ローテーターカフの種目
クロスオーバー・アームリーチ
(Crossover Arm Reach)
①立位姿勢で行う。左腕を伸ばして身体の正面に上げ、そのまま右方向に水平移動させる。
②水平移動させた左腕の肘を右手で軽く押さえる。
③このままの姿勢を30秒保ったら、左腕を元の位置に戻す。同様にして右腕も行う。左右にそれぞれ30秒ずつ行って1セットとする。
ペンダルム
(Pendulum)
①柱や頑丈なテーブルに、身体の右側を向けて立つ。
②上体を腰から90度前屈させたら、その角度を維持するために、右手で柱やテーブルを掴んでおく。
③左腕の力を抜いてだらりと下げる。上体が前屈しているので、腕は床面に対して垂直(大腿部と水平)に保たれているはずだ。これがスタートポジション。
④腕の重さだけを使って、左腕で時計回りに小さな円を描くように動かす。振り子のように一定のスピードを維持し、描く円の大きさも変えないようにしよう。
⑤円を描く動作を10回繰り返したら、今度は反時計回りでも10回繰り返す。反対側も同様にして行う。
ストレートアーム・サークル
(Straight Arm Circles)
①両足を肩幅程度に開いて立つ。
②両腕を真横に、水平に持ち上げる。
③手で小さな円を描くように、両腕を回す。最初は小さな円を描くようにし、徐々に円を大きくしていこう。円を大きくしていくことで、上腕三頭筋のストレッチ感も強くなっていくはずだ。10〜15秒間続ける。
④今度は反対回りで同じように円を描く。最初は小さい円を描き、徐々に円を大きくしていくこと。
フィールドゴール・ローテーション
(Field Goal Rotation)
①両手に軽重量(1〜2kg 程度)のダンベルを握る。ただし、この種目を試したことがない人は、しばらくは重量を持たずに行ったほうがいいだろう。
②オーバーヘッドプレスのスタートポジションの姿勢を作る。つまり、肘を直角に曲げ、上腕と肩が同じ高さになるようにする。手のひらは正面に向けておく。ダンベルは耳より少し高い位置に来ているはずだ。
③肘、上腕、肩の位置は固定したまま、床面に対して垂直に立っている前腕をゆっくり前に倒していく。前腕が床面に対して水平になる地点を過ぎてさらに下ろしていくと、前腕が床面に対して垂直になる。これがボトムポジションだ。ボトムポジションでは手のひらは後ろを向いているはずだ。
④ボトムポジションで一旦停止したら、同じ軌道を通って前腕をスタートポジションまで戻す。これで1レップだ。
⑤10〜15レップ行うようにする。
⑥肩の可動域が狭い人は、最初からフルレンジで行う必要はない。まずは手のひらが床面に向くまで、つまり前腕が床面と水平になるまでを可動域にしよう。徐々に柔軟性が得られてきたら可動域を広げていく。ローテーターカフの種目であっても、無理をすればケガの原因になるので注意しよう。
サイド・ライイング・ダンベル・インターナル・ローテーション
(Side Lying Dumbbell Internal Rotation)
①軽いダンベルを右手に握る。
②床に敷いたマットの上に、体の右側面を下にして横になる。右の上腕は体と床の間に挟まれるが、肘と前腕は少し前に出しておく。左腕は左体側に乗せおく。
③右肘を90度に曲げ、腹に対して前腕が垂直になるようにする。これがスタートポジションだ。
④スタートポジションから肘を支点にし、弧を描くように右前腕が床に対して垂直になるまで動かす。これがトップポジションだ。
⑤トップで一旦停止したら、ゆっくり前腕をスタートポジションまで戻して1レップだ。
⑥左側も同様に行う。この種目は肩の内旋運動である。
サイドライイング・エクスターナル・ローテーション
(Side Lying External Rotation)
①軽いダンベルを左手に握る。
②床に敷いたマットの上に、体の右側面を下にして横になる。右腕は曲げて右側頭部の下にクッション代わりに置くと姿勢が保ちやすい。
③左の上腕は体側に乗せて固定し、肘は直角に曲げ、前腕と床が水平になるようにしておく。これがスタートポジションだ。
④スタートポジションから肘を支点にし、弧を描くようにダンベルを持ち上げる。
⑤前腕が床面に対して垂直になるまでダンベルを持ち上げたらトップポジションだ。
⑥トップで一旦停止してから、ゆっくりとスタートポジションまで前腕を戻して1レップだ。
⑦指定のレップ数を終えたら反対側も同様にして行う。この種目は肩の外旋運動である。
何種目行うのがいいのか?
ここで紹介したローテーターカフの種目は、肩のワークアウトの前に行ってほしいわけだが、たくさんやる必要はない。内旋、外旋、肩甲骨面挙上の種目をそれぞれ1種目ずつ選択し、合計3種目行うようにしよう。
肩のワークアウトが週1回の場合は、肩以外の上半身のワークアウトの日を1日選択し、その際にもローテーターカフのための3種目を行うようにしたい。
まとめ
ローテーターカフを痛めると、その影響は肩だけでなく上半身全体のワークアウトに広がる。つまり、ローテーターカフをおろそかにすると上半身の筋発達が長期的に停滞する可能性もあるのだ。そんな事態を何としてでも避けたいなら、日頃から積極的にトレーニングによってローテーターカフの強化に努めてほしい。
今回紹介したローテーターカフの種目は、肩のワークアウトの前に行う種目として取り入れてほしい。肩のウォームアップになるだけでなく、ローテーターカフが強化されるので肩の筋発達にも貢献するはずだ。
肩関節のケガによる心身が受けるダメージは計り知れないほど大きい。何週間、何カ月、場合によっては年単位でトレーニングを休まなければならなくなる。
私が左肩を痛めたときは、ケガをする前の筋力に戻るまでに半年かかってしまった。そして、左肩の調子が良くなってきたと思ったら、今度は右肩を痛めてしまったのだ。結局、左右の肩が以前のバランスを取り戻すまでに約1年間もかかってしまい、その間はボディビルコンテストにも出場することができなかった。
肩のケガは何としてでも回避しなければならない。そのためにはウォームアップを欠かさないようにするだけでなく、ローテーターカフの強化も必要だ。
肩のワークアウトの前に少し時間を割けばいいのだ。それをするだけで、トレーニングを自粛しなければならないような事態は避けられる。現在、すでに痛みがあるという人は、悪化してしまう前にまずは医師に診てもらおう。くれぐれも肩関節の痛みを放置しないようにしたい。
文:Steve Dorfint, CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
提供元・FITNESS LOVE
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