2001年公開のアニメ映画「千と千尋の神隠し」は昨年(2021年)の7月でめでたく20歳(周年)。2022年の今年は日テレ系「金曜ロードショー」で1月7日に、10回目の放映が早速予定されています。
そして2月下旬には上白石萌音さんと橋本環奈さんのWキャストによる舞台公演が予定されており、グッズ関係では昨年の「となりのトトロ」(1988年公開)に続きロエベとのコラボ商品が1月7日より発売されます。
昨年は20周年記念ということもあり、記念グッズもたくさん発売されたので、ファンの方々の懐はもうすでに氷河期になっているのではないでしょうか?(笑)
と、そんな「千と千尋の神隠し」グッズなのですが、公開と同時期に発売されたグッズの中にはこんなグッズもあったのをみなさんはご存じだったでしょうか?紫の布に車輪のような模様が描かれた謎のキャラクター。彼は一体誰なのか?
商品タグには「盃さま」と書かれている彼。実は、劇中に出てくる八百万の神様たちの中でも特異な存在で、パンフレットはおろか絵コンテやジ・アートオブシリーズなどの関連書籍にも一切名前が出てこないけれども、単品でグッズ化されたという珍しい経緯を持つ神様なんです。
劇場公開当時の公式本にも名前の載っていない、言わば八百万の神様の中でも「その他大勢」に分類されるようなキャラクターがなぜマスコット化されたのか?
実は元々、劇中で何か役割があったのだけれども諸事情により変更がなされた不遇なキャラクターだったのではないか?などと私は勝手にこの20年間妄想し続けていたのですが……(笑)
実は「千と千尋の神隠し」の製作に入る前の段階で、宮崎駿監督から社内で「八百万の神様キャラクターの企画募集!」が行われたという話しを耳にしました。劇中には名前のある神様の他にも、名もなき神様はたくさんでてくるので、監督だけでは手が回らなかったのかもしれませんね。
この噂をもとに、ジブリマニアネットワークを駆使して、「盃さま」についてあちこちに聞いてみました。すると出てきた話が「お酒の好きな背景美術のスタッフ作ではないか」とのこと。
ではその神様の中から「盃さま」だけがなぜマスコット化されたのか?というと、「盃さま」は作りやすく、神様がたくさんならんでいると楽しいからで、特に深い意味はないのではないか?というこれまたノリ的な話しが。グッズ関連は人気は勿論、その他のキャラクターたちとのバランスも考慮し作られることがあります。この話を聞き、そういうノリがあったのかもしれない……。と妙に納得してしまいました。
しかしこの「盃さま」、劇中では1カットのみならず数カット登場する、結構印象に残るキャラクター。既に覚えている人もいるかもしれませんが、今まで気にしていなかった方たちは今回の放送で改めて、ぜひチェックしてみてください。
(非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313)
文・おた経編集部/提供元・おたくま経済新聞
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