「お仕事が決まった~!」と喜んでいたら、まさかのヤバい案件だった……。こんな怖い話を仲間から聞いたことのあるフリーランスもいるのではないでしょうか。
実は案件そのものが法律的にアウトだった、取引先が反社の関係者だった……等々、ひとりで営業活動を行うフリーランスには危険がいっぱいです。
一歩間違えば命取り!? 落とし穴がいっぱいの危険地帯で、ヤバい案件を避けて生きるにはどうしたらいいのか。クラウドソーシングを利用するときの注意ポイントからヤバい案件を引き当ててしまったときの対処法まで、おなじみ河野弁護士にたっぷり聞いてきました!
実はけっこうある!? ヤバい案件
ぽな:先生、見て見て! こんな怪しいサービス見つけちゃいました!!

河野:
おお、これは……! 清々しいまでの非弁行為(※)ですね。
示談交渉や法律相談など、弁護士でなくてはできない行為を無資格者が行うこと。「非弁活動」とも言う。絶対にやってはいけない。
ぽな:
しかも代表者は他人のアップした画像を無断使用しているみたいですし、公式ホームページに書いてある内容も見るからにうさんくさい……というツッコミどころ満載のサービスでした!
でも、このホームページ、けっこう立派でお金かかっていそうな雰囲気があるんですよね……。この制作案件を受けちゃったフリーランスがいるかと思うと、大丈夫なのかなとなんか心配になりまして。
河野:
うん、誰かが受けているんでしょうねえ……。名前が出ていないから、まだいいっちゃいいかもしれないけど。
ぽな:
なんか、こういうヤバい案件ってありますよね……。ほかにも私、クラウドソーシングでヤ◯金関係のライティング案件を見た、という人の話も聞いたことがあります!
河野:
ああ、あるでしょうね。
ぽな:
実際、受けちゃいけない案件ってあると思うんです。CM打って大々的にやっているような企業さんだって、実は……ということもあるじゃないですか。ただ、いざトラブルに巻き込まれてしまうと、正直知らなかったじゃ済まされない場合もありますよね……。
河野:
うん。まあ危険そうな案件は基本的に受けるべきじゃないですよね。
クラウドソーシングは相手を見極めて
ぽな:ただ、そうは言っても、実際ヤバい案件を見分けるのって容易じゃないですよ。ちょっと見ただけじゃわからないじゃないですか……。どうすればいいんですか? 特にクラウドソーシングとか、正直誰が発注しているかわかんないですし……。
河野:
あのね、基本的にクラウドソーシング案件に載ってる案件だからといって、必ずしも信用しちゃいけないっていうのが全てなんですよ。クラウドソーシングはあくまでも「場所を提供しているだけ」なので。
ぽな:
めちゃくちゃ切り込みますね先生……!
河野:
基本的にはクラウドソーシング側で何か審査をしているわけじゃないし、違法な案件を仲介したからといって責任が問われるわけでもない。裏を返せば、別にクラウドソーシング案件だからといって必ずしも案件の適法性が確保されているわけじゃないんです。
ぽな:
そ、そうなんですね……!
河野:
もちろんクラウドソーシング運営側も自浄努力をしているでしょうが、念のために掲載企業については自分でも調べておいたほうがいいでしょうね。
ぽな:
大手クラウドソーシングでは発注者が個人のこともあるし、そうすると、もう発注者の情報が追えないですよね。そういう案件を見ていると、「これ、大丈夫かなあ」と思うことはしばしばあります。
河野:
まず、そもそも論で言うとですよ、相手の顔が見えないからこそ違法な案件を発注しやすい、というのはありますよね。相手の身元がわからないから、問い合わせをしても結局何者なのかすらわからず、トラブルになったときもお手上げになってしまうという。