目次
インフレに弱い資産|年金・保険・現金
「預金だけ」ではリスクだらけ?

インフレに弱い資産|年金・保険・現金

インフレ対策のための資産運用|資産の目減りを防ぐ4つの対策とは?
(画像=『レイビー』より引用)

現金

インフレに弱い資産の代表例が現金(普通預金・定期預金)です。

インフレになれば金利が上昇して受取利息は増えますが、受取利息の上昇がインフレのスピードについていけなければ資産価値は目減りします。

特に気を付けるべきなのは、固定金利の定期預金と国債です。
例えば、10年固定金利年利0.05%の定期預金を例に考えます。

10年の間にインフレが進行し、金利が0.05%を上回った場合は金利上昇の恩恵が受けられずに損をすることになります。

保険

保険もインフレに弱い商品です。保険は、将来受け取る金額を契約時に定めます。

死亡時に1,000万円受け取ることのできる終身保険に30歳で加入し、80歳で死亡するケースで考えてみます。

政府と日本銀行は2%のインフレを目標にしているのはすでに説明したとおりです。
仮に政府の目論見通りにいった場合、50年後には1,000万円の価値は現在の半分以下になっている計算になるのです。

年金

退職後の生活の糧ともいえる「年金」もインフレに強いとは言えません。

現在の年金はマクロ経済スライドを採用しています。
マクロ経済スライドとは、その時の社会情勢に合わせて年金の給付水準を自動的に調整する仕組みのことです。

厚生労働省ではマクロ経済スライドについて、以下のように説明しています。

年金額は、賃金や物価が上昇すると増えていきますが、一定期間、年金額の伸びを調整する(賃金や物価が上昇するほどは増やさない)ことで、保険料収入などの財源の範囲内で給付を行いつつ、長期的に公的年金の財政を運営していきます。
引用元:厚生労働省|いっしょに検証!公的年金

「賃金や物価が上昇するほどには増やさない」の記載があるように、物価の変動以外のさまざまな要因を加味して給付額を変動させます。

そのため、物価の上昇に年金額の増え幅が追い付かないことが考えられます。

「預金だけ」ではリスクだらけ?

インフレ対策のための資産運用|資産の目減りを防ぐ4つの対策とは?
(画像=『レイビー』より引用)

超低金利では資産が増えない

現在の日本の普通預金の金利は、都市銀行や地方銀行等、自前の店舗がある銀行の場合は年0.001%です。

1,000万円を1年間預けても利息は100円にしかなりません。
今や銀行に預けているだけではお金を増やすことはできない時代なのです。

バブル期と令和の比較

過去の日本では、銀行にお金を預けるだけで「10年で2倍近く」に増える時代がありました。
1980年代~1990年代初頭のいわゆる「バブル景気」の時代です。

日本銀行の資料によれば、当時の定期預金の金利は1990年9月17日~1991年7月28日の期間で年6.08%を記録しています。

年利6%であれば、およそ12年で資産が2倍になる計算です。おまけに投資と違って元本割れのリスクがなかったのです。

インフレ下では資産が目減りする

政府・日銀が推奨しているインフレ率は2%ですが、対して現在の銀行の普通預金の金利は年0.001%、高くても0.02%です。
一方、IMFによれば日本の2019年のインフレ率は0.48%でした。

インフレ率に利息が追い付かない現状では、預金しているお金の価値は減り続けています。

ペイオフで保護される金額には上限がある

銀行に預け入れたお金は「預金保険制度」の対象です。
万が一取り扱い金融機関が破綻したとしても、「資金援助方式」「ペイオフ方式」のいずれかで保護が行われます。

資金援助方式は、破綻した金融機関を譲り受け、合併する金融機関に対して預金保険機構が資金援助する方式です。

一方のペイオフ方式は預金者に対して預金保険機構から保険金が支払われます。

ただし、ペイオフで支払われるのは「1金融機関1預金者あたりの元本1,000万円までとその利息等」です、

つまり、1,000万円を超える金額を預金している銀行が破綻した場合、1,000万円を超える部分は補償されない可能性があるのです。