退職を考えているけれど、どうやって会社を辞めればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。会社を退職する際に正しい手続きを行うためには、法的なルールや就業規則などを確認する準備期間が必要です。本記事では、会社の辞め方の手順や、退職時に起こりうるトラブルへの対処法をご紹介します。社会人としてのマナーを守り、円満な退職を目指しましょう。
目次
退職を2ヶ月前に伝えるのは非常識⁈
退職を2ヶ月前に伝えるのは非常識ではない理由
退職を2ヶ月前に伝えるのは非常識⁈

会社を辞めると決めてから上司に相談せずに退職届を提出すると、トラブルに発展する可能性があるので気をつけましょう。ここでは、会社の辞め方の手順についてご紹介しますので、円満退職をするために参考にしてください。
退職の手順
退職を決意したら、まずは直属の上司に口頭またはメールでアポを取り、1対1で相談する時間を作ってもらいましょう。上司の了解が得られたら、退職願を提出します。
退職願とは、3月31日をもって仕事を辞めたいことを表明する書類です。会社によっては、氏名や退職日を記入するフォーマットがある場合もあります。

また、退職後の仕事の引き継ぎが出来ていないと、会社や取引先に迷惑をかけることになります。そのため、仕事の手順や注意点などを記した書類を用意しておくと、後任者が理解しやすく、退職後のトラブルを避けることができます。
社内で挨拶をするタイミングとしては、退職願を受理してもらった後が理想的です。会社に受理される前に退職の噂が広まると、トラブルの元になるので気をつけましょう。
また、退職前に自分の机やロッカーに忘れ物がないか確認し、丁寧に掃除しておくこともマナーです。このような退職の手順を知っておくことで、円満に会社を辞めることができます。
退職を2ヶ月前に伝えるのは非常識ではない

2ヶ月前に退職の意思表示をするのは非常識ではありません。非常識な人の中には、辞める前日に退職を伝える人もいますし、突然何の前触れもなく音信不通になる人さえいます。
さすがに直前の退職は、周囲も心構えができていません。そのため、2ヶ月前に退職することを伝えるのであれば常識的といえるでしょう。
とはいえ、いつ報告するにしても、辞めるからには引き継ぎなどで周囲に負担をかけることに変わりはありません。どんなに理不尽な職場であっても、退職することは紛れもない事実ですので、できるだけ誠意ある対応を心がけてください。
退職を2ヶ月前に伝えないと非常識というのは会社の都合

できれば、退職予定日の2ヶ月前までに退職の意思を伝えると人事担当の方には感謝されることでしょう。2ヶ月あれば、退職者のポジションを埋める余裕が残されています。
人事部は、通常退職願が提出され次第、求人の手配を開始します。求人サイトの担当者や転職エージェントと求人内容の打ち合わせをし、予算作成、決済まで大企業であれば1ヶ月程度かかると思われます。
もし中小企業やベンチャー企業の場合は、意思決定が早いので、1週間程度で求人が出されるかもしれません。とはいえ、もし、後継者が見つからない場合は、他部署の優秀な人材に声をかけて、引き継いでくれる人を探さなければなりません。

そのため、2ヶ月ほど前もって時間があれば助かるというのが会社側の本音です。退職による欠員が出ると、周囲への負担が大きくなり、いきなり転勤命令を出すわけにもいかない事情があります。
特に大企業では、採用がうまくいかず欠員が出た場合、各部門の責任者と調整しながら異動者を決めていく必要があります。
また、中小企業やベンチャー企業であれば、社員が一人辞めるだけですぐに人手が足りなくなり、その後の経営に影響が出る可能性も否めません。このような事情を考慮し、できれば2ヶ月前に伝えるようにしましょう。
退職を2ヶ月前に伝えるのは非常識ではない理由

急に体調を崩したり、親の介護が必要になったりして、急遽退職することになった場合、今すぐ退職したいと思う方は多いでしょう。ここでは、なぜ2ヶ月前に退職届を出すことが非常識ではないのかについて解説します。
非常識ではない理由①民法に2週間前の定めがある
法律的には、退職日の2週間前に予告をすれば問題ありません。これは、労働基準法ではなく、民法に則ったものです。
民法627条1項によると、無期雇用の場合(日本では正社員として働いている人を指す)、2週間前に退職の意思表示をする必要があるのです。
期間の定めのない雇用(日本では正規雇用のこと)の場合は、2週間前に申し出れば、雇用契約は終了します。基本的に、退職願や退職証明書は必要ありません。
非常識ではない理由②就業規則より民法が優先される

また、民法は就業規則の規定より優先されます。就業規則はあくまでも「会社のルール」なので、法的な拘束力はありません。
会社の中には、辞める6ヶ月前には申告しなければならない等、就業規則に厳しい内容が書いてある会社もあります。この場合、就業規則と民法を比較すると、当然民法の方が優先されますので、2週間で退職することは可能です。
就業規則より民法の方が上位とお考えください。就業規則は会社の中だけで通用するもの、民法は日本社会全体で守らなければならない法律と考えるとわかりやすいでしょう。ただし、前述したように、きちんと引き継ぎをするのが社会人としてのマナーです。