ローテーターカフのケア

ジムに着いたら、ウォームアップもほとんどやらずに本番セットを開始してしまうトレーニーは多い。しかし、それはケガの原因になるし、特に肩のワークアウトではとても危険な行為であることを忘れないでほしい。ケガを避け、定期的にトレーニングを継続していくためには、以下の項目についての準備をしておくことが不可欠である。 ●関節の健康
●正常な動作
●柔軟性
●ローテーターカフの健康

そして、肩のワークアウトを開始する前に、以下に紹介するローテーターカフの種目を積極的に行ってほしい。いずれも肩全体をウォームアップさせ、特にローテーターカフの柔軟性を高めて強化するのに役立つ種目だ。すぐにワークアウトを開始したい気持ちは分かるが、その焦りがケガを招く。ケガをすれば長期の休養を強いられることになる。わずかな時間をローテーターカフのために割いたとしても、そのほうがよほど今後の筋発達にプラスになるのだから、面倒と思わずにローテーターカフをしっかりケアしてほしい。

ローテーターカフの動き

ローテーターカフの種目は肩の内旋、外旋、肩甲骨面挙上などに着目したものだ。ローテーターカフをバランスよく強化するためにどの動きも欠かさず行うようにしたい。 具体的な種目を紹介する前に、内旋、外旋、肩甲骨面挙上についてまずは簡単に動作の解説しておく。
●内旋:身体の中心、もしくは内側に向かって腕を動かす動作だ。例えば腕を体側に下ろし、前腕を身体の正面に上げたところから、体の中心に向けて、前腕を水平に移動させるのは肩の内旋運動である。
●外旋:身体の外側に向かって腕を動かす動作であり、内旋運動と逆の動きである。例えば腕を体側に下ろし、前腕を体の正面に上げたところから、体の外側に向けて水平に移動させる動作というのは外旋運動である。このようにして行う内旋&外旋運動は肩から起こるものであることをしっかりと覚えておこう。
●肩甲骨面挙上:腕をまっすぐに体側に持ち上げたら、30度ほど前に水平移動させる。この状態は肩関節にとって最も自然な角度で腕が保たれている状態であり、肩関節を最大限に機能させることができる状態である。また、この状態は肩関節だけでなく、肩甲骨にとっても一番機能しやすい角度である。肩甲骨を動かす種目は数多くあるので、肩甲骨面挙上の動作も積極的に行って、肩関節と肩甲骨を自由に動かすことができるようにしておきたい。

それではさっそく、内旋、外旋、肩甲骨面挙上に着目した6つのローテーターカフの種目を解説していこう。