではないけど、背負うものは会社員より少ないというか。
じきるう:
そういう気持ちは確かにあるかもしれないですね。
フリーランスのメリット4. 人間関係を選べる
少年B:
あと、「フリーランスは、いいクライアントとだけ繋がって、いやな人とは縁を切っても生きていける」と聞きました!
北村:
でも、これ駆け出しのころからそうでした……?
少年B:
うっ、そう言われるとそうでもないような……! たしかに、最初のころは仕事自体が少ないので、選ばずに来た仕事は何でもしていましたね。別にわたしに当時嫌な人がいたってわけではないんですけど。
北村:
むしろ、たとえ嫌な人がいたとしても、その人からの仕事が生命線になってしまうと、もう無視できなくなってしまいますもんね。
少年B:
めちゃめちゃ悲しい話になってしまうけど、これは一部の仕事のできるフリーランス限定のメリットかもしれないですね。わたしが縁を切らずに生きていけているのは周りの人に恵まれていたのかも……。
泉:
Bさんの周りがやさしい世界でよかった。
少年B:
逆に言えば、多くの人から仕事をお願いされるぐらいのつよつよフリーランスになれば、仕事も人間関係も選び放題ってことだから、まぁ夢はありますよね……!
会社員のメリット
会社員のメリット1. 何と言っても保障
少年B:
じゃあ次に会社員のメリットを教えてください。
泉:
保障です。

じきるう:
それはそう!
泉:
会社員だと健康保険とか厚生年金とか、そういう必要なお金を会社が半額払ってくれるから、こちらの負担が減るので。
少年B:
今後インボイス制度も始まりますからね……。フリーランス側としては保障の差がさらに激しくなったように感じてしまう。
じきるう:
会社員ならではの手厚い保障は、シンプルかつ最強のメリットですよね。そしてもちろん、「お給料」という安定収入も保証されてます。
会社員のメリット2. 会社の名前を使える
じきるう:
「会社の名前が使える」ってのもメリットですね。個人としては無名でも「○○社の誰々」として知ってもらえたり、営業に使えたりもする。
北村:
個人でいきなりお仕事を取るのは難しいですもんね。フリーランスになるにしても、会社である程度経験を積んでから独立するのがいいのかも。
少年B:
自分は会社員時代、介護士と建築士だったので、あまりそのメリットを享受したことはないんですよね。いまのライター業とはまったく別業種だし……。
じきるう:
もちろん、会社や仕事の内容にもよりますね。ボクは「株式会社GIGのじきるうさん」として周りの人に知ってもらえてる実感があるので、そこはとてもありがたいです。
会社員のメリット3. 仕事と休日がはっきりしている
泉:
休日関連のことでいうと、自分がフリーランスになるとたぶん労働と休日の境目がなくなってしまって、本当に0か100かみたいになってしまうと思っていて。
少年B:
馬車馬のように。
泉:
そうです。自分がフリーランスになったら、馬車馬のように働くか、すべてをなくして貧乏暮らしをするかみたいな。極端になりそうなんですよね。
じきるう:
おしまいじゃん。
泉:
そこが週5勤務・週2休みで固定されているのは……その割合には正直不満がありますが、自堕落な人間にとってはありがたいと思いますね。
北村:
でも、泉さん副業もやってますよね?
泉:
そこなんですよ。副業始めてほぼ週7で働いていて、毎日仕事~!ってなってるので。普通に会社員だけならちゃんと休めるなって。
会社員のメリット4. 事務手続きが楽
じきるう:
でもそれってメリットでもあるんですよ。「副業可能な会社なら」という条件付きですけど、会社員のお給料に副業を足して、収入を増やすこともできるってことなので。
少年B:
たしかに、わたしも社会人5年目までは奨学金の返済などでお金がなかったので、介護士をやりながらアルバイトをしていましたね……。
泉:
お金のほかに、スキルが欲しいので副業やってる部分もあります。副業で身につけたスキルが本業に活きることもあるので、安定した生活に加えてプラスアルファがあるのは大きい。
じきるう:
逆に副業をやっていなければ、税金関係のことをほぼやらなくて済むというメリットもあります。確定申告は基本的にいらないし、年末調整もほとんど会社がやってくれるじゃないですか。
北村:
フリーランスの事務手続きって本当に面倒だし大変ですよね……。